第11回新千歳空港国際アニメーション映画祭 無事閉幕| コンペティション受賞14作品を発表!
満場一致、トメック・ポパクル氏が3度目の短編グランプリ受賞
新千歳空港国際アニメーション映画祭実行委員会では、2024年11月1日(土)〜5日(火)までの5日間にわたり新千歳空港シアターを中心に「第11回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」を開催しました。
今年度はコンペティション部門をはじめ、招待部門に豪華ゲストを招いた特別上映・トークプログラム、北海道内の人気音楽フェスとコラボしたライブイベントなど、短編66作品、長編6作品を上映、約30の上映・トークプログラム、8つの体験展示プログラムを新千歳空港ターミナルビルで展開しました。
最終日である11月5日(火)14:30より、グランプリを含むコンペティション受賞14作品の発表と授賞式を執り行いました。
コンペティション短編部門
アニメーションの可能性を最大限に発揮し、総合的に最も優れた作品に贈られるコンペティション短編部門グランプリは、トメック・ポパクル氏の『Zima』が受賞しました。2014年、2019年に続き3度目のグランプリ受賞となります。
国際審査員を務めた尾石 達也氏は、作品について「観客の心を異なる惑星、仮想現実、小宇宙から大宇宙へと通過する旅へと導く」「僕は今すごいものを見ているという確信、興奮。文句のつけようがない、審査員満場一致の大傑作」と評しました。
ポパクル氏は、共同制作者であるオゼキカスミ氏とステージに立てたことを喜び、「この映画祭はホームに戻ってきた気持ちがある。素晴らしい賞をいただけて光栄。 」と受賞の喜びを述べました。
また、日本のアニメーション作家や日本で制作された作品に贈られる日本グランプリには、折笠 良 氏の『みじめな奇蹟』が受賞。審査委員のジョシュ・シャフナー 氏は、「紙に描かれたアニメーションの限界を超えて表現されている」と評しました。
折笠 氏は「2018年秋から4年半かけて制作してきたもの。日本・フランス・カナダで一緒に制作したスタッフにも感謝します」と受賞について述べました。
コンペティション長編部門
コンペティション長編部門グランプリには、ボリス・ラベ氏の『Glass House』が選ばれました。物語のない長編アニメーションであり、その美しさと生成AIを活用した作品として注目された本作、
審査員のガオ・ユアン氏は「非物語表現で飽きることなく、いくつかのシーンは非常に衝撃的でまるで夢の中にいるようだった」「傑作だと思う」と評しました。
受賞を受けてボリス氏から「この作品は私にとって非常に特別なプロジェクトであり、実験的なものでした」と振り返り、受賞は「大変に重要なこと。ありがとうございました」とフランスから喜びのビデオメッセージが寄せられました。
またこの度長編部門には審査員特別賞として『ルックバック』が選出。受賞について監督の押山清高氏は、「国内・海外で上映してくれる館も増えている、とても幸運な状況」と世界的に評価してくれていることへの喜びと感謝を述べました。
(審査員のコメント全文は、本映画祭の公式サイトでご覧いただけます)
小出正志実行委員長「実り豊かな5日間だった」
国際審査員を代表して、パヴェル・ホラーチェク氏から今年の総評として「本映画祭の評判は聞いていた。セレクションも素晴らしかったゆえに、賞の選考は難しかった。素晴らしいゲスト、スタッフ、そしてフィルムに出会えたことに感謝している」と述べました。
また、本映画祭小出正志実行委員長から、「映画祭の次の10年の始まりにふさわしい、実り豊かな5日間だった」と振り返り、来年の再会を約束して閉会を宣言しました。
第11回 新千歳空港国際アニメーション映画祭 開催概要
開 催 日 程:2024年11月1日(土)~11月5日(火)
会 場:新千歳空港ターミナルビル 他
応募作品数:○アニメーションコンペティション短編部門
・90の国と地域から2,043作品 / 上映作品数:66作品
○アニメーションコンペティション長編部門
・17の国と地域から応募された43作品 / 上映作品数:6作品