バッグ挿入で豊かなバストを手に入れたのに…加齢でバッグが浮き出てきた!

「永遠のバストメイキング」のためには、シリコンバッグを挿入するしかないと思っている人は多いようです。

痛い思いをして手術をし、わざわざ人工物のバッグを入れたのだから、バストの形も大きさも変化するわけがない。「一生モノの美しいバストを手に入れた!」と、信じたい気持ちはよくわかります。

しかし、たとえバッグが入っていたとしても、バストそのものを支えているのは患者さん自身の筋肉や靭帯です。本人の体の変化には、バストの形もあらがうことはでません。加齢で体全体の脂肪が下に落ちていけば、当然ながらバストも下垂していきます。シリコンバッグもバストに合わせて下垂したり、形を変えてフィットしてくれればよいのですが、 体の一部ではなく人工物ですので、そうはいきません。

そのため、シリコンバッグを若い頃に入れた人が、40代を過ぎた頃に「助けてください!」と美容クリニックに駆け込んでくることは珍しくないのです。

そうした人たちの話の多くは「下垂して薄くなったバスト上部にシリコンバッグが残ってしまい、薄くなった皮膚からバッグの輪郭が浮き出てきてきた」「左右のバストの下垂が極端に異なっている」といった悩みです。

今回紹介する久山さん(仮名)もその一人で、20代に入れたシリコンバッグが、40代になってから皮膚にくっきり浮かび上がってきて、真っ青になって南クリニックに駆け込んで来ました。

シリコンバッグの入ったバストの下垂をどう立て直したのか、その経緯をお話します。

20 代の頃にバッグ挿入の豊胸手術…加齢とともにバッグの輪郭が浮き出てきた

3人を母乳育児後バストが萎み、シリコンバッグ挿入法にチャレンジ

20代前半で子どもを3人出産した久山さん。母乳がよく出るタイプで、授乳中のバストは驚くほど大きくなったそうです。しかし、立て続けに3人を母乳で育てたあとは、バストはもとの状態より小さくなってしまいました。

皮膚が余ってしまい「まるでおばあさんのようなバストだった」と久山さんは当時を振り返ります。写真を見せてもらいましたが、確かにバストトップは下を向き、元気のない状態です。

悩んだ末、28歳のときに久山さんは地元の美容クリニックで豊胸術を受けました。授乳中の大きさまでリカバリーしないと皮膚にシワができるのではないかと心配し、できる限り大きなシリコンバッグを乳腺下に入れてもらったそうです。

乳腺下にバッグを入れたのは、下垂をフォローする意味では正しい判断だと思います。しかし、それはバスト周囲の筋肉、靭帯などが若々しい状態であることが条件です。筋肉が衰え、靭帯も伸びてきた40代にもなると、自身のバストの脂肪にシリコンバッグの重みも加わり、バストの下垂が急激に進むことになってしまいます。

40歳になって、突然シリコンバッグの縁が皮膚に現れた!

30代までは、自慢のできる大きなバストでした。旅行先の温泉で初めて久山さんのバストを見た友人は「きれいな形ね」「3人産んだなんてウソみたい」と、まさか豊胸したとは思っていない様子だったそうです。

ところが、40代になった直後、お風呂の鏡に映った自分のバストを見て驚愕したそうです。

右のバストの上のほうに、うっすらと線が入っているように見えたのです。触ってみると、明らかにシリコンバッグの縁。今までは、その部分にはバストの脂肪があって、バッグに触れる感触はなかったはずですが、バストが下垂したことで脂肪が失われていたのです。指でそっと押さえてみると、バッグの形をなぞることができてしまい、「このまま放置していたら、どうなってしまうのだろう」と大きな不安が生まれたと言います。

カプセル拘縮によってバッグの厚みが増したことも原因

それから数ヵ月すると、左のバストにも線が見え始め、右のバストにはシリコンバッグの入った部分と、入っていない部分で段差が生まれ、バストの中に何かが入っていると見た目でわかるようになってきました。

シリコンバッグの周囲には「拘縮」と呼ばれるカプセル状の硬い組織ができることがあり、そうなるとバッグはそれまでのペタンとした形から、やや球状に近づいていきます。その厚みがバスト上部に残り、下垂したバストとのバランスが取れなくなってしまっていたのです。

皮膚下からバッグが外に向かって押しているような状態で、怖くてバストに触れなくなってしまったと久山さんは話してくれました。

自分のバストを成長させる「成長再生豊胸」その仕組み

バッグを抜去する手術はしたくない……

若い頃に出産をした久山さんは、40代を「第二の青春」と考えていたそうです。離婚をしたこともあり、新たな恋にも前向きでした。しかし、バストがこんな状態では、恋愛どころではないと焦り、南クリニックに相談に来られたのです。

担当したドクターは「バッグを抜去して、別の豊胸術をしたほうがいよい」と判断しました。しかし、久山さんは「手術は絶対にしたくない」と主張します。保険会社の支店長を務め多忙であるため、できるだけダウンタイムは短く、そして術後のケアがラクな方法をお願いしたいと言います。

バッグを入れたまま成長再生豊胸に挑戦

そこで、シリコンバッグを入れたまま、成長再生豊胸Fを行うことにしました。成長再生豊胸は注射をするだけで「患者さん自身のバストが成長をはじめる」という、今までにないコンセプトの豊胸術です。

そのなかでも「成長再生豊胸F」は早くバストを成長させたい人に向いています。

施術は患者さんの血液を採取することと、バストに注射を打つだけの非常に簡単なものです。注射の中身は、皮下脂肪と乳腺の成長に特化した「成長因子製剤の混合物」と「女性ホルモン」。体に悪影響を与えるものは含まれていません。

中年期以降の豊胸術で、シリコンバッグ挿入を嫌がる人には、これまで脂肪注入法をすすめることが多かったのですが、成長再生豊胸が開発されてからは、成長再生豊胸のみ、もしくは「成長再生豊胸+脂肪注入法」という選択肢も出てきました。

女性ホルモンの分泌が若い頃に比べて減少してきている人にとって、Wの施術は効果が強く感じられるものです。

成長再生豊胸 F」5セット×3回……徐々に表れる効果に喜びあふれる

ツンと上を向いた20代の頃のバストが蘇った

やせ型の久山さんは脂肪注入法はせず、成長再生豊胸Fのみを選択しました。

成長再生豊胸Fでは、成長因子が女性ホルモンの刺激を受けて、成長のきっかけがつくられます。注射液はねばねばした状態のもので、血管に吸収されにくく、バストの促進が長く続くように考えられています。

術後は注射液の体積によって、かなり大きな豊胸効果を感じられますが、注射液が少しずつ吸収されるとバストの体積は若干失われます。しかし、同時に注射液に含まれる成長因子が周辺に放出されて、脂肪と乳腺が成長をはじめます。

この一連の流れによって、患者さん自身の組織が増え、成長することで豊胸効果を確実に獲得できるのです。

一度の施術で5セットまで可能ですが、久山さんは5セット3回、計15セットの注射を行いました。私の感覚では10セットで十分な効果を感じましたが、本人は20代の頃のバストを蘇らせたいとの希望により15セットとなりました。

結果として、シリコンバッグの輪郭は一切わからなくなり、バストトップもツンと上を向いた若々しいバストに成長したのです。久山さん自身も、日々、バストが成長する様子が嬉しくて仕方なかったと話しています。

シリコンバッグによる細菌感染には要注意

ところで、シリコンバッグが入ったまま、成長再生豊胸を行った久山さんの場合、注意しなければならない点があります。

それは、細菌感染のリスクです。一般的に体内に異物があると、細菌感染に弱いと言われています。歯科のインプラントや骨折時に使うボルトなども同様で、医師は感染症への配慮を怠りません。

もちろん、細菌が体内に入ったとしても、健康な人であれば自身の免疫力で排除、殺菌できます。万が一、排除、殺菌の能力が一時的に細菌の力を下回ったとしても、抗菌剤(抗生物質)を投与することで細菌の増殖を抑えられれば回復します。

しかし、バッグのような非吸収性の人工物の表面に細菌が付着すると、抗菌剤を使用してもなかなか回復しないことがあります。一時的に症状が治まっても、抗菌剤が消失すると、感染症が再発してしまうケースもあります。

ですから、久山さんには自身の体調を常に意識して、バスト周辺に違和感を覚えたり、発熱があった際にはすぐに医療機関を受診するようにお願いしてあります。

シリコンバッグには寿命があり、長期間、バスト内にとどめておくのは危険だと考えられています。久山さんも長期の休みが取得できるタイミングで、改めて抜去手術と「成長再生豊胸+脂肪注入法」の施術をしたいと考えているそうです。

南クリニック院長:南晴洋
南クリニック院長:南晴洋

南クリニック院長:南晴洋

京都第二赤十字病院形成外科勤務、大手美容外科院長を経て1997年 南クリニック開業。創業以来、豊胸に力を入れている。注射で豊胸を行う「成長再生豊胸」を海外の学会でも発表。


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