「仙台未来創造企業」に2社認定、株式上場目指す
仙台市が地元企業の株式上場を支援する「仙台未来創造企業」に本年度、人材派遣などの「株式会社アークホールディングス(アークHD)」、IT人材紹介の「株式会社UPTORY(アプトリー)」(ともに仙台市青葉区)が認定された。
アークHDは2006年に設立。人材派遣では珍しく、社員を直接雇用し、独自の研修により社員のトータルスキルを高めてから依頼先に派遣する。販売促進を中心としたサービス業に強みを持ち、従業員は100人を超える。
現在は新型コロナウイルス感染拡大のため派遣先が時短営業を強いられ、厳しい状況にあるというが、粕川洋介社長は「今は事業成長より企業成長」と割り切る。今回の認定で市の支援を受けながら社内体制を整備し、1、2年内の上場を目指す。
ただ、上場をゴールとは考えていない。「上場という基準をクリアし、いい企業になることが目標」と抱負を述べる。
アプトリーの設立は2018年。専門性の高いIT人材を求める顧客企業と、リモートワークを希望する技術者とを結び付ける、マッチングプラットフォームを運営する。
技術者にきめ細かにインタビューを行い、その模様を登録者データベースとして公開。技術だけでなく、人柄やどんな仕事がしたいかなども伝えることで相性も含めたマッチングを行い、企業とのベストな組み合わせを実現する。
歌川貴之社長は「好きな場所で仕事ができるリモートワークは、コロナ下だからこそ、増えていく」と確信する。リモートワークの強みを生かし、今後は海外エンジニアの獲得も視野に入れている。
認定によって自社の認知度と社会的信用が高まることに期待する。「優秀な人材を集めるのが事業の肝。成長につなげたい」と意気込む。
郡和子仙台市長は、市役所で行われた認定証交付式で「仙台、東北の経済をけん引する起爆剤となってほしい。上場のニュースが一日も早く聞けることを期待している」と激励した。
仙台市は2019年度以降、これまで12社を「仙台未来創造企業」に認定している。
本年度から新たに、「上場チャレンジ基礎コース」が開設。株式上場に関心がある企業向けに、株式上場についてのセミナーなどを行う。現在、登録企業を募集している。
対象企業などの詳細は以下の関連リンクから。
仙台未来創造企業創出プログラム 上場チャレンジ基礎コース