えっ、先進国で日本だけ!?「ヒアルロン酸注入」のほんとうの話

一部の美容クリニックが、大々的に推している「ヒアルロン酸注入法」。手軽でリーズナブル、そしてダウンタイムがほとんどないことから、施術を受ける人が爆発的に増えています。

しかし、ここまでヒアルロン酸注入法に注目が集まっているのは、世界を見渡しても日本だけではないかと言われているのはご存じでしょうか。

そもそも、ヒアルロン酸の効果は数ヵ月から1~2年程度で失われてしまうという特徴があり、あくまでも一時的な豊胸と捉える必要があります。海外の人たちは、消えてなくなってしまうものにお金をかけるという発想そのものを持たないのかもしれません。

そもそも海外では豊胸を「悪」とは捉えず、美しくなるための「努力」とする考え方が広まってきています。ですから、一時的な豊胸ではなく、半永久的な豊胸が選ばれるのかもしれません。

今回は、日本だけで流行しているヒアルロン酸注入法について、メリットとデメリットを伝えていきましょう。

美容医療では名の知れたヒアルロン酸。豊胸でもメジャーだけど、どんなものなの?

細胞の結合や、衝撃から細胞を守る働きをするヒアルロン酸

まず、ヒアルロン酸とは何なのか……というところからお話していきましょう。

ヒアルロン酸はもともと私たちの体内に存在する成分です。豊胸術で使用するのは、体内に備わっているヒアルロン酸と同様の成分でつくられた人工物になります。

成分内容としては、グルコサミンとグルクロン酸という2種類の糖がペアになっており、私たちの体の中では、細胞と細胞を結合や、刺激や衝撃から細胞を守る役割を担っています。水分保持力が高いことから、基礎化粧品に使われたり、水分が失われたことで痛む関節炎の治療に利用されたりしています。

アンチエイジング美容で活躍するヒアルロン酸

美容クリニックの施術でも、ヒアルロン酸は大活躍しています。というのも、加齢によって、皮膚のヒアルロン酸量が減少してしまうからです。ヒアルロン酸が減って、水分が不足することで、皮膚にはシワやたるみができてしまいます。そのため、アンチエイジングの1つとして、皮膚にヒアルロン酸を注入すると、肌がふっくらと盛り上がり、張りのある若々しい素肌をつくることができるのです。また、シワに沿って、皮膚に線状に注射すれば、シワを盛り上げて目立たなくすることができます。

ただし、最初にも述べた通り、人工的に注入したヒアルロン酸は、時間とともに体内に吸収され、やがて消失してしまいます。

ヒアルロン酸を使った美容整形は失敗も目立つ

手軽にシワやたるみを改善できるヒアルロン酸注入ですが、意外にも失敗例も少なくありません。というのも、注入量や注入する場所のわずかな違いによって、仕上がりがまったく違ってしまうからです。

ある程度の年齢を超えた芸能人を久しぶりにテレビで見たときに、顔がパンパンに膨れていると感じたことはないでしょうか。より若く見せたいという希望から、必要以上量のヒアルロン酸を注入してしまった結果だと考えられます。

頬はもちろん、唇やほうれい線周辺などが、異常に腫れてしまっているのを見ると、技術や経験不足の医師が施術したのだろうと気の毒になってしまいます。

ヒアルロン酸を使用した豊胸はメリットだけ?デメリットは?海外での評価は?

体はヒアルロン酸を異物と見なす?

豊胸術でヒアルロン酸を使用する場合のメリットは、注射だけで簡単にバストアップできる点にあります。注射をする部位や量をコントロールすれば、理想とする形に整えることもできます。スピーディで面倒な手術も必要ありません。

施術時間は15~30分程度、翌日以降の生活に支障はありません。手軽さという点では、これに勝る豊胸術はないかもしれません。

ただ、何度も言っている通り、ヒアルロン酸は一時的な豊胸術です。早ければ2ヵ月、どんなに長くても2年経てば、注入したヒアルロン酸は失われてしまいます。

その理由は、注入するヒアルロン酸があくまでも「人工物」だからです。私たちの体は、体内に異物が入ってきたときに、それを排出しようとします。ウイルスや菌が体内に入って来たときに、発熱や嘔吐、下痢などが起きる仕組みと同じです。

小さなヒアルロン酸は体内に吸収され、リンパ管を通って尿として排泄されます。痛くもかゆくもありませんが、知らず知らずのうちにヒアルロン酸という異物を、体は退治したことになります。

繰り返しヒアルロン酸注入を行うリスクとは?

ヒアルロン酸が失われたら「再び注射すれば良い」と考える人もいるかもしれませんが、気をつけなければいけないことがあります。それは、ヒアルロン酸の注入を繰り返すと、バスト内で石灰化やしこりの形成が起こりやすくなってしまう点です。

ヒアルロン酸で形成されたしこりは、乳がんと誤診されることがありますし、しこりが大きくなってしまうと、バストの外見に影響が現れてしまうこともあります。ですから、継続的なバストアップを望む人には、ヒアルロン酸注入法をすすめないというのが、真っ当な美容外科医だと南クリニックでは考えています。

また、一度大きくなったバストからヒアルロン酸が消失したあと、バストにシワが寄ったり、下垂してしまうというトラブルも起こり得ます。これは、バストを支えているクーパー靭帯が大きくなったバストに合わせて伸びてしまったためで、残念ながらクーパー靭帯は元の状態に戻ることはありません。できてしまったシワや下垂を改善するには、改めて豊胸術を受けて、バストを大きくするしかないのです。こうしたリスクを術前に説明しないクリニックには要注意です。

「長持ち」をうたうヒアルロン酸注入法に要注意!

現在、美容クリニックの施術に使用されているヒアルロン酸にはいくつかの種類があります。顔に使うヒアルロン酸は、できるだけ粒の小さなものを使用してなめらかさを演出します。

しかし、バストに使用するヒアルロン酸は、粒が小さすぎると、より早く消失してしまい、豊胸効果の持ちが悪くなってしまいます。だからと言って、大きな粒を使用すれば、触った感覚が人工的になってしまう可能性があります。

そこで、最近、小さな粒と大きな粒を混ぜて使用するクリニックも登場してきました。しかし、結論から言えば、小さな粒が先に消失し、大きな粒がゆっくり消失していくことから、施術後、時間が経過するほど硬いバストになり、形も悪くなってしまう可能性があるのです。

ヒアルロン酸と似た注入剤はどうなのか?

長持ちを強く打ち出した注入剤のなかには、ヒアルロン酸と似た「非吸収性充填剤」を使用しているケースもあります。こちらは十分な注意が必要です。

少し前に問題となった「アクアフィリング」と呼ばれる充填剤は、成分の98%が水分です。「ほとんどが水分だから安全」という触れ込みをしているクリニックもあるのですが、残りの2%の成分が体に害を与える可能性が指摘されています。

皮膚の慢性的な炎症や大きなコブのようなしこりができた事例が報告されていることから、「現段階では使用するべきではない」という見解を表明している国が多くなっています。

日本でも日本美容外科学会が2019年4月に、非吸収性充填剤を使用した豊胸術について「安全性が証明されるまで実施するべきではない」という趣旨の声明を発表しています。

海外では避けられるヒアルロン酸注入法

ここにあげたような理由から、ヒアルロン酸の注入は海外では嫌われる傾向にあります。アメリカやヨーロッパではシリコンバッグ挿入法が圧倒的シェアを占めています。ところが日本では豊胸術を受ける人の半数近くが、ヒアルロン酸などの充填剤を選択しています。

このあたりは、豊胸術が世間一般に認められている国と、そうでない日本との違いかもしれません。

成長再生豊胸で手に入れる、本当のバスト

ヒアルロン酸による豊胸は、一時的なバストアップを望む人には手軽かもしれませんが、効果が薄れてきたときのことを考えると、理想の豊胸術とはいいがたいでしょう。

そこで、ヒアルロン酸同様、注射のみで一生モノの大きなバストを手に入れる方法はないか……そう試行錯誤した結果、完成したのが「成長再生豊胸」です。成長因子をバストに注射することで、バスト内の脂肪と乳腺が発達し、自身のバストが成長していく仕組みです。

ヒアルロン酸注入法のデメリットが気になる人には、成長再生豊胸の検討をおすすめします。

南クリニック院長:南晴洋
南クリニック院長:南晴洋

南クリニック院長:南晴洋

京都第二赤十字病院形成外科勤務、大手美容外科院長を経て1997年 南クリニック開業。創業以来、豊胸に力を入れている。注射で豊胸を行う「成長再生豊胸」を海外の学会でも発表。


AIが記事を作成しています