高齢者のうち約3割は「栄養が充足しない食生活」を送っている  健康を気遣うものの食事は栄養が不足しがちな 「健康・食リテラシーが低い高齢者」の特徴とは 「高齢者の食卓写真調査2019年」を発表

日本では超高齢社会の到来が叫ばれて久しく、今後、さらに高齢者人口が増大していく見通しとなっています。高齢者が健康的で自立した生活を送れることは、高齢者自身の問題にとどまらない社会的な課題と位置付けられ、高齢者の健康を「食」の視点から支える動きが民間企業のマーケティング活動においても重視されています。
こうしたトレンドを受け、株式会社日本能率協会総合研究所(代表取締役社長:譲原 正昭、本社:東京都港区)では、このたび「高齢者の食卓写真調査2019年」を実施いたしました。この調査では、高齢者の普段の食事の実態をビジュアル(写真)で捉えるとともに、写真で明らかになった食事内容に対して栄養素分析を行い、不足しがちな栄養素等を把握しました。さらに、統計解析に基づいて栄養が不足しがちな高齢者(栄養素充足率Low群)を導出し、食生活やライフスタイルの特徴把握を行っています。今回のリリースでは、その結果の一部をご紹介いたします。

調査結果のご紹介

  1. 回答したすべての高齢者(50名)を対象とした栄養素分析の結果によると、「脂質、食塩相当量が多く、カルシウム、ビタミン、食物繊維が不足している」傾向がみられた。
  2. 栄養素の充足状況に基づくクラスター分析を行った結果、栄養素の充足状況が良好な高齢者「充足率High群」と、多くの栄養素が充足していない高齢者「充足率Low群」が導出された。High群は33名(66%)、Low群は17名(34%)であり、高齢者の3人に1人は「栄養が充足しない食生活」を送っている可能性が示された。
  3. 多くの栄養素が充足していない高齢者「充足率Low群」の食生活の特徴をみると、「基本的に3食は摂っているが軽めに済ませている」傾向が顕著。
  4. 「充足率Low群」の食事内容(メニュー別喫食頻度)をみると、「パンやおにぎりを食べる頻度が高い」「お菓子を食べる頻度が高い」といった偏った食生活がうかがえた。
  5. ただし、「充足率Low群」は「普段の食事で健康を気遣う意識」は高く、意識と行動(実際の食生活)の乖離が示唆された。

調査概要

調査名 :高齢者の食卓写真調査2019年
調査期間:2019年7月28日(日)~8月6日(火)のうち、
     土曜日・日曜日を1日以上含む連続5日間の食事(間食含む)について
     写真撮影と食事内容の記録を求めた。
調査対象:全国に居住する60~90歳の男女
回答者数:50名
調査方法:日記形式による郵送調査(写真撮影・アンケート調査)

まとめ

栄養が十分に摂れていない高齢者(充足率Low群)は、普段の食事によって健康を気遣う意識があるにもかからわず、食行動としては必ずしも適切(健康的)とは言えない状態となっています。当社ではこの状態を、「健康意識は高いが、健康や食事に関する十分な知識を持っていない状態」と考察し、「健康・食リテラシーが低い高齢者」と位置付けました。民間企業におけるマーケティングの視点に立つ場合、「健康・食リテラシーが低い高齢者」をターゲットとして、これらの高齢者が不足しがちな栄養素を充足させるような健康訴求の商品を開発・提案するとともに、自らの食行動では栄養素が不足しがちであることに気づきを与えるような働きかけ・コミュニケーションが重要であると考えられます。

【調査結果1】各栄養素の充足状況
回答したすべての高齢者(50名)を対象とした栄養素分析の結果によると、「脂質、食塩相当量が多く、カルシウム、ビタミン、食物繊維が不足している」傾向がみられた。

図1

【調査結果2】栄養素充足状況に基づくクラスター分析
栄養素の充足状況に基づくクラスター分析を行った結果、栄養素の充足状況が良好な高齢者「充足率High群」と、多くの栄養素が充足していない高齢者「充足率Low群」が導出された。High群は33名(66%)、Low群は17名(34%)であり、高齢者の3人に1人は「栄養が充足しない食生活」を送っている可能性が示された。

図2

【調査結果3】多くの栄養素が充足していない「充足率Low群」の食習慣
多くの栄養素が充足していない高齢者「充足率Low群」の食生活の特徴をみると、「基本的に3食摂っているが軽めに済ませている」傾向が顕著。

Q. それぞれの食事について、あなた自身が普段食べる頻度は?
Q. その食事で、食べる量に近いものをお選びください。(普通にしっかり/軽く少なめに)

図3

【調査結果4】多くの栄養素が充足していない「充足率Low群」がよく食べる食品・メニュー等
「充足率Low群」の食事内容(メニュー別喫食頻度)をみると、「パンやおにぎりを食べる頻度が高い」「お菓子を食べる頻度が高い」といった偏った食生活がうかがえた。

Q. 下記の項目(食品・メニュー等)について、あなた自身が自宅で普段食べる頻度をお答えください。

図4

【調査結果5】「充足率Low群」が普段の食事で健康を気遣う意識
偏った食生活とは裏腹に、「普段の食事で健康を気遣う意識」は高く、意識と行動(実際の食生活)の乖離が示唆された。

Q. あなたは、普段の食事で健康に気遣っていますか。

図5

本レポートについて

今回のリリースでご紹介した「高齢者の食卓写真調査2019年」は有償にて販売しています。本リリースではご紹介できなかった他の設問項目についても、有償版では詳細な分析を行っています。詳しくは下記までお問い合わせくださいますよう、お願い申し上げます。
※本リリースに関するお問い合わせにつきましても、下記までお願い申し上げます。

本リリースの詳細はこちら: https://bit.ly/2QJzF9O

レポート販売のご案内

アウトプット

高齢者の食卓写真調査2019年

(1)調査報告書(冊子、A4版・167ページ):2019年9月発行
(2)集計表(電子データ、性別・年齢別/家族別/経済別/他 クロス集計表一式):2019年9月発行
 ◆集計表にないクロス集計をご希望の際は、オーダーメイド集計にてお承りいたします。
 【都度お見積りさせていただきます】
 ◆ローデータ(Excelファイル)は別売りとなります。【一式15万円(税別)】
 【高齢者の食卓写真調査〔オプション調査〕】
(1)レポート(冊子、A4版・約250ページ予定):2019年11月発行予定
 ・サマリーレポート(食事実態、栄養素分析等の結果から全体傾向・属性別傾向を整理)
 ・個票(回答者別の食事実態の回答、写真一覧、栄養分析結果)
(2)ローデータ(電子データ、写真データ・食事実態の回答データ・『高齢者 普段の食事調査』の回答データをマッチング):2019年11月発行予定
(3)集計表(電子データ、クロス集計表一式):2019年11月発行予定

※当社は、本調査にご参加・購入いただいた企業(法人・個人)以外には、成果物を提供いたしません。ただし、本調査を告知するための限定的な利用、及び発刊から一定期間経過後はこの限りではありません。
※本調査の成果物のご利用はご参加・購入いただいた企業(法人・個人)の内部でのご利用のみに限らせていただきます。

調査購入のご案内

本調査は、当社自主企画による調査に複数企業に参加・購入いただく方式で実施いたします。
【高齢者 普段の食事調査 2019年】【高齢者の食卓写真調査〔オプション調査〕】セット価格
・定価700,000円(税別)・MDBメンバー価格 660,000円(税別)
【高齢者 普段の食事調査 2019年】のみ
・定価500,000円(税別)・MDBメンバー価格 480,000円(税別)
【高齢者の食卓写真調査〔オプション調査〕】のみ
・定価300,000円(税別)・MDBメンバー価格 285,000円(税別)

お問い合せ先

株式会社日本能率協会総合研究所 経営・マーケティング研究部
〒105-0011 東京都港区芝公園3-1-22
担当 : 土井 山口
TEL : 03-3578-7607
FAX : 03-3578-7614
Email: info@jmar.biz

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