「ビル再生100の物語」視点を変えるとビルも違って見えちゃった
ビル再生100の物語 第94話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
いつもと少し趣向を変えて、ビルオーナーさんに焦点をあてた話にしようと思います。
今回は三田の久保さんのお話です
ビルオーナーシリーズ、三田の久保さんのお話です。
慶応女子高の近く、とても閑静な高級住宅街。
この辺のマンションに住んだら結構賃料も高そうです。そんな場所に、古くから理髪店を営む久保オーナーのビルがあります。
亡くなったご主人が建てたそうで、築40年超。
ここが長く空室のまま埋まらないというのでお声をかけていただきました。
ちょっと苦戦するかも……
最初ビルを見に行った時の印象は「駅から遠い・・・」
最寄りが都営線三田駅となっていたので、そこから歩いてみたんですが10分以上歩くので職場としてのオフィスにはちょっと遠いです。
また、住むにはホントいいところなんですが周りがいわゆるオフィス立地ではありません。
「ちょっと苦戦するかも・・」
実は正直そう思いました。当時はまだビル景気がまだまだ厳しい時期で、築年数も経っているためそれなりに古くなってもいます。
地ぐらいがいい、以外のウリがちょっと見つけにくい感じでした。
そこでまた僕らの中で「どうやってプロデュースするか?」と企画会議です。
意外なところにあったウリ
「窓面が多くて明るくて風が抜ける」
「1フロア1テナントだから気に入ってくれる会社もあるんじゃ?」
悪くないポイントですが、どうもまだ弱い。
アタマも痺れてきたころに、
「あれ、ひょっとしてこのビル、三田より麻布十番の方が近いんじゃないか?」
と誰ともなく言い出し、測ってみると実際麻布十番駅からは9分と三田駅からも近いことが発覚。
「こりゃ、麻布十番でオフィス構えたいデザイン系の会社とかを想定ターゲットにした方がいいんじゃないかな」
ということで、さっそく最寄り駅の表示を変えてみました。
三田と麻布十番、三田の人には悪いですが、やっぱり麻布十番ってブランドネームは強いです。麻布十番で探しているテナントが、駅付近の高い賃料の物件と見比べてくれたら十分勝機があります。
しかも、オサレエリア麻布十番にオフィスを持ちたいデザイン系には、この風の抜ける感じのホッコリマッタリなナチュラル感は相当相性がいいんじゃ!?
どこまで僕らのヨミがあたったかはわかりませんが、結果として問合せが増え、早々に埋まってくれました。まあ振り返って書いてしまえば簡単な話ですが、こういう単純なとこ、見逃しがちです。
この路線がいけるということは、内装を「居心地のいい個性派オフィス」にしたら確実にウケます。次空室が出たらぜひ提案してみようと思ってます。
始めて読まれる方に
中小築古ビルのオーナーを対象に空室対策を実戦的に解説した空室対策技術集を無料配布してします。
これまで、東京都心の中小型ビルが検討客を集められない4つの原因へ対応する考え方として、リーシングマネジメントという考え方が大切だとご説明しました。
リーシングマネジメントの基本的な考え方は、
「打点(空室を埋めること)は、打席数(認知度を上げること)×打率(決まりやすい条件やウリ)に比例する。」
です。
弊社での空室対策の事例やオーナーさんの声など、テナワンのHPにて詳しくご覧いただけます!