【名城大学】経営学部の澤田慎治准教授のゼミ生が蟹江町のふるさと納税の黒字化策を提案

5グループが新たな返礼品やPR動画などを発表

調査・研究の成果を発表する学生たち

ふるさと納税による町税の流出に悩む愛知県蟹江町からの依頼を受け、ゼミの課題として寄付額のアップ策を調査・研究してきた本学経営学部の澤田慎治准教授のゼミ生たちの成果報告会が11月20日、蟹江町役場で開催され、横江淳一町長らに町の公式キャラクターを活用したPR策や新たな返礼品のアイデアなどを提案しました。

町の公式キャラクター「かに丸君」を活用したPR策も

発表後、質問に答える学生
ユニークなアイデアも続々と

蟹江町では、ふるさと納税で町に入る寄付の額よりも、町民による町外の自治体への寄付がはるかに上回り、差し引きの赤字額は2022年度では約8500万円に上っています。このため、学生たちが学んでいるマーケティングスキルと若い感性を生かして町への寄付額を増やそうと、本学と産学連携に関する包括協定を結んでいる中部電力を通じて澤田ゼミにふるさと納税の改善策の提案を依頼しました。

澤田ゼミの2、3年生23人はまず5月に、蟹江町役場でふるさと納税制度の成り立ちや蟹江町の返礼品の現状、さらには返礼品をめぐる自治体間の競争まで町から説明を受けました。その後、ゼミの課題として課題解決のアイデアの検討を続けてきました。この日の報告会では、町職員ら約30人を前に5グループに分かれてその成果を発表しました。

蟹江町の「蟹」が有効利用されていないと分析したグループは、町の公式キャラクター「かに丸君」を活用するため、まずプロフィールを設定。X(旧ツイッター)でつぶやいたり、動画を投稿したりするPR策を提案しました。名古屋市民をターゲットにしたグループは、蟹江町の家賃が安いことに注目して「100万円の寄付で引っ越し代無料」といった家賃関連の返礼品を導入するアイデアなどを提示しました。

蟹江町長「新しいことに気づかせていただいた」と感謝

発表を控える学生たち
感謝の言葉を述べる横江町長

このほか、蟹江町の返礼品で人気の高いイチジクは通年で申し込めるようにドライフルーツなどの加工品を返礼品にする提案や、町名にちなんで蟹ばさみや蟹スプーンなど蟹を食べるときに使う道具などを新たな返礼品にするアイデアも。既存データを詳細に分析したグループは、新たな気づきを見つけ出した上で、すぐに実行に移せるレベルの提案を行っていました。

最後のグループは、まずは地元住民にふるさと納税を知ってもらう目的で作成したデジタルサイネージ広告用のPR動画を披露しました。かわいらしい蟹が泡を吹きながらやってくる動画と、蟹江町のふるさと納税の厳しい実情をありのままにかに丸君が伝える動画の2種類で、報告会の終了後、蟹江町の担当者から早速、澤田准教授に「JR蟹江駅のデジタルサイネージで使いたい」との連絡がありました。

学生たちの発表後、横江町長は「柔らかい感覚を持った学生の皆さんの意見は大変貴重でした。新しいことに気づかせていただき、ありがとうございました」と感謝の言葉を添えて講評しました。澤田准教授は「消費者の立場から見れば、ぜひ実行してほしいと思う提案ばかりでした。途中でアイデアの方向を変えるなど試行錯誤して苦労した結果です」と学生たちをねぎらっていました。

泡を吹く蟹をあしらった動画
かに丸君が登場する動画
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