ネットエイジア調べ  ~改正健康増進法の施行から1年~  喫煙スペースが「減ったと感じる」喫煙者の69%

喫煙・喫煙スペースに関する意識・実態調査2021

モバイルリサーチ(http://www.mobile-research.jp/)を展開するネットエイジア株式会社(http://www.netasia.co.jp/)(本社:東京都中央区、代表取締役:三清 慎一郎、以下ネットエイジア)は、2021年2月22日~2月24日の3日間、「喫煙・喫煙スペースに関する意識・実態調査」をインターネットリサーチにより実施し、20歳~69歳の男女1,000名(喫煙者500名、非喫煙者500名)の回答を集計いたしました。
今後もネットエイジアでは、世の中の関心が高いテーマの調査、今後のトレンドを占える調査など、マーケティングシーンで役立つさまざまな情報をモバイルリサーチによりタイムリーに提供してまいります。 

[調査結果]
《喫煙に関する意識・実態》
◆「受動喫煙防止のため2020年4月から改正健康増進法が施行されたこと」の認知率は喫煙者では85%

20歳~69歳の男女1,000名(全回答者)を対象に、喫煙に関する意識や実態について調査を行った。

“望まない受動喫煙をなくす”“受動喫煙による健康被害が大きい子どもや患者等に配慮する”“施設の類型・場所ごとに対策を実施する”という趣旨で、2018年に健康増進法の一部を改正する法律が成立し、2020年4月より全面施行された。では、改正法施行以降、喫煙環境や喫煙実態はどのように変わったのだろうか。
まず、喫煙者(500名)に、2020年(昨年)の4月から、望まない受動喫煙を防止するために、健康増進法の一部を改正した法律が施行されたことを知っているか聞いたところ、「詳しく知っている」が29.4%、「何となく知っている」が55.2%で、合計した『知っている(計)』は84.6%、「知らない」は15.4%となった。
非喫煙者(500名)にも聞いたところ、『知っている(計)』と回答した人の割合は54.6%と、喫煙者(84.6%)と比べて30.0ポイント低くなった。

改正健康増進法施行の認知

◆「改正健康増進法施行以降、喫煙スペースが減ったと感じる」喫煙者の69%
 喫煙スペースが減ったと感じる喫煙者が直面する状況変化
 TOP4「喫煙したくてもできない」「喫煙スペースを探し回るようになった」「喫煙スペースが混雑するようになった」「喫煙スペースが遠くなった」 喫煙スペース難民の行方が気になる結果に

喫煙者(500名)に、2020年の4月以降(改正健康増進法の施行以降)、喫煙できる場所(喫煙スペース)の数がどのように変わったと感じるか聞いたところ、「増えた」は2.4%、「減った」は68.8%、「変わらない」は22.8%となった。

改正健康増進法施行以降、喫煙できる場所(喫煙スペース)の数がどのように変わったと感じるか

2020年4月以降、喫煙できる場所の数が減ったと感じている人(344名)に、喫煙できる場所の数が減ったことで、どのような変化があったか聞いたところ、「喫煙したくても喫煙できないときがあった」(67.2%)が最も高く、以降、「喫煙スペースを探し回るようになった」(41.9%)、「喫煙スペースが混雑するようになった」(36.9%)、「喫煙スペースが遠くなった」(31.7%)が続いた。喫煙スペースが減ったことで、喫煙自体をあきらめたり、喫煙スペースを求めて歩き回ったり、混雑した喫煙スペースで喫煙をしたり、遠くにある喫煙スペースまで行ったりするようになったという人が多いようだ。そのほか、「喫煙スペース以外の場所(カフェや自宅除く)での喫煙が増えた」は6.7%と、喫煙スペースではない場所で喫煙をしたりするようになったという人もみられた。

喫煙できる場所(喫煙スペース)の数が減ったことで、どのような変化があったか

◆「禁煙場所で喫煙をしたことがある」喫煙者の24%、「歩きたばこをしたことがある」喫煙者の23%
◆喫煙者の59%が喫煙スペース難民の経験があると回答
◆改正健康増進法施行以降、喫煙スペース難民の75%が喫煙スペースを探し回る頻度の増加を実感

喫煙者(500名)に、喫煙に関する行動について質問した。
提示した喫煙者の各行動について、したことがあるか聞いたところ、【喫煙スペースを探し回る】では「ある」は59.2%となった。喫煙者の過半数が喫煙スペースを探し回る喫煙スペース難民の経験があった。
他方、【喫煙スペースからはみ出して喫煙】では「ある」は27.6%、【禁煙場所で喫煙】では「ある」は24.4%、【歩きたばこ】では「ある」は22.6%、【たばこをポイ捨て】では「ある」は14.8%となった。

喫煙者の行動

続いて、2020年4月の改正健康増進法施行以降の行動の変化について質問した。
提示した喫煙者の各行動について、それぞれをしたことがある喫煙者に、2020年4月以降(改正健康増進法の施行以降)、各行動をする頻度が増えたと感じるか、減ったと感じるか聞いたところ、【喫煙スペースを探し回る】では「増えた」は75.3%、「減った」は24.7%となった。
また、【喫煙スペースからはみ出して喫煙】では「増えた」は68.1%、「減った」は31.9%、【禁煙場所で喫煙】では「増えた」は54.9%、「減った」は45.1%となった。
他方、【歩きたばこ】では「増えた」は37.2%、「減った」は62.8%、【たばこをポイ捨て】では「増えた」は36.5%、「減った」は63.5%となった。

改正健康増進法施行以降の喫煙者の行動の変化

◆「禁煙場所で喫煙している人を見かけたことがある」非喫煙者の54%
◆「たばこのポイ捨てを見かけたことがある」非喫煙者の66%
 ポイ捨てを見かけることが多い場所 TOP3「駅前」「駐車場・コインパーキングの周辺」「住宅街」

非喫煙者(500名)に、喫煙者の行動について質問した。
【喫煙スペースを探し回る人】を見かけたことがあるか聞いたところ、「ある」は25.8%となった。【喫煙スペースからはみ出して喫煙している人】では「ある」は44.4%、【禁煙場所で喫煙している人】では「ある」は54.0%、【歩きたばこをしている人】では「ある」は66.2%となった。
また、【たばこのポイ捨て(ポイ捨てする人やポイ捨てされた吸い殻)】を見かけたことがあるか聞いたところ、「ある」は65.6%となった。たばこのポイ捨てやポイ捨てされた吸い殻に遭遇した非喫煙者は多いようだ。

喫煙者の行動を見た経験

たばこのポイ捨て(ポイ捨てする人やポイ捨てされた吸い殻)を見かけたことがある人(328名)に、たばこのポイ捨てをどこで見ることが多いか聞いたところ、「駅前」(40.2%)が最も高く、次いで、「駐車場・コインパーキングの周辺」(38.1%)、「住宅街」(37.5%)、「公園」(34.5%)、「飲食店の周辺」(32.3%)となった。

たばこのポイ捨てをどこで見ることが多いか

◆喫煙スペース難民を見た経験がある非喫煙者の64%が、改正健康増進法施行以降の当該難民増加を実感

では、2020年の4月に改正健康増進法が施行されたことで、喫煙者の行動に変化はあったのだろうか。
提示した喫煙者の各行動について、それぞれを見かけたことがある非喫煙者に、2020年4月以降(改正健康増進法の施行以降)、各行動をする人が増えたと感じるか、減ったと感じるか聞いたところ、【喫煙スペースを探し回る人】では「増えた」は63.6%、「減った」は36.4%となった。改正健康増進法の施行により喫煙スペースが減った影響か、喫煙スペースを探し回る喫煙スペース難民に遭遇する機会が増えたようだ。
【喫煙スペースからはみ出して喫煙している人】では「増えた」は54.1%、「減った」は45.9%、【禁煙場所で喫煙している人】では「増えた」は44.4%、「減った」は55.6%、【歩きたばこをしている人】では「増えた」は34.7%、「減った」は65.3%となった。
また、【たばこのポイ捨て(ポイ捨てする人やポイ捨てされた吸い殻)】では「増えた」は34.1%、「減った」は65.9%となった。

改正健康増進法施行以降の喫煙者の行動を見かけた経験の変化

《喫煙スペースに対する意識》
◆「喫煙スペースは必要だと思う」非喫煙者の64%、「不要だと思う」非喫煙者の36%
 必要だと思う理由1位「受動喫煙を避けることができる」

喫煙スペースの必要性について、非喫煙者はどのように考えているのだろうか。
非喫煙者(500名)に、喫煙スペースは必要だと思うか、不要だと思うか聞いたところ、『必要だと思う(計)』は64.4%、『不要だと思う(計)』は35.6%となった。非喫煙者の多くは、喫煙スペースの必要性を認めているようだ。

喫煙スペースの必要性に関する意識

喫煙スペースが必要だと思う人(322名)に、そのように思う理由を聞いたところ、「受動喫煙を避けることができるから」(63.7%)が最も高くなった。以降、「禁煙場所で喫煙する人が減ると思うから」(50.6%)、「歩きたばこが減ると思うから」(43.2%)が続いた。
他方、喫煙スペースが不要だと思っている人(178名)に、そのように思う理由を聞いたところ、「においが漏れてきそうだから」(64.0%)が最も高く、次いで、「煙が漏れてきそうだから」(60.7%)、「3密(密集・密接・密閉)になりそうだから」(43.3%)となった。

喫煙スペースが必要だと思う理由/不要だと思う理由

◆非喫煙者が喫煙スペースに求めること 「煙が漏れない」と「においが漏れない」が突出

喫煙スペースに求められるのはどのようなことなのだろうか。
非喫煙者(500名)に、どのような喫煙スペースがあるといいと思うか聞いたところ、「煙が漏れない」(74.8%)と「においが漏れない」(67.6%)が突出する結果となった。以降、「ゴミ箱が設置されている」(29.8%)、「ソーシャルディスタンスが確保できる」(26.2%)、「利用時間や利用人数が制限されている」(19.8%)が続いた。

どのような喫煙スペースがあるといいと思うか(非喫煙者)

喫煙者(500名)にも聞いたところ、「煙が漏れない」(53.6%)が最も高く、次いで、「においが漏れない」(52.6%)、「ソーシャルディスタンスが確保できる」(47.0%)、「煙たくない」(36.6%)、「くつろげる」(34.4%)となった。

どのような喫煙スペースがあるといいと思うか(喫煙者)

◆煙やにおいが漏れないような最新設備の喫煙スペースの多い街に対するイメージ
 「住みやすい・利用しやすい」非喫煙者の67%が同意

最新設備の喫煙スペースについて質問した。
喫煙者(500名)に、煙やにおいが漏れないような最新設備の喫煙スペースの多い街に対するイメージを聞いたところ、【きちんと分煙に取り組んでいる】では「非常にそう思う」が24.0%、「ややそう思う」が58.8%で、合計した『そう思う(計)』は82.8%となった。最新設備の喫煙スペースが多くある街に対し、“きちんと分煙に取り組んでいる街”であると評価する人が多いようだ。
【美化に対する意識が高い】では『そう思う(計)』は79.6%、【歩きたばこ・ポイ捨てをする人が少ない】では69.6%、【たばこを吸う人吸わない人の両方にやさしい】では69.0%、【住みやすい・利用しやすい】では74.6%と、いずれも同意する人が多数派となった。

煙やにおいが漏れないような最新設備の喫煙スペースの多い街に対するイメージ(喫煙者)

非喫煙者(500名)にも聞いたところ、【きちんと分煙に取り組んでいる】では『そう思う(計)』は73.4%、【美化に対する意識が高い】では68.4%、【歩きたばこ・ポイ捨てをする人が少ない】では56.0%、【たばこを吸う人吸わない人の両方にやさしい】では65.4%、【住みやすい・利用しやすい】では66.6%となった。

煙やにおいが漏れないような最新設備の喫煙スペースの多い街に対するイメージ(非喫煙者)

◆最新設備の喫煙スペースがあるといい場所 喫煙者・非喫煙者とも1位は「駅前・駅周辺」

また、どのような場所に、煙やにおいが漏れないような最新設備の喫煙スペースがあるといいと思うか聞いたところ、喫煙者・非喫煙者とも「駅前・駅周辺」(喫煙者65.4%、非喫煙者60.8%)が最も高くなった。駅の近くに最新の機能を備えた喫煙スペースを望む人が多いようだ。以降、喫煙者では「飲食店」(52.4%)、「商業施設」(51.8%)、「コンビニエンスストア」(47.6%)、「オフィス」(47.4%)が続き、非喫煙者では「商業施設」(50.2%)、「オフィス」(49.8%)、「飲食店」(47.4%)、「公共施設」(43.8%)が続いた。
喫煙状況別にみると、「コンビニエンスストア」は喫煙者では47.6%と、非喫煙者(30.6%)と比べて17.0ポイント高くなった。

煙やにおいが漏れないような最新設備の喫煙スペースがあるといいと思う場所

◆改正健康増進法施行以降の飲食店選び 「お店が禁煙になったため行かなくなったお店がある」喫煙者の47%

改正健康増進法の施行以降、飲食店の選定行動に変化があったという人はどのくらいいるのだろうか。
喫煙者(500名)に、2020年4月以降(改正健康増進法の施行以降)の飲食店選びについて、【お店が禁煙になったため行かなくなったお店】があるか聞いたところ、「ある」は47.2%となった。行きつけのお店が禁煙となったことで、利用を控えるようになったという人は少なくないようだ。
また、【喫煙可を理由に初めて選んだお店】があるか聞いたところ、「ある」は39.6%となった。

改正健康増進法施行以降の飲食店選び(喫煙者)

非喫煙者(500名)に、2020年4月以降(改正健康増進法の施行以降)の飲食店選びについて、【2020年4月以降も喫煙が可能だったことで行かなくなったお店】があるか聞いたところ、「ある」は11.8%となった。
また、【禁煙を理由に初めて選んだお店】があるか聞いたところ、「ある」は15.4%となった。

改正健康増進法施行以降の飲食店選び(非喫煙者)

◆喫煙専用室や加熱式たばこ専用室のある飲食店のイメージ
 「きちんと分煙に取り組んでいる」非喫煙者の64%、「店内がきれい」非喫煙者の58%が同意

喫煙専用室や加熱式たばこ専用室のある飲食店に対し、どのようなイメージを持っている人が多いのだろうか。
喫煙者(500名)に、喫煙専用室や加熱式たばこ専用室のある飲食店に対するイメージについて聞いたところ、【きちんと分煙に取り組んでいる】では、「非常にそう思う」が28.2%、「ややそう思う」が51.8%で、合計した『そう思う(計)』は80.0%となった。
【においが気にならない】では『そう思う(計)』は68.6%、【店内がきれい】では78.8%、【利用客のことを考えている】では79.6%、【たばこを吸う人吸わない人の両方にやさしい】では72.0%となった。また、お店の利用に関し、【利用しやすい】では『そう思う(計)』は71.8%、【子ども連れでも利用できる】では54.4%となった。

喫煙専用室や加熱式たばこ専用室のある飲食店に対するイメージ(喫煙者)

非喫煙者(500名)にも聞いたところ、【きちんと分煙に取り組んでいる】では『そう思う(計)』は63.6%、【店内がきれい】では57.8%、【利用客のことを考えている】では65.2%、【たばこを吸う人吸わない人の両方にやさしい】では59.0%、【利用しやすい】では54.4%と、半数を上回った。
他方、【においが気にならない】では『そう思う(計)』は42.8%、【子ども連れでも利用できる】では39.8%と、こちらは半数を下回る結果となった。

喫煙専用室や加熱式たばこ専用室のある飲食店に対するイメージ(非喫煙者)
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