新型コロナウイルス変異株不活化作用を確認(3カ国語翻訳を追加し情報更新 8/26)
殺菌成分CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)の 新型コロナウイルス変異株不活化作用を確認
大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、当社)は、山口大学共同獣医学部獣医微生物学分野の早坂大輔教授、下田宙准教授への委託研究で実施したin vitro試験(試験管内の実験)において、殺菌成分CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)を0.0125%以上の濃度で30秒間曝露させることにより、新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)を99%以上不活化することを確認しましたのでお知らせいたします。
以下に、研究の詳細をご説明します。
CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)の 新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)に対する不活化作用
現在世界的に、新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の支配的状況が継続しており、感染の主流となっています。※1
また、新型コロナウイルスに感染すると、感染時だけではなく、回復した後にも後遺症として様々な症状が見られることがあります。後遺症の症状として、オミクロン株では咳嗽(がいそう)(咳のこと)が多いことも報告されており※2、予防意識を高めて感染対策を実施する必要性が高まってきています。
<研究成果>
大正製薬と山口大学は、委託研究で実施したin vitro試験において、CPCの新型コロナウイルス変異株(オミクロン株 BA.2系統TY40-385)への不活化作用を検証しました。新型コロナウイルス変異株液とCPC溶液を1:9で混合して10秒間、30秒間、1分間、3分間、5分間作用させ、感染性を持つウイルスがどの程度減少したか評価した結果、CPCを0.0125%以上の濃度で30秒間曝露させることにより、新型コロナウイルス変異株を99%以上不活化すること(感染性を失わせること)を確認しました(表1)。
<本知見の活用及び今後の展望>
CPCは、細菌の脂質二重膜で構成されている細胞膜を破壊することで、殺菌作用を示すことが知られています。新型コロナウイルスのエンベロープは脂質二重膜構造であり、エンベロープを破壊することで、CPCは新型コロナウイルスを不活化すると考えられます。
国内外ではオミクロン株の亜系統であるBA.5系統などの流行が報告されており、これらの変異ウイルスも同様のエンベロープを持っています。
当社は今後も、CPCの新たな作用について、さらなる研究を進めてまいります。
※1 国立感染症研究所.感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス
(SARS-CoV-2)の変異株について(第19報)
※2 第88回 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和4年5月26日)
【ご参考】2021年10月25日発表リリース
「セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)の新型コロナウイルス不活化作用を確認」
(https://www.taisho.co.jp/company/news/2021/20211025000848.html)