日野チームスガワラがアリソン製AT搭載の ハイブリッドトラックでダカールラリー2023総合10位入賞
アリソン3000(TM)シリーズを搭載したハイブリッドトラックが 世界一過酷なレースの第45回大会で優れた走行性能を発揮
東京、2023年2月21日 - 中・大型商用車向けオートマチックトランスミッションの世界最大手メーカーであり、ハイブリッド駆動システムおよび完全電気駆動システムを含む商用車向け駆動ソリューションのサプライヤー、アリソントランスミッションの日本法人であるアリソンジャパン株式会社(取締役兼アリソントランスミッション アジア太平洋地区セールス エグゼクティブディレクター:ブライアン・ジーゼルハート、以下 アリソンジャパン)は、毎年開催される世界で最も過酷と言われるオフロードレースの一つであるダカール・ラリー2023のトラック部門に参戦する日野チームスガワラに、アリソン3000シリーズ(TM)を提供し、日野チームスガワラ(菅原 照仁/染宮 弘和/望月 裕司組)は総合10位入賞を果たしました。
今年のダカールラリーは、2022年12月31日にサウジアラビアの北西海岸部であるシーキャンプをスタートし、内陸部を横断しながら1月15日に東海岸のダンマームまで総距離8,549kmを走破するコースです。途中、今大会最大の難所であるエンプティークオーターと呼ばれるサウジアラビア南東部のルブアルハリ砂漠では、繰り返し現れる高低差の大きい砂丘との戦いでした。柔らかい砂地は、新雪のような柔らかさで、横転に気をつけながら走行しなくてはならず、車両とドライバーの双方に非常に高い技術力を求められる難所でした。また、難しいコース設定に加え、豪雨に見舞われるなど、これまでに経験したことのないレースを、日野チームスガワラはアリソン3000シリーズ(TM)を搭載したHINO600 Series(ハイブリッドトラック)で挑みました。
日野チームスガワラの代表兼ドライバーである、菅原 照仁氏は、「年々、参戦車の技術力の向上に伴い、コース設定も難しさを増しています。今年設定された未踏の地であるエンプティークオーターは過去に経験したことのない過酷さでした。次々に現れる砂丘はうねりが大きく、加えて砂が非常に柔らかいため、走行にとても神経を使いました。クイックサポート車両を含む55台の参戦車のほとんどが大排気量エンジンを搭載する中、我々のトラックは10L未満のエンジンと非常に小さく、唯一の小排気量エンジンでした。前大会から地球温暖化および気候変動による環境負荷の軽減を目的としたVISION 2030に参画するため、小排気量エンジンのパワーを補完する目的でハイブリッド車に移行したことで、コーナーリングなど減速のたびにバッテリーにチャージされ、加速時にモーターがアシストすることで加速力をアップさせ難所を乗り越えました。マニュアル車では傾斜した砂丘を駆け上る際に変速した場合、トルク抜けしてしまい車両がスタックや横転する危険性が増えますが、アリソン製ATでは変速時のトルクの抜けが発生しないため、シームレスなシフトチェンジが可能となり、全体的なタイムアップにつながっていると感じています。今回、稀に見る豪雨によって砂丘が泥地化したところが多々あり、重い路面で走りづらい中、乗務員はシフトチェンジを気にすることなくアクセルレーションできたため身体的な負担軽減もできました。また過酷な環境下でもレース全体を通して、ATFの冷却性能が安定しており、安心して走行することができました」と語りました。
HINO600 Seriesに搭載されているA09Cエンジンは排気量が8,866ccで、アリソンのトルクコンバーター付きオートマチックトランスミッションによってトルクを増幅し、Continuous Power Technology(TM)がシームレスなシフトチェンジを実現します。アリソン製ATを採用することで、路面の変化に瞬時に対応しなくてはいけない時もステアリングを両手でしっかり操作できるメリットだけでなく、タイムを競う中で間断のない動力伝達が参戦チームにとって大きなメリットとなります。ダカールラリー2023のトラック部門では、55台の出場車のうちトップ10の全ての参戦車にアリソン4000シリーズ(TM)または3000シリーズ(TM)が搭載され、優勝したチーム・デルーイもアリソン4000シリーズ(TM)を採用しました。アリソンのフルオートマチックトランスミッションは、厳しい環境下でも耐久性、堅牢性を確保しながら優れた走破性が実現できるよう、長年技術開発を進めており、現在、防衛車両や南極観測車、雪上車など幅広い分野で採用され、世界中で活躍しています。
アリソントランスミッションについて
アリソントランスミッション(NYSE:ALSN)は、商用車および防衛車両向けの車両推進ソリューションを設計・製造するリーディングカンパニーであり、中・大型のフルオートマチックトランスミッションの世界最大のメーカーであるとともに、世界の働き方を改善する電動化推進システムのリーダーでもあります。アリソン製品は、オンハイウェイ・トラック(配送、塵芥収集、建機、消防、救急)、バス(スクールバス、路線・観光バス)、キャンピングカー、オフハイウェイ・ビークルおよび機器(エネルギー開発、鉱山用機器、建設)、防衛車両など、さまざまな用途で使用されています。1915年の創業以来、本社を米国インディアナ州インディアナポリスに置き、世界150以上の国と地域で事業を展開し、オランダ、中国、ブラジルに地域本部、米国、ハンガリー、インドに製造拠点を持つほか、インディアナ州インディアナポリス、ミシガン州オーバーンヒルズ、英国ロンドンに電動化エンジニアリングセンターを置くなど、グローバルなエンジニアリングリソースを有しています。また、アリソンは世界各地に1,400以上の独立した販売代理店およびディーラーを有しています。詳細については、 https://allisontransmission.com/ をご覧ください。
アリソン 3000シリーズ(TM)
アリソン 3000シリーズは特許取得済みのトルクコンバーターにより発進時のエンジントルクを増幅させ、優れた発進性能を有します。また、Continuous Power Technology(TM)により間断なくタイヤにパワーを伝達します。
ダカールラリー2023参戦車両 HINO600 Series(ハイブリッドトラック)
日野チームスガワラ
画像提供:日野自動車株式会社
ダカールラリー2023総合10位
日野チームスガワラ(菅原 照仁/染宮 弘和/望月 裕司組)
画像提供:日野自動車株式会社