若々しい感性でストレートに「ヤキモノ」に向き合う。早野樹「目と鼻の先」10月25 日から11月6日までMEDEL GALLERY SHUにて開催
MEDEL GALLERY SHUでは、10月25日より11月6日まで早野樹の個展「目と鼻の先」を開催いたします。
OVERVIEW
MEDEL GALLERY SHUでは、10月25日より11月6日まで早野樹の個展「目と鼻の先」を開催いたします。
本展では、陶芸作家早野樹の新作を紹介します。昨年の二人展では、デフォルメされた現代的な姿やキャラクター的偶像を陶像に取り込む試みが見られましたが、今展では、早野が正面から土に呼応した姿がストレートに表出しています。
早野は東京藝術大学陶芸専攻を今年卒業した若手作家であり、陶芸を通じて若者の姿を表現し、既成概念にとらわれないユニークな陶像に挑戦してきました。今回の展示では、掌で「かたち」を探求するプロセスが見える抽象的な像へと変化し、土そのものと向き合う姿勢が強調されています。
抽象化された陶像には見る側に印象をゆだねる余白が生まれ、作品を取り巻く空間をも取り込んでいます。
また、タイトルの「目と鼻の先」が示すように、感覚に直結した身体性が強調され、以前の作品が同時代性を表しているのに対し、新作シリーズは人間の原形を探求するプロセスのように感じられます。このような身体性を増した表現の変化は、物事を受動的に反応し続けがちな思考に、能動的に熟考し体感することを示唆しているかのようです。
「憂鬱な表情が人としての概念を掴む。
土の性質である膨張と収縮は手と土の交わりを思わせ、曖昧だったイメージは空間を作りながらやがて自ら存在を語る。そして、私が与えた表情は土の性質によって生気を帯びる。掌と行為、軟化と硬化、焼いても尚変化しようとする土に、私は次第次第に近づいていくのだ。」
この数年で土の表現方法が多くの場で公開されたことで、土への関心が高まってきたように思う。そうして今まで以上に各分野同士が融合した様々なシーンが見受けられてきた。
隔てがなくなりつつある土に一つの概念と空間を提示する事が、「ヤキモノ」の新しい表現を追求する事に繋がるのではないかと私は考えている。本作品ではあわよくば、それらを体感していただければと思う。能田健司 / 早野樹
早野 樹個展
「目と鼻の先」
2024年10月25日〜11月6日
1:00pm-7:00pm(最終日5:00pm)
木曜日休廊
対話型鑑賞会
対話型鑑賞会(参加無料)
2024年10月30日(水) 7:00pm-8:00pm
お申込:info@medelgalleryshu.com
*最小開催人数:3名(前日の15時までに開催の可否を判断します)
対話型鑑賞会は、作品そのものが表現するものを感じ取り、鑑賞者が考えたことをファシリテーターと共にグループで語らいながら鑑賞/理解を深めていくので、背景や知識を知らずとも作品を楽しめるのが何よりの特徴です。対話の中でそれぞれの言葉が積み重なり、好き嫌いの一歩先にある、第一印象にとどまらない作品の魅力を捉え考えることを促します。
参考:
対話型鑑賞は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の教育部で鑑賞者向けに開発されたメソッドを元に作られた鑑賞法です。近年ではアートを使った「答えのない問い」を考え続けるクリエイティブな思考を鍛える手法として、教育機関や医療福祉、ビジネスの領域でも注目されています。
早野樹|Itsuki Hayano
1998年生まれ。土に与えた憂鬱な表情は、土との行為の中で性質が変化し、焼成を経て尚変容していく。偶然性と恣意的な行為が、土の纏う空間と概念を追求していく事に繋がると考え、「ヤキモノ」の新しい表現に繋がるのではないかと考え作陶している。
MEDEL GALLERY SHU
MEDEL GALLERY SHU|愛でるギャラリー祝
https://medelgalleryshu.com/
東京都渋谷区神宮前4-28-18
カトル・バン原宿B1
info@medelgalleryshu.com
13:00〜19:00(最終日は17時まで)
木曜休廊
MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。