教育DXで増えると予想される剽窃の防止策
剽窃チェックをサポートするソリューション
近来、DXは様々な業界で広がっており、教育業界もその例外ではありません。
初中等教育ではGIGAスクール構想の第一歩である、情報端末を生徒が一人一台持つという目標はこのコロナ禍で当初のスケジュールよりも早く達成しそうな状況です。2021年4月段階で全国の小中学校の9割が一人一台体制になったと言われており、それに伴い教育ソリューションが多数開発され、また導入されており、大学DXより一足先に動いていました。
高等教育現場では、既存のポータルやLMSシステムに先端技術を取り入れ、学びの環境を改善させて学習者には最適な学習の機会を提供しています。また、各教育基幹の教育の質を高くすることを目的として、AI、VR、Virtual GISなどを活用した授業コンテンツの開発と導入に力を入れています。さらに、コロナ禍でリモート授業が定着されレポート提出や、指導者が学習者にフィードバックを行う、テストなどをリモートで行う事が増えています。
今後、教育環境の整備が進めば、新しい教育の仕方、学び、メリットなど、今までなかったものが生み出され、良い方向に変革する反面、様々な課題も出てくるでしょう。
開発や導入が必要なソリューションは多々ありますが、予想される課題としては、教育機関ごとの予算格差による学習環境の格差が発生する、授業の代理出席や試験の代理受験などデジタルツールの普及により今まで以上に不正が生まれるなどが考えられます。
デジタルラーニングが増えると共に記述型評価、課題中心の非対面評価の比重が高くなります。同時にデジタルの多様によるコピペのしやすさなどから、剽窃のような不正行為もしやすくなっていくことでしょう。このような剽窃事件が起きてしまうと、大学の信用やイメージを下げることになります。事前に事件が発生しないように防止対策をたてることで、研究者及び学生の著作物だけでなく大学の信用を担保することができます。
海外でも教育DXは進んでいます。MDPI(スイスオンライン学術誌出版研究所)に2021年1月18日リリースされた学術アティクル(大学教育でDXを適用する時に注意する事*)著者である Francisco José García-Peñalvoによると、 「DX革命を起こすために技術的な面だけではなく、オーサーシップの価値を上げる事が必要です。それで学習者・研究者・論文著者などの著作物の著作権を守れるようにシステム基盤を作る事が重要です。また、研究不正を効果的に防ぐためにはポータルシステムまたはLMSで提出された課題や試験回答を自動的に剽窃チェックするソリューションを導入する事が必要です。コロナ禍で重要性が高くなり、導入と使用量が増えています」**と述べました。
国内も似たような状況です。特に課題や試験評価を長年担当してきた大学関係者の方々は、その必要性をより強く感じています。コロナにより、非対面教育が増え、評価すべき文章が以前より山積みされています。在学生相互間の剽窃、学生間コミュニティでの先輩・後輩間の課題・模範解答の共有、ウェブ上の研究成果物の剽窃など、評価者の目検だけでは全ての不正は発見できません。そのため、多くの担当者が評価の公平性、公正性を保てずに頭を抱えています。
市販されている剽窃検査サービスが多々あります。そのほとんどが、評価者が直接アカウントを登録して評価対象文書を一つ一つアップロードしなければならないという、大変手間のかかるものになっています。
これを解決するためにCopyMonitor(コピーモニター)社では、各学校、機関にて使っているLMSシステムに剽窃チェック機能を連動させて、受講生の課題及びレポートを提出されたら自動でチェックして、すぐに教員がチェック結果を確認できるCopyMonitor Bridge(コピーモニターブリッジ)を提案しています。海外では、CopyMonitor Bridgeはたくさんの課題評価を行う教員の問題解決に最適な製品として、100ヶ所以上の大学や研究機関で利用されています。
「CopyMonitor Bridge」の主な特徴は、
1. 課題が提出されると、リアルタイムまたは教員が予め設定した日に自動でチェックを行います。
評価者(教員)がLMSの画面で類似度と詳細結果をリアルタイムで確認することができます。
また、課題ごとに類似度チェックの設定を変えることもできます。
必要に応じて提出者(学生)もチェックの結果を確認できるようにすることもできます。
2.提出された全ての資料は自動的にサーバに蓄積され、その後のチェックで比較データベースとして活用できます。
生徒間だけではなく、先輩・後輩間での課題やレポートのコピペの場合でも剽窃を検出できます。
このようなCopyMonitor Bridgeの活用を通して様々な効果が期待できます。
1.課題評価の業務の効率化
2.剽窃防止教育、学事管理強化のためのインフラ強化
3.教員の力量を上げる、また研究倫理を培う、など
〇まとめ
LMS連動ツールは、デジタルラーニングが増えることで、さらに増える可能性がある剽窃問題を事前にシステム的に防止する事ができます。さらに、教員の業務軽減や研究活動に質の高い教育の提供に役立つため、さらに多くの機関で使われることでしょう。CopyMonitorのような剽窃チェックツールの活用は、 教育DXと共に研究者のオーサーシップの価値を保護することでしょう。
- CopyMonitorは、著作物を国内及び国際的な学術文書やウェブコンテンツそして会員が指定したドキュメントが含まれるCopyMonitor 独自の文書データベースと比較し、文書同士がどれだけ類似しているかを判定するソリューションです。CopyMonitor Bridgeは、CopyMonitorを使用者のシステムと連動し、システムに提出される全ての提出物を自動で類似度チェックをするソリューションです。
CopyMonitorホームページ:www.copymonitor.jp
*参考サイト
教育総合研究所コアネット
https://core-net.net/keywords/kw005/
教育トレンドブログ
https://moshibenben.com/samr/
経済産業省「地域社会のDXに向けて」https://www.meti.go.jp/shingikai/sme_chiiki/smart_strong/pdf/002_03_00.pdf
朝日インタラクティブ株式会社
Study Lab「 政府も推進する【大学のDX】! デジタル活用で大学の学習環境はどう変わる?」
https://studyu.jp/feature/select/dx2/
ScanNetSecurity
「 教育機関デジタル化実態調査、オンライン学習に潜むサイバー不正行為に警鐘」
https://scan.netsecurity.ne.jp/article/2021/10/15/46456.html
**引用サイト
MDPI(スイスオンライン学術誌出版研究所)
「 Avoiding the Dark Side of Digital Transformation in Teaching. An Institutional Reference Framework for eLearning in Higher Education」
https://www.mdpi.com/2071-1050/13/4/2023