界 加賀 ~欠け、割れも、金で継ぐ。継ぎはぎの景色をめでる心を知る。~「金継ぎに触れるプログラム」開始|開始日:2021年2月1日

金沢から特急で30分の山代温泉に位置する「星野リゾート 界 加賀」では、金継ぎ(*)を今に伝える取り組みの一環として、2021年2月より「金継ぎに触れるプログラム」を開始します。加賀の名産である九谷焼は、陶器の白地に、赤・緑・黄・紫・藍の五彩の釉薬で描かれた壮麗な装飾を特徴とする高価な工芸品です。界 加賀では、夕朝食の器はもちろんのこと、客室の茶器にも使用し、これらの九谷焼の器に、欠けや割れが生じた時には、スタッフ自らの手によって、金継ぎで修復する活動を行ってきました。このような活動を土台にし、滞在ゲストに、器にほどこされた金継ぎの解説を行うほか、器を実際に使用する体験、金継ぎのワークショップなど、3つの新サービスの提供を開始します。金継ぎの技法や背景となる歴史、それによって深みを増す器の趣などに触れることで、いつまでも心に残る旅の思い出を作ることができます。
*金継ぎとは、陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる日本の伝統的な修復技法です。

伝統技法「金継ぎ」で器を修復する界 加賀のスタッフ
伝統技法「金継ぎ」で器を修復する界 加賀のスタッフ

<背景>

茶の湯の文化が根付く金沢では、茶会で使用する抹茶腕が割れた場合、それで終わりではなく、金継ぎで修復し、その修復さえも美とし、また使い続けます。この金継ぎの文化は、昨今改めて見直されてきた文化ではありますが、知識や技術や用具が必要で、湾曲した側面や複雑な図柄をもつ器の修復は、非常に難易度が高い作業です。界 加賀では、日頃よりこの技術の習得にはげみ、これまでに200を超える館内の器の修復を行ってきました。それらの経験をベースにしつつ、ゲストにもこの技術の仕組みや文化背景を、1泊2日の中で少しでも触れていただきたいという思いから本企画の考案にいたりました。

<プロジェクトのきっかけとなった器の修復活動について>

・スタッフ自ら「金継ぎ」で、約200の器を修復

かつて界 加賀の前身である白銀屋に滞在した美食家北大路魯山人は、「器は料理の着物」といった言葉を残しました。そのこだわりを体現すべく、界 加賀では、色鮮やかな九谷焼と料理のマリアージュをテーマに料理を提供しています。九谷焼は日々大切に扱われていますが、どうしても長い間使い続けることによって欠けやひびが生じてしまうことがあります。高価で貴重な九谷焼の器が壊れてしまうのは大きな損失ですが、いつか壊れてしまうことを前提に、安価で大衆的な器を使ってしまうのは、魯山人のこだわりやこの地が伝えてきた文化に反してしまう。そこで金継ぎという器を鮮やかに修復できる技法に着目し、界 加賀の宝である九谷焼の器を、スタッフ自ら守り続けていくことにしました。
活動は、スタッフ同士で広まり、これまでに修復した器は、200を超えています。2019年以降は、専用の棚やスペースを設け、活動を本格化しています。

・金継ぎの道具、材料、基本技術について

金継ぎに使用する道具はやすり、へら、筆、やすり、彫刻刀、カッター、金属粉、漆、ルーターなどです。部分的に欠けた器には、まずやすりで欠けた部分を削り、錆漆(さびうるし)、弁柄漆(べんがらうるし)など用途によって何種類かの漆を塗り、その後、乾燥させる作業を繰り返します。漆が器の形状通りに固まったら、その上から金粉を塗ります。ひび割れには、ひびに対してルーターで少し溝を作ってから、漆を塗ります。「金継ぎ」と呼ばれていますが、実際に接着させるために使うものは漆で、金は最後の仕上げに使われます。器の色味によっては銀の金属粉も使っています。

・スタッフ同士の技術伝承と、その先にある「王道なのに、あたらしい。」温泉旅館

界 加賀の多くのスタッフが館内の九谷焼の美しさに魅せられ、プライベートでも九谷焼を使用するようになります。そんなスタッフによる金継ぎ業務は有志で募られます。習熟したスタッフと各工程を共に行い、一通り行えるようになったら一人前として欠けやひびの生じた器を修繕しています。西洋では、割れたことがわからないように修復するといった考え方が一般的ですが、日本に伝わる金継ぎは、長年使用した歴史を感じさせる、器の新しい絵柄の見せ方を提示するといったように、一度壊れてしまったという事実を生かす考え方があります。金継ぎを行うことによって、このような美しい考え方にも気付き、感化されていきます。界 加賀をふくむ「界」ブランドが掲げる「王道なのに、あたらしい。」を体現する試みとして、地域特有の文化をスタッフの力によって継承する取り組みを今後も力をいれてまいります。

<金継ぎに触れる3つのプログラム>

温泉旅館に泊まる醍醐味は、温泉で疲れを癒し、美味しい食事でお腹を満たし、客室や館内の随所でその土地が育んできた文化にふれ、心動かされる1日を過ごすこと。界 加賀では、この地の文化のひとつである金継ぎ文化に触れる機会創出にむけ、以下の3つのプログラムを提供開始します。

1 金継ぎの器の解説「金継ぎ語り」

夕食の会席料理に使用される器の中で、金継ぎの器を用いるときに、金継ぎ文化についての解説を行います。これまでも、界 加賀の料理は、常連客として歴史に残る北大路魯山人の「器は着物」の教えにならい、料理にあった九谷焼、山中塗を選定し、「料理と器のマリアージュ」を大切にした品々を提供してきました。これらの器の紹介に加え、金継ぎのほどこされた器の使用時に、金継ぎについての解説を行います。

実施日:2021年2月1日より毎日
時間 :夕食提供時

2 金継ぎされた九谷焼で独服体験

界 加賀には、茶庭の奥に、江戸時代に建てられた茶室が現存しています。登録有形文化財に指定された建物からは、古の時代の佇まいが感じられて、日常から少し離れたような空気が漂います。
この茶室を、おひとりずつ貸切で提供し、金継ぎされた九谷焼の器で石川県特産の加賀棒茶を飲む「独服」の体験を用意します。本来、茶会とは、狭い茶室の中で、主人と客人がお茶を介してその空間をつくり上げるものですが、新型コロナ感染症対策にも通じるよう、敢えてそのお茶室をひとりで使い、三密回避をかねた体験として、自身が主人と客人になり、お茶を飲む「独服」としました。金継ぎされた器を用い、心安らぐひとときを味わうことができます。また、金継ぎの継ぎ目は、ひび割れ線ではなく、あたらしい景色としてめでられています。偶然の欠けや割れが生み出す新たな価値に目をむけて、心のおもむくままに器を楽しむ時間を過ごせます。

実施日:2021年2月1日より毎日
時間 :15:00~18:00
時間枠:毎時00・20・40分開始
予約 :当日15時よりフロントにて受付
料金 :おひとり1500円
含まれるもの:金継ぎ九谷焼の器、加賀棒茶2種、干菓子と主菓子

3 九谷焼の金継ぎ手習い体験とアクセサリー作りのワークショップ

界 加賀で、日頃から金継ぎを行うスタッフが、はじめての人にもわかるように金継ぎの手順を伝え、手軽に九谷焼のかけらを使ったアクセサリー作りに挑戦できるゲスト向けのワークショップを開催します。
界 加賀には、九谷焼の器や設えが随所に飾られており、そこから得たインスピレーションで、好きな形や図柄、色の九谷焼のかけら同士を組み合わせ、世界にひとつだけの金継ぎアイテムをつくることができます。
材料に使用する九谷焼のかけらは、これまで界 加賀の館内装飾や料理の器でも協力頂いた作家の方々にお願いし、器としては販売できない破片を提供していただいたものです。

実施日:2021年2月1日より毎日 15:00~18:00
時間枠:毎時00分開始・毎日最大4名×3回
予約 :当日15時よりフロントにて受付
料金 :おひとり3000円
含まれるもの:手習いレクチャー、ピアス・イヤリングなど

「金継ぎに触れるプログラム」概要

場所 :星野リゾート 界 加賀
開催日:2021年2月1日~通年
(*予期なく変更・中止となることがございます)

<最高水準のコロナ対策宣言>

【1】衛生管理
星野リゾートでは、コロナ対策の一環として、お客様の健康と公衆衛生を考慮し、以下の対応を行っております。
・チェックイン時の検温実施
・通常の客室清掃に加え、ホテル館内のアルカリ電解水による清掃と拭き上げ
・館内各所に除菌用アルコールを設置
・全客室に手指消毒用アルコールを設置
・食事処入店時に全てのお客様へ手指のアルコール消毒を実施
・食器類(お皿、グラス)やカトラリーの高温洗浄(80度以上)、食事用トレイの除菌洗浄
・フロントにパネルやビニルシートなどのパーテーションを設置
・館内での接客業務の際にマスクを着用
・スタッフの健康と衛生面の管理徹底(出社前の検温と記録確認)
・湿度40%以上を保つ加湿器を全客室に設置(星のや東京、沖縄県内の施設を除く)
・レストランにおけるメニューのQRコード化(界ブランド全施設)

【2】3密回避
密閉、密集、密接の3つの「密」を回避する滞在を作るべく、以下の対応を行っております。
・大浴場の混雑度がスマートフォンで分かる3密の見える化および混雑予測サービス実施(一部)
・滞在中、混雑が確認された場所での、入所・入店規制
・半個室での食事処にて夕朝食の提供(界 *一部施設を除く)
・食事処の混雑状況を管理し、入店時間の分散化
・チェックアウトのフロント精算時に、入列規制を適宜実施
・客室でのチェックイン対応(星のや・界)

関連資料:【星野リゾート】コロナ対策まとめ

星野リゾート 界 加賀

加賀水引・加賀友禅などの伝統工芸をちりばめた客室や、スタッフが披露する加賀獅子舞など、伝統とモダンが融合した宿。山中漆器や九谷焼の器で料理とのマリアージュを楽しめます。名物料理「活蟹のしめ縄蒸し」は、ミシュランガイド富山・石川(金沢)に紹介されました。
石川県加賀市山代温泉18-47/客室数48室
https://kai-ryokan.jp/kaga/