「冒頭で見た夢が、最終的に現実となるストーリーが印象的」こども審査員による世界のアニメ「キッズ賞」発表
新千歳空港国際アニメーション映画祭実行委員会は、2024年11月1日(金)〜5日(火)までの5日間に渡り「第11回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」を開催しています。
11月3日(日)はシアター会場にて「キッズ賞」の発表が行われ、エリック・リー氏の『縁は風のように吹く』が受賞しました。
キッズ賞は、本映画祭初年度の2014年から取り組んでいるプログラムの1つで、世界の短編アニメーション7作品から「こども審査員」が審査・選考するものです。今年のこども審査員は北海道在住の小学4〜6年生5名で構成され、事前にご家庭で作品を視聴した後、オンラインによる意見交換により受賞作品を決定しています。
キッズ賞は、エリック・リー氏の『縁は風のように吹く』
本年のキッズ賞は、香港の公営団地の取り壊しを背景に、友人との別れや出会いを経験する少女の心情を描いたエリック・リー氏の『縁は風のように吹く』が受賞しました。来場していたエリック氏は、「とても驚きました。この作品は幅広い世代をターゲットに制作したので、子どもたちに僕が作ったメッセージが届いたことがとても嬉しく、新鮮な気持ちです。本当にありがとうございました」と、受賞の喜びを語りました。
こども審査委員長を務めた田村百萌(もも)さんは、受賞作品について「冒頭で主人公が見た夢が、色々な出会いや別れを経て、最終的に現実となるストーリーが印象的でした。また、絵がとても綺麗で、特に鳥が飛んでいる姿が好きでした。 主人公の目線や鳥の目線など様々な視点で描かれていて、自分もその世界にいるような気持ちで楽しめました。そんなところを見てもらいたいので、この作品を選びました」と評しました。
この他、こども審査員からの評価が高い作品として、シャダブ・シャイエガン氏の『おばあちゃんの梨』にスペシャルメンションが贈られました。シャダブ氏は「貴重な表彰をいただいて、とても嬉しいです」と、思いを述べていました。
「縁は風のように吹く」作品情報
<ストーリー>
香港の公営団地で育った小学生の女の子、ふうさんは、古い団地が取り壊されて再建されようとしていて、近所の人や友達が徐々に離れていくのを目にしました。物事はずっと前から予測されていたことだったが、それでも彼女は別れを諦めることができなかった。消え去ろうとしているこの場所で、ふうは新しい友達に出会う。
<監督プロフィール>
エリック・リーが2012年に設立したMorph Workshopは、インデペンデント短編映画制作に特化したアニメーションスタジオである。2012年以降、6本の短編アニメーションを制作し、その全てが世界各国の国際映画祭に選定されている。
新千歳空港国際アニメーション映画祭
新千歳空港国際アニメーション映画祭は、北海道と世界を結ぶゲートウェイである新千歳空港ターミナルビル(北海道千歳市)を会場とした、アニメーション専門の国際映画祭です。
第11回目の開催となる今年は、2024年11月1日(金)~11月5日(火)の5日間で、国内外の話題作など招待作品の上映はもちろん、多様な未来につながるアニメーションの体験を提供する様々なプログラムを展開します。
今年もゲストと観客が密接に交流できる独自の場を活かし、アニメーションの意義を拡張するような新しい価値を生み出す「遊び場」として、エネルギーを持ち帰ることができる文化交流拠点の創造を目指します。