お年玉の相場はいくら?年齢ごとの適正額とは

2022-12-31 17:30

「お年玉はいくらあげたらいいの?」
「無駄遣いさせないためにはどう教えたらいいの?」
という悩みを持つ保護者は多いと思います。

実はお年玉は、子供にお金の使い方や貯め方を教えるための良い機会になります。
このコラムでは、金融教育の専門家がお年玉を使ってできるお金の教育のやり方を解説します。

お年玉の金額はいくらが適正?

おそらくほとんどの人は「あげ過ぎ」を気にしているのではないでしょうか。
あげ過ぎないために、お年玉の適正額を知りたいところではありますが、実は年齢ごとのお年玉の適正額はありません。

大事なことは、お年玉を「散財」しないように教えることです。お年玉が1,000円でも全て使ってしまうのは良くありませんし、10,000円だとしてもしっかり使う分と貯金する分を分けていれば、「あげ過ぎ」にはなりません。
多めの金額をあげると、なんとなく「こんなにあげたら本人のためにならないのではないか?甘やかしすぎではないか?」という不安の念が浮かんでくるものです。
しかし、「使う分」と「貯める分」をしっかり管理することを教えれば、多めにあげることは特に問題になりません。

まず大事なのは「貯める」の考え方

「お年玉」に限らず、「お小遣い」も大人になってからの「給料」も「散財」はいけません。特にお年玉のような臨時収入は散財してしまいがちです。
お金はもらったら、「使う前に貯める分を確保する」ということが大切です。

金融教育の専門家であるFPの私でも、臨時収入があると「前から欲しかったあれを買おうかな」「ちょっといいお店で食事をしようかな」という「欲」が浮かんできます。考えていると楽しいのですが、欲しいものを考えるとキリがない、というのをいつも感じます。私の場合、自分で会社をやっているので、欲しい物をどんどん買っていては、会社の維持にも成長にも繋がらないので、自制する必要があるので、本当に気をつけてます。

収入がせっかく増えても、その分どんどん使ってしまったら、お金は貯まりません。それどころか、収入以上の支出になってしまうことがあります。人間の欲は宇宙の広がりのように制限がありません。
大事なことは「貯める分を先に確保し、残った分を使えるお金にする」ということです。

お年玉に限らず、お小遣いも大人になってからの給与・賞与も、会社を経営した際の売上も、全てこの考え方を当てはめる必要があります。

お年玉であれば、「半分は貯める」とか、「〇〇円は使うからあとは全部貯める」といったように、お金を使う前に貯めるお金を確保することを子供に教えましょう。

「使う」の考え方

貯める分のお金が確保できたら、お金の使い方についてルールを決めましょう。

たとえば、2,000円の範囲内で好きなものを買う、とか
欲しいものを1つだけ買う、といったように、数字で管理できるルールにすると考えやすくなります。

使える金額や個数に制限をつけることで、優先順位の考え方が身に付きます。
買い物をするときには「ニーズ」と「ウォンツ」を考え、ニーズにお金を使うことが大切だといわれています。
大人から見たらウォンツに見えるものでも、子供にとってはニーズである場合があるので、子供の考え方をよく聞くことも大切です。

欲しいものが多すぎる子

欲しいものが多過ぎて、なかなか買う物が決められない、という子には、紙に欲しいものを書き出させてみるのは一案です。
その中で何を買うのかを考えることで、優先順位について考える勉強になります。

書き出したものが複数ある場合に、全てをお年玉で買わない方が良いでしょう。
それは単なる散財だからです。
お年玉で買うのは、金額あるいは個数のルールの範囲内に留めることをおすすめします。

お年玉で買えないものについては、お小遣いを自分で貯めて買うように教えることが大切です。自分の欲しいものは自分で努力して買う、ということを教えるためです。
お小遣いを貯めて欲しい物を買う、というのも1つの自己実現です。

欲しい物が多い子には可能性を感じます。それは、いろいろなことに興味がある証拠ですし、欲しい物が多いことは、大人になってからもエネルギーになります。

新興国の経済成長率が高いのは、まだ物が豊かでないだけにハングリー精神が強いからです。
欲しい物が多い子には、自分でお金を貯めて買う、ということを積極的に教えていきましょう。「欲」は成長のエンジンになります。

欲しいものがない子

「お年玉で買いたいものがない」という子もいると思います。

欲しいものがないことは何ら問題はありません。
いずれ成長と共に、欲しいものが出てくると思います。

たとえば、友達がゲームの話をしていれば自分もゲームが欲しくなるでしょうし、星や生物に興味を持つと図鑑や本が欲しくなるはずです。

野球をしている子なら新しいグローブとか、音楽が好きな子ならCDとか(今はダウンロードの時代ですが)、おしゃれが好きな子なら自分の好きな靴とか服とか帽子とかも挙がると思います。
欲しい物がない子には、「欲しいものが出てきたときのためにお金を貯めておくといいよ」と教えておけば問題ありません。

ところで、「うちは買い与え過ぎて子供の欲しいものがなくなっているかもしれない」という気づきを得る人がいます。
もしそう感じたのであれば、子供がお年玉やお小遣いといった自分のお金で欲しい物を買う機会を意識的に作ってみてください。
欲しい物を自分のお金で買う、という体験は子供にとって1つの良い経験になります。

なぜ貯める必要があるのか

子供に「なんで貯金が必要なの?」と聞かれたらしっかり答えられるようにしておきましょう。
そこの説明が弱いと、自信をもってお子様を指導できなくなってしまうと思います。
自信のない助言は子供の心に響きません。
私は貯金の必要性を聞かれたら、いつも高校1年生の時のギターについて話をするようにしています。

私は、高校に入ったときにギター部に入りました。
ストリートミュージシャンに憧れていたからです。

高校1年のGWに、ギターを買いにお茶の水に行きました。
私が買ったギターは約2万円でした。

高校1年生の私はまだバイトもしていなかったので、お年玉を貯めてきたお金でギターを買いました。
もし私に貯金がなければ、ギター部で必要なギターを買うことができなかったわけです。

「お金がないとやりたいことができないことがある」
「お金があればやりたいことができることがある」

ということです。
私たちが「今」の中で欲しいもの、必要なものは限られています。しかし、未来のためにお金を貯めておくことが大切だといういことです。

最後に

お年玉は、「お金を貯めるためのルール作りの方法」と、「買いたいものの優先順位の考え方」を教える良い機会です。そして、普段のお小遣いの貯め方、使い方の教育にも繋げていきましょう。

金融教育サービスFP君
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