積水ハウス他3社の企業緑地「新・里山」、 環境省「自然共生サイト」の認定評価を取得
積水ハウス株式会社は、ウェスティンホテル大阪、ダイハツディーゼル新梅田シティ、野村不動産と保有・管理する企業緑地の「新・里山」において、2023年10月6日に、環境省から「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」として「自然共生サイト」への認定評価を取得しました。これは、環境省が2023年度から開始した「自然共生サイト」認定制度で、今回が初の認定となります。
「新・里山」
2022年12月に生物多様性条約第15 回締約国会議(CBD-COP15)において、2030年までの新たな世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。この中で、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標(30by30目標1)が盛り込まれました。その目標達成のための取り組みが「自然共生サイト」です。
「自然共生サイト」とは、国が自然環境を保護する国立公園等の場所以外でも、事業者や民間団体、個人、地方公共団体が管理する自然豊かな場所を「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」として環境省が認定し、保全する取り組みです。認定区域は、保護地域との重複を除き、「OECM1(Other Effective area-based Conservation Measures)」として国際データベースに登録されます。
環境省では、「自然共生サイト」認定制度を2023年度から開始し、同年中に100ヶ所以上の認定を目指しています。今回、初の募集が行われ、当社の企業緑地である「新・里山」が2023年度前期分の「自然共生サイト」認定の評価を取得しました。「自然共生サイト」認定によって、当該サイトの生物多様性の価値の維持、質の向上が促進され、日本における30by30目標の達成に貢献するとともに、生物多様性の保全にポジティブな効果を波及していくことが期待されます。また、近年事業活動が自然環境に及ぼす影響や生物多様性の保全への貢献などは投資家の判断材料にもなり、そうした情報の開示などを行う仕組みも整備されているため、企業価値の向上にもつながります。
積水ハウスは、2001年から都市の住宅地に地域の在来樹種を中心に植栽し、緑のネットワークを作ることで、生物多様性保全・再生を推進する「5 本の樹」計画に取り組んでいます。その実践の場として2006年に完成したのが「新・里山」です。大阪梅田中心部の一角にある「新梅田シティ」の北側約8,000平方メートルの公開空地に、日本の原風景である「里山」を手本とし、「5本の樹」計画に基づいた在来種を中心に植栽を行った憩いの空間です。命のつながりを実現し、様々な生き物が集まってくる「新・里山」は一般に公開されている施設のため、どなたでも都市の中で育まれている自然を体感することができます。
積水ハウスは “「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンのもと、「5本の樹」計画の更なる推進に努め、ネイチャー・ポジティブの実現に貢献してまいります。
*1 OECMとは、”other effective area-based conservation measures”の略称で、法的根拠のある公的な保護区とは異なる“代替的な保護区施策”のことを意味します。国立公園のように、国が主導して国有地に設置する公的保護区は、保全専用の土地を確保するランドスペアリング型の保全と呼ばれます。しかし、国土の30%以上を保護区にしようとすると、国有地だけでなく民有地も関係してくるので、保全に特化した土地利用や私権制限は実現性がありません。例えば、林地や農地を放棄して保護区にすることや、都市部の私有地を接収して保護区にすることは現実的ではありません。そのため、保全と様々な土地・海域利用との共用を図るランドシェアリング型の保全が注目されています。例えば、以下のような、土地・海域利用において、その土地の生物多様性の保全も含めて、多目的な使用を促すような考え方です。
・農地で農業生産を行いつつ、同時に副次的に、農地や周辺里山で生物多様性の保全維持が伴う。
・林地で木材生産を行いつつ、同時に副次的に、森林の生物多様性の保全維持が伴う。
・沿岸域で漁業を行いつつ、同時に副次的に、海域の生物多様性の保全維持が伴う。
・都市で経済活動を行いつつ、同時に副次的に、都市緑地の生物多様性の保全再生も行う。
積水ハウスの「新・里山」:https://www.sekisuihouse.co.jp/exterior/ext02/
自然共生サイト:https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/kyousei/