防音ハウス内の作業環境改善に プッシュプル換気システムを開発 ~11月16日(水)からの「建設技術展2022関東」に出展~
このたび、ヤクモ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:舟木 英之)は、防音ハウスなどの建設屋内空間の環境改善にプッシュプル換気システムを開発、2022年11月16日(水)・17日(木)にサンシャインシティ展示ホールC・Dにて開催されます「建設技術展2022関東」へ出展いたします。本展示会は、最先端の建設技術・サービスに関する最新の情報を発信する技術展であり、当社では、建設屋内の空気環境改善をはじめとする、作業従事者の職場環境改善をテーマに関連商品や対策事例などをご紹介いたします。
本開発の背景
トンネル工事に使用されるシールドマシンの立坑基地などにおいて、重機類から発生する騒音を低減させ、周囲の環境を保全する防音ハウスは、多くの土木現場で用いられています。この防音ハウス内では、掘削土の搬出やセグメントシール貼り等、さまざまな作業が行われており、個々の作業で発生する有害ガス、蒸気、粉じん、機械設備の発生熱、坑内換気の送排気等により、ハウス内の空気が汚れます。労働安全衛生法では、快適職場づくりが事業者の努力義務とされ、厚生労働省告示の指針では、作業環境の管理として空気環境、温熱条件、視環境、音環境、作業空間等が示されており、これら法令等の諸規則に基づく空気環境を維持するために、これまでは屋内全体換気(換気回数5回/時)により行われてきました。
今回開発した「立体メッシュ換気システム」の特徴
今回、防音ハウス内の各種作業内容と作業エリア別に必要な換気を効率的に行うため、作業空間の換気気流を立体的に管理する「立体メッシュ換気システム」を開発しました。開発した換気システムは、各種作業内容と作業エリア別に作業空間を立体的に換気気流の方向および風量を給気ダクト、プッシュファン、プルファン、排気ファンの配置により管理するものです。さまざまな作業エリア別に最適な空気環境を確保し、時間経過および工種の進捗に合わせた効率的な換気を行うため、換気に必要なエネルギーの省エネ化にも寄与します。
セグメントシール貼り(有機溶剤作業)におけるエリア換気の例
防音ハウス内において最も換気量を必要とするセグメントシール貼り作業向けに、大口径のプッシュファンを製作し、適用しました。一般にセグメントに使用される水膨張シール材は、水膨張樹脂とクロロプレンゴムを主材とした合成ゴムであり、接着剤にはトルエンを主成分としたクロロプレンゴム系溶剤型接着剤が使用されます。セグメントに小分けした容器に接着剤を入れ、はけで塗布しシール材を貼る作業となります。
このような作業空間において用いられるプッシュファンは、セグメント幅1m、3列程度をカバーすることができ、プッシュ気流0.3~0.5m/sを20m程度確保できることが望まれます。今回製作した大型プッシュファンは口径2,500mmであり、風速はインバータ制御により任意に設定することができます。風速設定例として30rpm回転時のプッシュプル気流の状態を図示しています。そして、この駆動条件でのプッシュファンの騒音レベルは54dBとかなり低レベルとなりました。なお、ファン全体の重量は560kgであり、車輪によりハウス内で容易に移動させることができます。
今回製作した大口径プッシュファン諸元
口径(mm) :2,500
羽根数(枚) :6
仰角(°) :±10(5°刻み)
電源電圧(V) :200(3相)
出力(kW) :1.5
回転数(rpm) :10~227
風量(m3/min.) :風速と広がり幅より算定
風速(m/s) :図参照
騒音レベル(dB):54(30rpm時)
幅(mm) :3,120
高さ(mm) :2,640
奥行(mm) :960
重量(kg) :560
この適用例では、プルファンを12台配置する一方、プッシュファンを移動させ、セグメント3列を一作業として6台稼働することで、セグメントシール貼り作業エリアの換気を行っています。このように、「立体メッシュ換気システム」を採用することで、労働安全衛生法に準拠する換気が可能となり、作業者にとって快適な空間が得られました。
また、このシステムを採用することで作業別エリア換気が可能となり、全体換気とした場合の消費電力量と比較した場合、56%の省エネルギー効果が得られました。
なお、「立体メッシュ換気システム」に関する解説動画を、以下のURLにアップしております。より詳細な技術内容につきましては、こちらにアクセスしていただくか、参考文献をご覧ください。
立体メッシュ換気システム(プッシュプルシステム)解説動画
https://youtu.be/qaY8Ea2_Tvg
会場ではその他の展示も行っています
当社では11月16日(水)および11月17日(木)にサンシャインシティ展示ホールC・Dにて開催されます「建設技術展2022関東」でブースを開設いたします。本展示会は、最先端の建設技術・サービスに関する最新の情報を発信する技術展であり、当社では、建設屋内の空気環境改善をはじめとする、作業従事者の職場環境改善をテーマに関連商品や対策事例などをご紹介いたします。
「建設技術展2022関東」開催概要
日時 : 2022年11月16日(水)~11月17日(木) 10:00~17:00
会場 : サンシャインシティ展示ホールC・D/文化会館ビル2F・3F
主催 : 日刊建設工業新聞社
公式サイト: https://www.decn.co.jp/kengi2022/index.html
入場料 : 無料
同時開催 : 国土交通省関東地方整備局主催「建設技術フォーラム」
【参考文献】建設機械施工 Vol.73, No.11(2021)
https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoyMzgzNTh9&detailFlg=1&pNo=1
ヤクモ株式会社について
当社は、振動・騒音対策の総合エンジニアリング企業として、半世紀以上にわたって様々な防音・防振装置を開発してきました。振動理論と様々なノウハウに基づいて設計された装置は、優れた効果を発揮します。このようなユニークな技術を通じて、「人に優しい」安全で快適な生活空間づくりに貢献しています。
会社概要
商号 : ヤクモ株式会社
所在地 : 〒141-0032 東京都品川区大崎5-4-18
代表者 : 代表取締役社長 舟木 英之
設立 : 1963年5月
事業内容: 防振・防音に関わる各種装置・部材の製造、
リースおよび施工、メンテナンスなど
資本金 : 6,000万円
URL : https://www.yacmo.co.jp/
本出展に関するお客様からのお問い合わせ先
ヤクモ株式会社
Tel:03-5496-7555