【名城大学】自然とともに生きる術を磨いて素敵な魔女に。
園芸のコツは植物と会話すること
周囲の人たちから「園芸の達人」と呼ばれる安田さん。家の畑やサークル活動でたくさんの野菜や花を育てています。自然に囲まれて育ち、現在は農学部で“学びながら自然と共生する暮らし”を目標にさまざまな知識を身につけているそんな彼女の将来の夢とは……?ナチュラル&ユニークな考え方が魅力の安田さんに話を聞きました。
Q野菜や花を育てる達人だと聞きました!
幼い頃から野菜を食べるのが好きだったんです。自然の中で育ち、家で採れるおいしい野菜をおやつ代わりに食べていたからだと思います。ピーマンやレタスのような苦みのある野菜も好きで、「舌が大人だね」とよく言われていました。
食に関心があったので農学部に入り、授業で植物について学んだりサークル活動をしたりするうちに園芸の面白さにハマりました。今は家の畑や趣味の園芸愛好会というサークルで、いろいろな種類の野菜や花を育てています。
Q趣味の園芸愛好会はどんなサークルですか?
園芸好きが集まるとってもゆるいサークルです。天白キャンパスの隅に小さな花壇をつくって、地植えやプランター栽培をしています。今年はナス・ミニトマト・パプリカ・キュウリ・小玉スイカ・パッションフルーツ・イチゴ、花では金魚草・マリーゴールド・ラベンダーなどを植えました。
メンバーは40人弱くらい。毎週木曜日の昼を活動日と決めています。サークルの花壇の周りに集まって、わき芽をとったり、害虫を退治したり、植え替えをしたり。みんなで植物を観察しながらワイワイとやっています。
学祭では、毎年ハーバリウム体験を行なっています。ビンなどに特殊な液体を入れてドライフラワーを詰め、オリジナルのハーバリウムを作ってもらいます。人気があって、毎年盛況なんです。学祭の売り上げは、植物のお世話をするために使って、植物に還元しています。来年の学祭では、苗の販売にも挑戦したいと思っています。
Q家の畑でも野菜や花を育てているんですよね。
家にけっこう大きな畑があって、祖母と一緒に家庭菜園をしています。最近チャレンジしているのは、なるべく自然に近い形で植物を育てること。“テキトー農法”と呼んでいるのですが、化学肥料や農薬を使わないことに加えて、自然のままなるべく手をかけずに放置状態にしていて、雑草に紛れて野菜や花が自由に伸びています。
葉物野菜などは花を咲かせる前に収穫するのが鉄則ですが、私はあえて一部を収穫せずにそのまま花を咲かせて、こぼれ種が次の年に自然生えするのを期待しています。
ちゃんとお世話したい祖母からは「ちょっと放置しすぎじゃない?」と言われてしまうこともありますが(笑)、最近は私が農学部で植物について学んでいるので、だいぶお世話を任せてもらえるようになりました。野菜の元気がないときは、授業で使った教科書やノートを取り出してきて、「何が原因だろう?」「これを試してみようか」と、二人で相談しながら試行錯誤することもあります。
Q園芸をする際に大切にしていることはありますか?
よく観察して、植物と会話することです。植物を枯らしてしまうという人は、世話をしすぎなのだと思います。環境になるべく任せて、植物が自然に育つのを応援し、手助けする感覚でいいのではないでしょうか。
例えば毎日同じ時間に同じように水をやるのではなく、観察して葉っぱが萎れていたり、土がカラカラに乾いていたりしていて、水が欲しそうであればあげるとか。
暑くて乾燥している日は喉が渇きますよね。植物も同じなので、今日は暑くて喉がよく渇くなと思ったら、植物もいつもより水を欲しがっているかもしれないと想像して、よく観察するといいと思います。
Q安田さんの専攻はなんですか?
私は上船雅義先生の昆虫学研究室に所属しています。3年生になってゼミに入ったばかりなので研究に着手するのはまだこれからですが、昆虫と植物のコミュニケーションに興味をもっています。植物は害虫から食害を受けると、特殊な香りを放出して害虫の天敵となるような昆虫をおびき寄せて身を守ろうとします。そういった研究が進めば、農薬などに頼らずに野菜を害虫から守ることができ、より自然に近い栽培ができるようになります。
植物だけでなく昆虫も昔から好きなので、この研究室を選びました。実は、昆虫好きが高じて野生動物生態研究会というサークルにも所属しています。
Q農学部の魅力は何ですか?
農学部は春日井市に実習農場をもっていて、田植えをしたり、果樹を育てたり、ニワトリを飼ったりしています。座学だけでなく、実際に自然に触れながら実習体験ができるので、私のように自然や生き物が好きという人には面白いと思います。
生物資源学科は、たくさんある名城大学の学部学科の中でも特に歴史があると聞いています。長い歴史の中で実績やノウハウが積み重なっているので、いろいろな学びがあり、ユニークな先生もたくさんいます。
Q今後の展望などがあれば教えてください。
私の将来の夢は、魔女みたいな素敵なおばさんになることです。魔女って博識で生活の知恵をたくさん身につけていて、植物や生き物とともに楽しく暮らしているイメージがあって、まさにそんな暮らしが理想です。魔女に近づくために、もっと生き物や植物のことを学びたいし、暮らしの知恵やスキルも身につけたいです。たしなみとして生け花や茶道を習っていて、着物にも興味があります。占いも好きで、最近は占星術にハマっています。星の動きが読めたら、自然をもっと理解できるようになると思います。
私の母や生け花の先生など、私の周りには魔女のお手本がたくさんいます。魅力的な魔女になるために、まだまだやりたいことがたくさんあって、今は修行の身です。
農学部 生物資源学科 3年 安田清賀(やすださやか)さん
岐阜県各務原市出身。子どもの頃は、虫取り網を持って畑を走り回る活発な少女だったとか。
中学校では吹奏楽部、高校では演劇部に所属するなど、園芸以外にも興味は多彩。所属する趣味の園芸愛好会では、自然が好きで仲間とゆるく集まれる場所を求める人を募集中。