【名城大学】建築学科の萩原研究室の学生が日進市北部の街づくりを提案
建築学科の萩原拓也助教研究室の3年生が2月20日、日進市北部の土地区画整理事業地区について、同市の区画整理課職員とその土地を所有する住民らに対して、持続可能な都市空間の最終提案を行いました。
本学と日進市は2016年度に連携協力協定を締結しており、2023年7月、同市の連携協力協定締結大学の資源(教員・学生の力、施設等)を活用し、魅力あるまちづくりを行うための「提案型大学連携協働事業」に萩原研究室が応募し、採択されました。2023年8月から現地調査や土地を所有する住民らのヒヤリングを重ね、今回の最終提案になりました。
学生独自の視点で3チームが提案
対象地域の日進北部地区は、東部丘陵線(リニモ)の長久手古戦場駅と芸大通駅の南側に位置し、日進市の第6次日進市総合計画で「北のエントランス拠点」と位置づけられ、田園が残る自然豊かで周辺に複数の大学がある地区です。
萩原研究室の3年生10人が3チームに分かれ、約半年間検討。「やすみながら あそび、まなべる場所」を提案したチームは、周辺に図書館がないことに着目し、エリアの中心部に図書館を配置。それを囲むように飲食店や保育園、スーパーマーケット、銭湯を点在させました。家田桃花さんは「それぞれを分棟にすることで、風を感じながら、1日のすべてがここで完結する空間を考えました」と話しました。
地域の魅力を共有の財産=コモンと捉えた「FUTURE COMMONS」を提案したチームは、シェアリングコンポストや地区南側の調整池を生き物が集まるビオトープとして活用することを提案。住宅地の交差点に人が集い・賑わいを創出する「ポケットパーク」や高齢者や学生の集合住宅を設け、長期的な人の循環も盛り込みました。農業・自然を活かした「歩いて交わるまち」のチームは、住宅地近くに家庭菜園やシェア農地を作り、中心部に保育や介護施設を配置。ゾーン同士を散歩道でつなぎ、日々の交流を促す設計にしました。
それぞれの提案に市担当者や住民から質問や意見も相次ぎ、区画整理課の担当者は「これまで考えていなかった視点での提案があり、参考になった」「3チームの共通点は緑地や公園などの“ゆとりのある空間”だと感じた。今後の設計にも活かしていきたい」などの感想がありました。