シンポジウム「果樹におけるスマート農業の可能性」を開催 AIやロボット技術を使った農業改革の取り組みを紹介
近畿大学農学部(奈良県奈良市)が代表機関をつとめる「奈良から発信する柿生産スマート化コンソーシアム」(代表:農学部環境管理学科 教授 松野 裕)は、令和2年(2020年)2月3日(月)、奈良県橿原市にて、「果樹におけるスマート農業の可能性」と題したシンポジウムを開催します。AIやロボット技術を用いた「スマート農業」について、奈良県五條吉野地区の柿栽培での実例と効果など、最先端の取り組みを紹介します。
【本件のポイント】
●AIによる収穫時期判定や、アシストスーツで大量の柿を楽に運ぶなど、ICTで農業を変える
●奈良県随一の柿生産地域である五條吉野でのスマート農業の取り組みの紹介
●柿、ぶどう、りんごなどの果樹栽培におけるスマート農業発展の可能性を議論
【本件の内容】
奈良県の五條吉野地区は、全国有数の柿の産地であり、特にハウス柿の生産量は全国の約80%を占める一大産地です。しかし、柿生産現場では、特に若い世代の労働力不足が深刻となっており、農作業の更なる省力・軽労化とそれによる経営面積の拡大、新規就農者への技術力継承などが重要な課題となっています。
近畿大学農学部が代表機関をつとめる「奈良から発信する柿生産スマート化コンソーシアム」は、これらの課題解決のために、ロボット技術を応用した農業機械やAI、ICTを生産現場に導入し、各種データを連携して活用することで省力化・高品質高生産を可能にする新たな農業、いわゆる「スマート農業」の技術開発および普及を目指しています。具体的には、柿をカメラで常時観察し、AIが収穫に最適な時期を教えてくれる栽培環境モニタリングや、収穫時に1箱20kgにもなる大量の柿を楽に運べるアシストスーツ、遠隔制御できる除草機などの導入により、農作業の負担軽減と生産量の増加を図ります。
今回のシンポジウムでは、本コンソーシアムで進めている「先端技術導入による中山間地域の柿生産スマート化への展開」プロジェクトにおける現在までの取り組みを総括することに加え、他の地域・コンソーシアムで実施されている果樹生産のスマート化の取り組みの現状を紹介します。
本シンポジウムを通じて、研究機関、生産者団体、行政、民間企業等間での情報共有、さらに果樹生産におけるスマート技術普及に向けた総合的討論の場を提供します。
【開催概要】
日 時:令和2年(2020年)2月3日(月)10:00~14:40
場 所:THE KASHIHARA 2階 大会議室
(奈良県橿原市久米町652-2、近鉄南大阪線「橿原神宮前駅」徒歩約1分)
対 象:生産農家、農業関連団体、市町村、研究者、その他(定員100人、入場無料)
主 催:奈良から発信する柿生産スマート化コンソーシアム
協 賛:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
後 援:農林水産省近畿農政局、奈良県
申込方法:以下のお問い合わせ先にご連絡ください
お問合せ:近畿大学農学部 国際開発・環境学研究室
TEL(0742)43-9264
E-mail:matsuno@nara.kindai.ac.jp
五條吉野土地改良区
TEL(0747)22-0007
E-mail:gy-tochi@khaki.plala.or.jp
<プログラム>
10:00 開会挨拶
10:10~10:30 奈良県の柿生産の現状
10:30~11:00 スマート農業実証事業について 第1部
奈良から発信する柿生産スマート化コンソーシアム
JAフルーツ山梨スマート農業実証コンソーシアム
12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 スマート農業実証事業について 第2部
日本式醸造ぶどう栽培スマート農業一貫体系の実証コンソーシアム
企業経営スマート果樹農業コンソーシアム
14:00~14:30 総合討論
14:30 閉会挨拶
【奈良から発信する柿生産スマート化コンソーシアムについて】
奈良県五條吉野の柿栽培において、産官学が連携し、ICT等の技術を用いて収穫や出荷などの柿生産者の労働負担を軽減し、労働力の15%削減と、高品質柿の生産量3~8%増を目指しています。AIを用いて柿の収穫時期を判定するシステムの開発や、アシストスーツを使った収穫作業の負担軽減などに取り組んでいます。
メンバー:近畿大学農学部、奈良県農林部農村振興課、五條吉野土地改良区、
農業法人 赤松ハウス柿生産組合、農業法人 旭ヶ丘農業生産販売協同組合、
スマート化推進企業連合
【関連リンク】
農学部 環境管理学科 教授 松野 裕(マツノ ユタカ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/871-matsuno-yutaka.html