「不審者」という言葉の犯罪予防効果についての投票が開始

「不審者」という言葉を使うアプローチのメリットとデメリットからその是非を考える

「不審者」という言葉を使うことで、犯罪を防げるか?
「不審者」という言葉を使うことで、犯罪を防げるか?

政策や社会課題への参加をサポートするICTスタートアップのPolimill株式会社社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)の一般向けサービス【Surfvote】上で提供されている、大学の先生や専門家による執筆コーナー【シンカブル】で、小宮信夫立正大学教授(社会学博士)が「不審者」という言葉の犯罪予防効果について問う投票を開始しました。

小宮教授によれば、防犯を話し合うため人が集まれば、必ずと言っていいほど、「不審者」という言葉が、「不審者に気をつけろ」「不審者を見かけたら110番」「不審者情報を共有しよう」といったメッセージによって登場し、この種のメッセージは至る所で見ることができるということです。

また、「不審者」の定義はそれを用いる主体によって少し異なっており、例えば警察庁では、子どもの安全を脅かす不審者を、「声かけ事案等を行い、又は行うおそれのある者」と定義しており、また、文部科学省が作成した「学校不審者侵入時の危機管理マニュアル」では、「正当な理由がなく校地や校舎に立ち入ったり、立ち入ろうとする者」を「不審者」と呼んでいるということです。

そのうえで、「不審者」という言葉を使うアプローチのメリットとデメリットを以下のように列記して、「不審者」という言葉を用いるアプローチは果たして防犯対策として有効なのだろうかを皆さんに考えていただき、投票を求めています。

「不審者」という言葉を使うアプローチのメリット

・この言葉を通じて、周囲を警戒しやすくなり、その結果、いち早く、犯罪を実行しようとする人に気づける。
・この言葉が、子どもや地域住民との共通言語になり、防犯意識や共同体意識が高まる。
・この言葉を否定すると、これまでの活動を否定することになり、防犯活動を行っている人のモチベーションを低下させてしまう。

「不審者」という言葉を使うアプローチのデメリット

この言葉の定義があいまいなので、防犯活動の共通の基盤にはなり得ない。
この言葉を使っても、実際に犯罪を実行しようとする人を見極めることは不可能に近い。
この言葉が広まると、外見上、普通と違う人が犯罪者とみなされ、差別が生まれてしまう。

小宮信夫立正大学教授(社会学博士)

立正大学教授。社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページとYouTube チャンネルは「小宮信夫の犯罪学の部屋」。

【シンカブル】ではSNSと分断、エネルギー、ジェンダーなどさまざまなテーマについてユーザーの投票やコメントを促し、得られた結論を関係省庁などに提出しますので、是非とも社会の小さな前進に参加してみてください。

Polimill株式会社のミッション

あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。