[奈文研コラム] どこが違う?大極門と朱雀門

主な外観の違いについて

奈良文化財研究所

 2022年3月、平城宮跡に大極門(第一次大極殿院南門)が復原されました(図1)。この建物の全体から細部までの形式は、奈文研が国交省から委託を受け研究した復原案がベースとなっています。

図1 大極門(2022年復原)

 大極門は、第一次大極殿(2010年復原)を囲う施設(第一次大極殿院)で、南正面に開く門です。建物は二重の屋根をもつ門で、間口22m、奥行9m、高さ20mです。すでにお気づきと思いますが、平城宮の正面玄関にあたる朱雀門(1998年復原)とそっくりです(図2)。朱雀門は間口25m、奥行10m、高さ22mで、大極門より一回り大きいですが、主要な形式は同じです。

 それぞれの建物の規模は、発掘調査成果やそれにもとづく研究などからあきらかになりましたが、細部の形式は、現存する文化財建造物、文献や絵画などのさまざまな史料を用いてそれぞれ個別に検討しました。復原された大極門と朱雀門はどこが違うのか、外観からわかる2点について、簡単にご紹介します。

図2 朱雀門(1998年復原)
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