上海協力機構 サマルカンドサミットの 注目すべき点と期待される点
ウズベキスタン共和国はウズベキスタン・サマルカンドで開催される上海協力機構の首脳会議に、3年ぶりに各国首脳が対面で集うことをお知らせします。
これはパンデミックが始まって以降、山積した二国間の課題、地域内並びにグローバルな課題について協議できる絶好の機会となるはずです。
世界で深刻な政治的、経済的問題が起きている中、サマルカンドサミットの意義はますます深いものとなっています。本サミットでは上海協力機構の発展にかかわる今後の方向性を決める重要な決定や合意がなされるとみられます。
強調すべきは、上海協力機構は多面的な協力を推進する機構であって、地政学的目的を持つわけでもなく、何かに対抗する力を発揮する機構でもないということです。このような原則は本機構の憲章に謳われており、機構の歴史を見れば、それらの原則が一貫して守られてきたことが明らかです。
サミットには15か国の元首のほか、本機構と協力している10の国際機関の代表者が出席します。本サミットはウズベキスタンの影響力とその大統領の国際的な政治家としての威信が強まっていることを改めて確認できる場となるはずです。
ウズベキスタンは昨年から議長国を務めており、議長国としての活動の中でミルジヨーエフ大統領の新しい対外政策は注目を集めています。ウズベキスタンが近年進めている外交において、プラグマティズムやダイナミズム、積極的なイニシアティブなどは我が国の「名刺」ともいえる特徴となっています。ミルジヨーエフ大統領の自主的で全面的な対外政策によって、上海協力機構の圏内に含まれるすべての国の―それが大国であれ、小国であれ―利益のバランスが取られています。専門家らはそのような政策によって、上海協力機構のすべての加盟国がウズベキスタン政府に信頼を寄せており、ウズベキスタンを通じて、地域の大規模事業、またはグローバルな大規模事業を確信をもって進めることができると考えています。
上海協力機構がどうあるべきかという問いに対するウズベキスタンのアプローチは我が国が挙げている優先課題の中に見ることができます。それは、貿易、産業・技術協力、交通や経済における相互連携の強化、イノベーション、デジタル化、グリーン経済です。
ウズベキスタンは上海協力機構の加盟国に世界で地政学的、経済的危機が起きているこの時に多国間協力の価値を見直すことを提案しています。そのことから、サマルカンドサミットではミルジヨーエフ大統領が、上海協力機構の活動とその議題を刷新することを目指した提案を行うことが見込まれています。
国際的なレベルでも上海協力機構のポテンシャルに対する関心が高まっており、その核となるのは中央アジアの国々であると考えられています。そもそも、本機構は中央アジア地域の新しい協力の形を発展させるために作られた組織であり、地域の安定や安全、多国間協力の構築に建設的な貢献をしているということは争う余地のない事実です。
今日、上海協力機構は加盟国の増加や機構の内部、そして機構を取り巻く世界の事柄の変化により、大きな変動の時を迎えています。サマルカンドサミットではイランに対し本機構の加盟への直接的な道を開くものとなるイランの義務に関する覚書が調印される見込みです。また、エジプト、カタール、サウジアラビアと対話パートナーに関する覚書が調印されるほか、バーレーンとモルディブの参加申請が承認される予定です。
いずれにせよ、専門家らは、中央アジアが広がり続ける機構の圏内の中で中心に位置する地域であることから、今後も本機構の核となり続けるとみています。まさにそれゆえ、上海協力機構にとって、中央アジアにおける前向きかつ不可逆的な発展は重要であり、機構全体が成功を収めていけるかは中央アジアにかかっています。
サミットでは重要な文書の調印が予定されており、多角的相互連携を新しいレベルへ引き上げつつ、それを強化していくことを目指した文書30件がすでに合意されています。主催者によると、文書の数はさらに増えるとみられています。
サミットを総括して、サマルカンド宣言が採択される予定で、宣言には本機構の発展に必要な優先課題とともに、地域内、そして世界の問題の解決に対する共通のアプローチが盛り込まれます。