日経BPコンサルティング調べ 「Webブランド調査2023-秋冬」 Webサイトのブランド力、総合編は「Google」が初の首位 一般企業サイト編のトップ3は、「ヤマト運輸」「任天堂」 「ユニクロ公式オンラインストア」
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2023-秋冬」の結果をまとめた。Webサイトのリニューアルの効果や製品への関心、企業の好感度への影響等を明らかにするもので、2023年12月20日に調査報告書を発行・発売した。報告書は年に2度発行している(「春夏編」「秋冬編」)。
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調査結果のポイント
●総合ランキングTOP3は「Google」「楽天市場」「YouTube」
●一般企業編(インターネット専業企業を除く)では、「ヤマト運輸」が2022-春夏以来の首位を獲得。第2位は「任天堂」、第3位は「ユニクロ公式オンラインストア」
●スコア上昇サイトトップ3は「富士フイルム」「Honda」「カネボウ化粧品」
■総合ランキングは、「Google」が初のトップに。第2位は「楽天市場」、第3位は「YouTube」
調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは、「Google」。本調査で初の首位を獲得した。第2位は前回トップの「楽天市場」、第3位は「YouTube」だった。前回第3位の「Yahoo! JAPAN」は第4位となった(図表1)。
第1位の「Google」のWebブランド指数(WBI)は、前回100.2ポイントから8.4ポイント増の108.6ポイント。WBIを構成する6つの個別評価指標※1のうち、5つの指標でスコアが上昇した。特に、製品・サービスの購入や情報の伝達・拡散など、サイト内外で実際に行われた行動を測る「行動喚起」のスコアが前回から18.6ポイント増の111.0ポイントと大幅に上昇した。
また、「サイト・ロイヤルティ」が7.5ポイント増の107.6ポイント、「サイト・ユーザビリティ」は、6.7ポイント増の88.8ポイントとなり、ともに500サイト中第1位の評価を獲得した。日ごろの生活を支えるサイトとして、サイトの使い勝手や利便性について極めて高い評価を得ている。
※1:WBIは、「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容:製品・サービス」「態度変容:企業活動」「行動喚起」の6つの個別評価指標で構成している。
■一般企業サイト編は、「ヤマト運輸」が2022-春夏以来の首位を獲得。第2位は同率で「任天堂」「ユニクロ公式オンラインストア」
一般企業サイト(インターネット専業企業サイトを除く)のトップ3は、「ヤマト運輸」「任天堂」「ユニクロ公式オンラインストア」となった(図表2)。
「ヤマト運輸」は、一般企業サイト内順位が前回第13位から第1位に上昇し、2022-春夏以来の首位を獲得した。500サイトでの全体順位は第6位となった。WBIは前回のスコアから10.7ポイント増の78.4ポイントだった(図表2)。個別の指標では、「態度変容:企業活動」が21.8ポイント増と大幅に上昇し、64.6ポイントの高評価を獲得した(図表3)。サイトトップページの構成に大きな変化はないが、生活に密着した信頼感のあるサイトとして、高い評価を得ている。
第2位の「任天堂」は、WBIを構成する6つの個別指標のうち5つの指標でスコアが前回から上昇した(図表4)。特に、「態度変容:企業活動」が12.2ポイント増の76.1ポイントと高評価を獲得した。自由意見をみると、製品情報だけではなく、イベントやキャラクターに関するコンテンツも好評を得ている。また、Webサイト全体が統一感のあるデザインとなっており、「任天堂」らしい印象を与えている。
同率で第2位の「ユニクロ公式オンラインストア」は、2022-秋冬以降、一般企業サイト内でTOP3を維持している。「サイト・ユーザビリティ」が73.4ポイントで500サイト中第8位、「サイト・ロイヤルティ」が75.6ポイントで第11位など、前回に引き続き高く評価されている(図表5)。
スコア上昇サイトは、「富士フイルム」「Honda」「カネボウ化粧品」がトップ3
前回から今回にかけてスコアが大きく上昇したサイトのトップ3は「富士フイルム」「Honda」「カネボウ化粧品」となった(図表6)。「富士フイルム」は前回から14.2ポイント増の63.7ポイント、「Honda」は13.4ポイント増の71.8ポイントだった。順位は「富士フイルム」が前回第222位から第38位、「Honda」は前回第81位から第13位となった。「カネボウ化粧品」は前回から12.9ポイント増の52.1ポイントとなり、順位を前回453位から168位へと大きく押し上げた。
「富士フイルム」は、WBIを構成する6つの個別指数全ての評価が前回を上回った。特に「態度変容:企業活動」は、前回から29.8ポイント増の86.0ポイント。500サイト全体で第2位のスコアを獲得した。「態度変容:企業活動」の個別項目である「運営主の事業活動、技術や取り組みが理解できた」「運営主と仕事上でも接触してみたい、取引してみたい」はそれぞれ全サイトで第1位の得票率となり、WBIの大幅な上昇に寄与した。トップページの構成に大きな変化はないが、自由意見ではヘルスケア関連のコンテンツへの関心がうかがえる結果となった。
「Honda」は、6つの個別指数のうち「アクセス頻度」を除いた5つの個別指数で評価が前回を上回り、WBIを押し上げた。本サイトは、前回2023-春夏後に、トップページが変更されており、「サイト・ユーザビリティ」は、前回から7.9ポイント増の64.4ポイントに上昇した。また、「態度変容:企業活動」が、24.2ポイント増と大幅に上昇し、前回第8位から第1位と極めて高い評価を獲得した。他企業との協業の取り組みや環境や安全に対する姿勢等を伝える「Honda Stories」のコンテンツなどを通じて、企業としての多様な取り組みが高く評価されたと考えられる。
■企業活動への理解、関心などの意識変化を測る「態度変容:企業活動」TOP3は「Honda」「富士フイルム」「中外製薬」
Webブランド調査のノミネートサイトにおいては、企業理念・パーパスやサステナビリティへの取り組みに関する発信を強化するサイトの増加傾向が続く。本調査で企業活動訴求の評価指標となる「態度変容:企業活動」で高いスコアを獲得したサイトを見ると、トップ3は「Honda」「富士フイルム」「中外製薬」となった(図表7)。スコア上昇サイトTOP3にもランクインした「Honda」「富士フイルム」に加えて、「中外製薬」はサステナビリティやデジタルの取り組みなどに関する情報発信が好評だった。
近年の企業サイトにおけるサイトリニューアルの傾向として、トップページからのIR・サステナビリティ・採用などの企業情報への導線強化と、企業らしさの伝わるストーリーやメッセージを伝えるコンテンツ拡充を図るサイトが多く見られる。その中で、一般生活者の評価としても、企業の社会に対する姿勢や活動に対して関心度が高まっている状況と考えられる。
企業サイトの情報発信が変わっていく中で、一般生活者のサイトの見方や評価も今後一層、変化していく可能性がある。マーケティングや広報活動におけるサイトの貢献度を本調査で確認し、顧客接点の改善やブランド力の強化に、ぜひお役立ていただきたい。
※ ランキング表中のサイト名表記は、トップページのタイトルによるサイトの正式名称。
図表2●【一般企業編(ネット専業企業除く)】
Webブランド指数ランキングトップ10
図表3●「ヤマト運輸」のスコアチャート
図表4●「任天堂」のスコアチャート
図表5●「ユニクロ公式オンラインストア」のスコアチャート
図表6●Webブランド指数 スコア上昇ランキングトップ10
図表7●態度変容:企業活動 スコアランキングトップ10
Webブランド調査について
(URL: https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/solutions/web-brand/ )
調査目的 :Webサイトのブランド力を測定し、企業や団体のWebにおける
ブランド・コミュニケーション戦略の成果を定点観測する
調査手法 :インターネット調査
調査対象 :全国、20歳以上のインターネット・ユーザー
(日経BPコンサルティングの提携調査会社の調査モニター)
有効回答数 :34,524件
調査対象ブランド:企業や団体が運営する日本の主要500サイト
調査実施期間 :2023年10月6日(金)~2023年10月16日(月)
※半年ごとに年2回実施(春夏:4月、秋冬:10月)
調査企画・実施 :日経BPコンサルティング
日経BPコンサルティング:日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ
関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)