東日本大震災で壊滅した工場 12年の時を経て肥料の製造販売額が前年同期比147%に
天然有機質肥料、農産品、除草剤を扱う農業関連メーカーの大成農材株式会社(代表:杉浦 朗、本社:広島県広島市)は、自社商品の肥料の製造販売額が前年同期比147%を超えたことをお知らせいたします。
2011年3月11日、宮城県石巻市に津波が押し寄せ、石巻市にあった当社の工場は壊滅。原料タンクは崩壊、春の出荷最盛期を前に作り貯めていた在庫は全て流されました。現場の状況は凄惨を極め、社内でも復興は難しいとの声もあり、有機肥料製造からの撤退を一度は考えたものの、数少ない国産の魚を原料とした有機肥料メーカーとして、長年愛用してもらっている全国の農家への供給と工場従業員の雇用を守る為、1年半かけて製造再開にこぎつけました。しかしながら、その間に離れたユーザーも多く、売り上げは震災前と比較して約4分の1となり、しばらく業績は低迷しておりました。そんな中でも地道な努力を続け、震災から12年が過ぎようとしている現在、2022年(1月~12月)の肥料の製造販売額は前年同期と比べて147%。震災の前年度と比較しても200%を超えました。
化学肥料の高騰と みどりの食料システム戦略により、有機肥料に追い風
国内で使われる肥料のほとんどは原料を輸入に頼る化学肥料ですが、新型コロナによるサプライチェーンの混乱やウクライナ問題、大幅な円安で、化学肥料は高騰しました。そんな中、欧米をはじめとする世界各国において、環境配慮型の農業(脱化学肥料)への移行が進んでいます。日本においても、2021年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定、2022年7月には「みどりの食料システム法」が施行されました。日本における化学肥料の高騰により、奇しくも有機肥料と化学肥料の価格差がなくなってきたことに加え、政府は肥料価格高騰への対策として、化学肥料使用量の2割低減に取り組む農家を対象に、肥料コスト上昇分(令和4年6月から令和5年5月に購入した肥料)の7割を補填する政策を打ち出したことで※、有機質肥料への注目はより一層高まりました。(※ https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_hiryo/220729.html )大成農材株式会社が製造する、100%国産原料を使用する有機肥料に対しても、農家や肥料店の方から「有機栽培をこれから始めたい」、「化学肥料から有機肥料に切り替えたい」といった問い合わせや、卸や小売店からも「有機肥料の取り扱いを始めたい」、「今後、自社の地域でも有機農業を普及させていきたい」といった問い合わせや注文が増加しました。
主要商品の詳細
バイオノ有機s
形状 :ペレット
商品規格:20kg袋
原料 :フィッシュソリュブル(魚肉エキス)、米糠油粕(脱脂米ぬか)
保証成分:N-P-K 7.2-4.0-2.5
特徴 :有機質100%肥料で有機JASにも使えます。
作物のおいしさ、色つや、鮮度の持続性が向上します。
有効微生物が増え元気な土づくりができます。
肥効が早く、じっくり効きます。
エキタン有機特選エース
形状 :液体
商品規格:20kgバロンボックス、5kgボトル
原料 :フィッシュソリュブル(魚肉エキス)
保証成分:N-P-K 6-0-0
特徴 :有機質100%肥料で有機JASにも使えます。
魚肉タンパクの濃縮エキスを酵素分解した液肥です。
葉面散布でも潅水施肥でも効果がすぐに期待できます。
野菜や果実のおいしさが増します。
なり疲れを解消し作物の生育が旺盛になります。
今後の展開
肥料価格高騰に対する農家への支援制度の狙いとして、みどりの食料システム戦略における「化学肥料使用量30%低減」といった2030年目標の達成にも資する仕組みにしたいとの政府の見解があったように、既にみどり戦略のKPIの達成に向けて各種取り組みがなされています。今まで農業界において肥料といえば化成肥料のことでした。そのような中で、「有機農業に取り組む面積の割合の拡大」という課題についても、「生産力の向上」と「持続性」を両立させるというのは簡単ではないとは思います。しかし、日本の農業が今後も発展していくために、有機肥料に関心を持つ農家の増加に対し、使いやすく効果の高い有機肥料の普及は必要不可欠です。創業以来、ひたむきに有機肥料の製造に取り組み、品質の高い肥料を販売してきた実績を生かし、今後の更なる需要の増大に向けて、近い将来、工場設備の増強を計画しており、より一層お客様の期待に応えるべく、誠心誠意努力してまいります。
会社概要
名称 : 大成農材株式会社
所在地: 〒730-0017 広島県広島市中区鉄砲町7-8
URL : https://taiseinozai.co.jp