「FBL+FEE 未来の電気〜電池がいらない世界が来る!?〜」

(2020年10月26日プレスカンファレンス レポート)

FUTURE BRAIN LAB(フューチャー・ブレイン・ラボ)が「未来の電気 〜電池がいらない世界がくる!?〜」プレス・カンファレンスを東京・パレスホテル東京で開催。元東京大学工学系大学院特任教授で、現在はトライポッド・デザイン株式会社のCEOを務める中川聰(プロダクトデザイナー/デザイン・エンジニア/デザインコンサルタント)が登壇した。さらに、特集されたテレビ番組でナレーションを担当した、キャスターの近藤サトや、株式会社センシングネットCEO冨塚ももこ、同社CTO 小林靖 が事業の説明、技術の解説を行った。

中川は、未来の電気エネルギーは“エナジー・ハーベスト”の革新的テクノロジーになると考え、川底や砂浜といった自然の中、さらには普段の生活の身の回りにある様々な物から集電することを開発した。エナジー・ハーベストとは、身の周りにあるわずかなエネルギーを電力に変換して活用することを目的とする技術。すでに太陽光発電や風力発電などのマクロなエネルギーで活用されているが、中川はこれまで社会的に実用化されてこなかった小さなエネルギーを集める「超小集電」に着目。これを使って、電気供給が得られない自然環境や災害などの非常時における通信のための自律型電力をどう得るかということにも興味を持っている。現在、この“超小集電”でLEDライトを点灯させるだけでなく、センサーやマイクロコンピュータを動かすことにも成功している。
「電気は身近な存在として我々を生かしてくれています。そして我々も“生きている”だけで体の中に電位が発生しています。もともと自然の中には電気的な関係値があるんです。その中で電位の差があって、それをうまく調整すること、そういう環境を作ることによって、電圧(電気)が生まれる。そういうことを、今までの概念以外のところまで拡張させたのが今回の超小集電。例えると、もともと地図には載っていなかったが、マイクロテクノロジーの進化によってスコープが出来たことによって発見することができたということです。最近では、我々の血液でも電気を集めることができないかという研究段階まできています」と、超小集電によって、電力がいろんなところから集めることができ、多くの目的で使用できることが可能だと考えられるようになった。

企業が連携して先進的な研究をしていくために、「FUTURE BRAIN LAB(FBL)」を設立した。このFBLは、ニューヨークのブルックリン地区に拠点を置き、新たな発想やデザインを生み出すであろう多くの才能によって築かれる「知的出島」となる存在。この事業に賛同し、参加する企業の募集も始まっている。
連携するのは企業だけでなく、大学の研究室など、教育研究機関との連携も予定しているという。「東大で教えていた時に感じたのは、“How To Do(どのようにするか)”という技術をいかに高度に身に付けるかというのは大事なことなのですが、“What To Do”、それをどう社会に生かすか、自分のテーマとして見出せるかというのも大事だということ。いろんな目的に利用できますが、特に大事だと思ったのは、コロナ禍という今の状況ということもあり、“命の問題”なんです。研究機関とも連携して、医療にも生かすことができればと思っています」
FBL事業は5つのテーマ「情報と社会」「生命と健康」「自然と環境」「感性と芸術」「人材と教育」を提案しながら、企業や教育研究機関と連携して、“未来の電気”の活用を提案・実現していく。11月9日(月)・12日(木)にFBL企業参加説明会を開催することが決定。他に、11月より約3日間の人材養成講座(全4回)の開催も予定されている。

中川聰(Satoshi Nakagawa)プロフィール
プロダクトデザイナー/デザイン・エンジニア/デザインコンサルタント
トライポッド・デザイン株式会社 CEO/元東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻特任教授
東京大学で新たな研究講座を立ち上げ実践的研究の深耕に着手する一方、企業参加型の研究会「期待学研究会」を主宰し、現在も 100社を超える参加企業の関心を集めている。センサーとセンシングの新しい概念「SUPER SENSING」を構築し、活動を進めている。
本日、名古屋大学医学部客員教授への就任が発表された。


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