NTTデータ経営研究所 「人生100年時代における次世代シニアのニーズ調査」を実施

~シニアの約半数が新しいことを始めたい一方、 「健康・お金・自信・機会・仲間」が阻害要因に~

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹)は、4月28日のシニアの日にあたり、人生100年時代における次世代シニアのニーズを調査するため、日本国内の50代~80代の男女2,000人を対象に、アンケート調査を実施し、その結果をまとめましたのでお知らせします。

次世代シニアのニーズとは?

主なポイント

次世代シニア(50~60代)の仕事、健康、趣味、地域・人との関わりについて、現状と今後の関心や意向についての設問を通して、明らかになったポイントは以下の通りです。

  1. 現在仕事をしている50代では、約半数が65歳を超えても働き続けたい。
    ■65歳を超えても働きたいと回答した人は47.2%であり、「一生」働きたいと回答した人は12.8%であった。
  1. 50代の約8割は、健康維持、趣味、人との関わり、仕事のいずれかを行っている。
    ■50~60代では70~80代の高齢世代に比べて、健康維持、アウトドアの趣味、友達付き合い、ボランティア・地域活動を行う割合(50代:5.4%、60代:6.0%)が少なく、インドアの趣味(音楽鑑賞、演奏、歌う、映画鑑賞、語学学習、資格取得など)を行う割合(50代:41.4%、60代:39.8%)が高い。
  1. 新たに始めたいこととして、50~60代では高齢世代に比べて、運動・スポーツ、アウトドアの趣味と回答する割合がやや高い。一方で、新たに始めたいができない理由としては、心理的不安、金銭的負担、健康上の問題、場所・機会や仲間の存在がハードルに。なお、50代の結果は以下の通り。
    ■運動・スポーツを始められない理由は、自信がない(30.2%)、金銭的負担(28.3%)、健康上の問題(28.3%)。

アウトドアの趣味を始められない理由は、金銭的負担(53.2%)、場所・機会がない(36.2%)。

■ボランティア・地域活動を始められない理由は、仲間がいない(32.0%)、場所や機会がない(32.0%)

  1. 現在の人との関わりについては、約半数が概ね満足。期待するのは、日常的に話をする相手がいること、困ったときに支えあえること。他方で、一定数が人と関わりたくないと回答。
    ■人との関わりに期待するのは、「日常的に話をする相手(50.0%)」「困ったときに支えあえる(43.6%)」が上位で、共通して年代が上がるに従い高くなる。
    ■50~60代では高齢世代に比べ、「あまり人と関わりたくない」とする回答が多い(50代で31.4%、60代で21.8%、70代で17.0%、80代で13.4%)
  1. 地域や社会に貢献するための関わりは、50代は仕事(52.2%)、70代は自治組織活動(40.2%)がトップ。自治組織活動の参加には、それに詳しい人や友人・知人からの誘いを期待している。

年代・男女を問わず、活動を自分で調べたい(49.8%)との回答が多い。

■反面、地域の詳しい人に声をかけて欲しい(30.6%)、友人や親しい人に声をかけて欲しい(26.8%)といった「他者からの誘い」を期待する回答も多く、この割合は年代が高くなるほど徐々に高くなる傾向にある。

まとめ

日本の平均寿命と健康寿命は、令和5年版厚生労働白書*1では女性が87.57歳、男性が81.47歳と男女ともに高水準が続いている。人生100年時代と言われる中、「健康寿命」(日常生活に制限のない期間)についての関心も高まっている。本調査では、運動や趣味などの活動だけでなく、仕事や地域貢献など、社会貢献を通じて生きがいを感じ続けたいというニーズがあることも明らかになった。
特に興味深いのは、インドア・アウトドア系趣味、散歩、運動・スポーツなど、様々な趣味を通した健康維持に取り組みが行われているが、散歩やアウトドア系趣味、運動・スポーツは50代・60代よりも70代の方が高い傾向にある。いわゆる「アクティブシニア」ともよばれる世代である。この背景には、自由に使える時間や資産に制限がある50代、60代に比べて、多くがリタイアしている70代は、バブル景気を経験した団塊の世代であることが影響している可能性も考えられる。
一方で、健康を維持するための運動やスポーツ、屋内外での趣味を始めるには、健康上の理由だけではなく、心理的ハードルや、活動する場所や機会がないなどの要因があることも明らかとなった。地方自治体では、健康体操やフレイル予防などの普及啓発活動や、生活支援コーディネーターの活動や民間企業との連携による地域資源の発掘・創出に取り組んでいるため、そうしたハードルを下げるような施策が期待される。

なお、人との関わりに期待するのは、日常的に話をする相手がいること、困ったときに支えあえること、気にかけてくれることであり、そうした期待に応えるコーディネート機能が重要と考えられる。また、そういったサービスのニーズも高いことが予想される。
特徴的なのは、次世代シニアは、家族団らんを大事にし、夫婦間のコミュニケーションを密にする傾向にある点である。情報ツールも電話に加え、LINEの普及が進んでいる。こういった情報ツールを活用し、夫婦が揃って参加するイベントや、費用負担が大きくなくても参加できる地域活動、心理的ハードルを感じている層への呼びかけなどの情報発信が、今後益々重要になってくると考えられる。

調査の概要

調査対象  :クロスマーケティング クローズド調査
調査方法  :非公開型インターネットアンケート
調査期間  :2024年3月7日~8日
有効回答者数:2,000人
       (50代、60代、70代、80代以降の年代毎に500人、男女比1:1)

詳細の調査結果はこちら( https://www.atpress.ne.jp/releases/392894/att_392894_1.pdf )から

調査結果の利用について

・調査結果の一部を転載・引用される場合は、出所として「NTTデータ経営研究所」と記載した上をお願いします。なお、掲載日・掲載媒体・引用箇所などの情報につきましては広報担当までお知らせください。
・調査結果について、出所を明記せずに転載・引用を行うこと、データの一部または全部を改変することなどの行為はご遠慮ください。
・本アンケート調査の生データは提供いたしかねます。

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