産学官連携、コロナ後の観光市場活性を目的として奈良の特産品の柿や日本酒を配合したご当地コスメの新商品やまとcosmetic柿の葉配合ハンドジェルクリームを共同開発 2024年1月から奈良のお土産店やインターネットで発売予定
近畿大学(大阪府東大阪市)と、スキンケア・ボディケア・ヘアケア等の化粧品製造を行う株式会社マックス(本社:大阪府八尾市、代表:大野範子)は、(公財)奈良県地域産業振興センターの支援を受けて産学官連携で開発した奈良のご当地コスメ「やまとcosmetic柿の葉配合ハンドジェルクリーム」を、2024年1月1日(月)から奈良市内のお土産店やインターネットで発売することを発表します。
本件は、コロナによって打撃を受けた奈良の観光市場の活性化を目的として、奈良の特産品である柿や日本酒などを美容成分として配合したご当地コスメの開発に、近畿大学経営学部商学科 教授 金相俊ゼミで観光マーケティングや旅行産業論を専攻する学生とマックスが共同で取り組み、(公財)奈良県地域産業振興センターの中小企業地域資源活用等促進事業助成金制度を活用して事業化した活動です。
【共同開発の背景】
マックスは創業118年(明治38年創業)の長寿企業として、これからも社会に必要とされる存在であり続けるために、"社会課題の解決の一助"が付加価値となるような化粧品の開発を目指しています。その一つとして取り組んでいるのが、産学官民連携で開発した奈良のご当地コスメ「やまとcosmeticシリーズ(2019年2月上市)」で、奈良を代表する農産物等の美容成分を複数配合することで、コスメで美しくなっていただくだけでなく、奈良の観光産業の活性化や、県産品にも興味をもっていただくことを目的としています。
この活動が2020年に総務省から「産学官による地域活性化の先行的な好事例」として選出されたことから、同年より当社のSDGsの一環(若い世代への教育と、やまとコスメの活動のPRによる地域活性)で、「ご当地コスメによる地域活性マーケティング事例」をテーマとした講義を関西圏の大学から請け負っていたところ、2022年に大阪府からの紹介で近畿大学経営学部商学科の金教授より講義開催の依頼を受け、同年7月に実施しました。その際、"観光産業から地方創生"という金教授とマックスの目指す思いが合致したことから、2023年の春より金教授のゼミ活動の一つとして、やまとcosmeticのマーケティングを協業することになりました。
ゼミ学生のアイデアで、もっと手軽に手に取れるコスメとして「ハンドクリームの新商品開発」を企画し、同時期に(公財)奈良県地域産業振興センターが公募していた中小企業地域資源活用等促進事業助成金制度にエントリーして、採択されたことから新商品開発の事業化が決定しました。
【近畿大学経営学部・金相俊ゼミの概要】
日本の各地域・地方がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続可能な社会をかたちづくること、そして魅力あふれる地方のあり方を築くこと、いわゆる「地方創生」の視点から観光ビジネスのメカニズムを解明していきます。主な活動として、地方自治体や企業の協力を得て行う、観光や地方と関連する新商品の開発、観光資源・コンテンツの開発、旅行商品の企画のほか、地域を売り込むためのマーケティング活動を行っています。フィールドワークの多くは課題解決型が中心となり、個人の知を、組織の知へ発展させるための研究に取り組んでいます。
2023年度は、本件の「地産商品開発グループ」の他に、「地域活性化グループ」「フェアトレードグループ」「旅行商品開発グループ」「観光プロモーショングループ」の合計5つのグループに分かれてゼミ活動を行っています。
【発売概要】
発売日:2024年1月1日(月)予定
価格 :698円(税込)
販路 :
(1)奈良県内のお土産店/奈良銘品館 奈良公園バスターミナル店、GOTO-CHI奈良店(近鉄奈良駅)、奈良のうまいものプラザ(JR奈良駅)等
(2)インターネット/楽天モール、amazon等
【産学官連携によるこれまでの活動内容】
<新商品開発>
新商品のカテゴリー&ハンドクリームの使用感や香りの決定やパッケージデザインを制作
<PR活動の準備>
ブランドサイト・店頭POP・SNS投稿用原稿・出張イベント用PRワゴン等を制作
【今後の活動予定】
新商品PR活動として、ブランドサイトの立ち上げや店頭POPの設置、SNS投稿や出張イベント用PRワゴンを用いたイベント開催の実施と共に、次年度の金相俊ゼミでも、やまとcosmeticをテーマとして引き続き採用し、学生とマックスの協業でマーケティングの深化を追求します。
【関係者コメント】
近畿大学経営学部商学科 教授 金相俊(きむさんじゅん)
産学官による実学教育の取り組みを、とりわけ本学商学科で学んだ学生が実践し、マーケティングの知識を生かして大学・企業・顧客との関係をデザインした商品開発を行うことで、本学の教育力の高さや教育効果を広くアピールすることができると考えます。また、環境や地域の抱える課題に取り組むことで、SDGsの実践例としても高い評価が得られるものであり、埋もれがちな地域資源の発掘、ひいては地域ブランドの開発・構築につながり、将来的には地域経済の発展にも寄与するものと考えます。
近畿大学経営学部商学科 金相俊ゼミ 特産商品開発グループ 代表 葉山桃花(はやまももか)
これまで授業で学んできた観光産業や地方創生、マーケティングについて、実際の企業や行政が行っているプロジェクトに関わり、これから卒業して社会の一員となるための素晴らしい経験をさせていただきました。
活動当初は、何から手を付けたら良いか分かりませんでしたが、企業の担当の方と毎週打ち合わせを繰り返し、手探りながらもゼミの仲間と作業をすることで、一つ一つが形になり、ここまで来られたことをとても嬉しく思います。
株式会社マックス 代表取締役社長 大野範子(おおののりこ)
今回、新商品開発に若い方々の意見を取り込むことができたことは、新しい視点に気が付く良い機会となり、結果的に素晴らしい製品が出来上がったと思います。
また1年弱の短い活動期間ではありましたが、その中でも学生の皆さんの成長を垣間見ることができて、社会人への第一歩の架け橋に少しだけ貢献できたのではないかと嬉しく、また誇りに思います。
マックスは、今回のやまとcosmeticに限らず、これからも事業を通じて社会課題の解決の一助となる価値を生み出していきたいと考えています。
【株式会社マックス】
1905年(明治38年)に創業の化粧品メーカーで、古くは小学校の手洗い石けんとして知られる"レモン石鹸"を多く製造し、その後、液体洗浄料や粉体の入浴剤など、新しい剤型にも取り組み、現在ではスキンケア、ボディケア、ヘアケア製品の製造販売へと幅を広げています。ほぼ全ての商品を自社製造し、その9割以上を奈良事業所で生産しています。
本社 :〒581-0084 大阪府八尾市植松町2丁目9番29号
奈良事業所:〒634-0831 奈良県橿原市曽我町12番4号
東京支店 :〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町2-1-1浅田ビル2階
代表 :代表取締役社長 大野範子
創業 :1905年(明治38年)3月
電話 :TEL(072)994-5050(代) FAX(072)994-4531(代)
URL :http://soapmax.co.jp/
事業内容 :石けん、ボディソープ、シャンプー、コンディショナー、入浴剤、化粧水、ボディクリーム等の化粧品、及び医薬部外品の企画・製造販売。
【近畿大学経営学部商学科 教授 金相俊】
学位 :博士(経済学)
専門分野 :観光マーケティング、地域創生論、旅行産業論
研究テーマ:(1)地方創生の視点から見る観光ビジネスのメカニズム、
(2)インバウンドビジネス
論文等 :旅行商品の流通構造から見るインバウンドビジネスの実態
(金、2019)ほか多数
受賞歴 :2023グローカル観光国際学術学会最優秀論文賞(2023年)、
優秀指導教員賞(2022年、東北亜観光学会)ほか
著書 :新版『変化する旅行ビジネス』(共著、2009、文理閣)ほか
<報道関連出演・掲載一覧>
●2023/7/11 毎日新聞 名張市の地域活力創生会議について
●2022/10/14 NHK「おはよう日本」ゼミの取り組みについて
●2022/9/8 NHK「ほっと関西」ゼミの取り組みについて
●2020/10/21 NHK大阪「ニュースほっと関西」ワークバケーションが流行っている現状と背景について
●2020/7/21 毎日放送「ミント!」京都でホテルの開業ラッシュが起こっている理由について
【関連リンク】
経営学部 商学科 教授 金相俊(キムサンジュン)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/113-kim-sangjun.html