常石造船 中国拠点で初建造のLR1型プロダクト/ケミカルタンカーを引渡し
常石造船株式会社(本社:広島県福山市沼隈町常石1083番地、代表取締役社長:河野健二)は3月29日、LR1(77,000DWT)型プロダクト/ケミカルタンカーの1番船を、グループの中国拠点となる常石集団(舟山)造船有限公司(所在地:中国浙江省舟山市岱山県秀山)で初建造し、引渡しました。
本船は、石油製品や化学製品の世界的な需要増を受け、これらを主な積荷とするMR型プロダクト/ケミカルタンカーの要件を満たしつつ、より積載能力を大きく向上させたLR1型プロダクト/ケミカルタンカーです。
本船の特徴は、石油製品や原油輸送に必要な要件だけでなく、植物油や一部化学品(IMO TYPE 2、3)の輸送に求められる要件を満たすハイブリッド型で、カーゴタンクには特殊塗装を施し、構造部材がないため洗浄も容易で、船舶の柔軟な運用が可能な点です。加えて、77,000DWT の大きさでありながらMR型(40,000~54,999DWT)の主要な寄港地への入港が可能な深さや喫水を実現すると同時に、MR型の約2倍のカーゴロットに対応できる貨物容積を有しています。
また、最新国際規則である調和化共通構造規則(Harmonized CSR)、窒素化合物排出三次規制(NOx Tier3)などを適用するとともに、船型最適化や独自の省エネ技術を採用し、燃費性能にも優れた次世代船型です。
【本船の特徴】
・石油製品、原油に加え、植物油や一部化学製品(IMO Type2、3)も積載可能。
・MR型と同等の喫水、マニフォールド高さにより、MR型の主な寄港地への入港が可能。
・貨物容積を大幅に向上させる技術により、MR型の約2倍のカーゴロットに対応する貨物容積を実現。
・波形隔壁の採用および構造部材を上甲板上に配し、構造部材のないカーゴタンクを実現。
・カーゴタンクはフェノールエポキシによる塗装で、カーゴフレキシビリティを向上。
・12のカーゴタンクと2つのスロップタンクそれぞれに独立のポンプを搭載(6セグリゲーション)。
・Harmonized CSRやNOx Tier3の適用、バラスト水処理装置の搭載など新国際規則へ対応。
・常石造船独自の実績ある低燃費技術(MT-FAST※等)の実装
【LR1型プロダクト/ケミカルタンカーの概要】
船名 : ORANGE VICTORIA
船種 : 77,000DWT型プロダクト/ケミカルタンカー
主要寸法 : 全長約228メートル × 船幅38.0メートル × 深さ19.3メートル
満載喫水 : 13.3メートル
載貨重量トン: 約77,000メトリックトン
総トン数 : 約46,100トン
貨物艙容量 : 約92,000立方メートル
航海速力 : 14.5ノット
建造工場 : 常石集団(舟山)造船有限公司
常石造船は主力のばら積み貨物船のみならず、プロダクトタンカーやフィーダーコンテナ船においても、より環境負荷の低減を追求し、経済性と環境性能を両立する高品質の船舶を届けます。
※MT-FAST:プロペラの前方に複数のフィンを取り付けることで水流を整え、推進効率を約4%向上させることが可能な省エネ装置。平成30年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞。
■常石造船株式会社
2017年に100周年を迎えた常石造船(広島県福山市)は、造船・海運業を中心に事業展開する常石グループの中核会社です。国内の常石工場(本社)とフィリピン、中国、パラグアイの海外3工場を製造拠点に、3万トン~18万トン級のばら積み貨物船、コンテナ船、タンカー、客船などを建造しています。
URL:https://www.tsuneishi.co.jp/
代表取締役社長:河野 健二
事業内容:船舶の建造、修繕
創業:1917年(大正6年)7月
資本金:1億円
従業員:883人 (2018年12月時点)
事業拠点:常石工場(広島県福山市)
造船事業関連会社:
TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.(フィリピン・セブ島)
http://www.thici.com/
常石集団(舟山)造船有限公司(中国・浙江省)
http://www.tsuneishi-zs.com/
ASTILLERO TSUNEISHI PARAGUAY S.A.(パラグアイ・セントラル州ビリェタ市)
http://www.tsuneishi.com.py/
常石鉄工株式会社(広島県福山市)
https://www.tsuneishi-iw.jp/
常石商事株式会社(広島県福山市)
https://www.tsuneishi-trading.co.jp/
常石エンジニアリング株式会社(広島県福山市)
http://www.tsune-e.com/
株式会社三保造船所(静岡県静岡市)
http://www.mihozosen.co.jp/
- 本件に関するお問い合わせ先 -
ツネイシホールディングス株式会社
マーケティングコミュニケーション部
pr@tsuneishi.com
TEL:084-987-4915