電車の中に防犯カメラを設置することを義務化すべきか?Surfvoteの意見投票で55.8%が「全面的に賛成」と回答する一方、費用やプライバシー侵害の観点から「全面的に反対」する意見も約10%あがった。
犯罪学が専門の立正大学教授・社会学博士の小宮信夫氏がSurfvoteで課題提起。近年連続する電車車両内での事件防止や、犯人逮捕の助けとなるのか?さまざまな意見が寄せられました。
SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)はこのたび、「電車の車両内への防犯カメラの設置を義務化すべきか?」というイシュー(課題)について3月31日に投票が終了しましたので結果をお知らせします。Surfvoteでは社会のあらゆる課題や困りごとを「イシュー」として掲載。アカウント登録をしたユーザーであれば誰でも意見を投票したりコメントを書いたりすることができます。集めた声は社会を前に進めるためあらゆるかたちで活用されます。
電車の車両内への防犯カメラの設置を義務化すべきか?
人びとの生活に欠かせない電車やバスなどの公共交通機関。仕事やプライベートで利用し、快適に安心して移動できる手段のひとつです。
しかし、1995年の「地下鉄サリン事件」、最近では「京王線刺傷事件」「小田急線刺傷事件」「九州新幹線放火未遂事件」「東海道新幹線殺傷事件」など、世間を騒がせる事件が次々と起きています。
そういった事態を受け、国土交通省は新たに製造される鉄道車両内に防犯カメラの設置を義務付けることにしました。ただし、義務化は新幹線全線と三大都市圏(東京、大阪、名古屋)などに限定しています。
また、義務化は録画することまでで、事務所からリアルタイムでモニタリングすることまでは求めていません。
こうした義務化の動きについて、どのように考えるか、Surfvoteでひろく声を募集しました。
投票の詳細
イシュー(課題):電車の車両内への防犯カメラの設置を義務化すべきか?
https://surfvote.com/issues/y5xqbz3knohx
調査主体:社会デザインプラットフォーム Surfvote(Webサービス)
調査対象:Surfvote上でアカウントを持つユーザー
調査方法:Surfvote上でアカウントを持つユーザーが投票
投票期間:2024年1月18日〜2024年3月31日
有効票数:52票
投票結果とコメントの紹介(一部抜粋・原文ママ)
車両内の防犯カメラ設置の義務化に全面的に賛成 55.8%
怪しい行動を感知して犯罪を未然に防ぐ。みたいなことはできないかもしれないが、例えば痴漢などの犯罪の証拠または冤罪である証拠になりうるのではないか。
国土交通省が今回決めた範囲であれば義務化に賛成 15.4%
軽犯罪の予防や冤罪の証明に有効だ。ただ、いずれ全国津々浦々の全車両に設置することが義務化されるというのなら、反対だ。財政が厳しいというのもあるし、田舎ののんびりした鉄道にまでカメラが付いていることになったら風情がない。
リアルタイムでモニタリングするのなら防犯カメラ設置の義務化に賛成 7.7%
例え痴漢にあっていても、あとから言うことができない人もいると思う。犯人を満足させないためにもリアルタイムでのモニタリングが必要だと思います。
防犯カメラが設置されていない車両を連結するなら義務化に賛成 5.8%
自分で選択できるならプライバシーも守られるしいいと思います。女性は積極的に防犯カメラが設置されている車両に乗るのがいいと思います。
車両内の防犯カメラ設置の義務化に全面的に反対 9.6%
車内がガラガラに空いているような地方の車両では、カメラを設置・維持する費用に対して効果が薄い(映像を必要とする機会が恐らくほとんど無い)、都市部の満員電車なら、車両につき一台程度のカメラでは、何かの役に立つ映像は撮れない。隅から隅まできちんと撮影するなら複数台のカメラが必要だろうが、その分コストは嵩むし、プライバシーの問題もある。以上の理由から、全面的に反対。
その他 1.9% わからない 3.8%
どれくらい利用料金が高くなるかわからないので、現状の意見は不明。生活に欠かせない交通手段であるため2倍とかになるのであれば現実的ではない。
このイシューを執筆した 小宮 信夫氏
立正大学教授。社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページとYouTube チャンネルは「小宮信夫の犯罪学の部屋」。
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