繊細な子ども「HSC」は、5人に1人。

特性のチェックリスト、寄り添う心構えを確認しよう

(執筆:SOCIO編集部 林幸奈)

子どもが学校や友だちになじめない、なじむのに時間がかかる。音や光、肌触りなど、自分が気づかないほどの刺激にも敏感だ。外出しても、人混みなどで疲れて楽しめないらしい。辛そうな子どもを見て、「ストレスがあるのか」「親の育て方が悪いのかも……」と、考える人もいるかもしれません。こんな心配はありませんか?

・感情反応が激しい(表現や体調に出やすい)
・新しい人や環境に、適応するのに時間がかかる
・洋服のタグなど、小さな刺激にも敏感
・人に気を使う、相手の気持ちを推測する
・こだわりや好き嫌いが多い など

刺激に敏感で、時に感情的。本人しか気づかないことが多く、アイデアが独創的など、少し変わっている印象もある。そんな子どもは、HSC(Highly Sensitive Child)の気質があるのかもしれません。

育った環境に関わらず、5人に1人はHSC(HSP)の気質があるとされています。繊細な子どもは、刺激的な毎日に疲れ、悩んでいるかもしれません。チェックリストで特性を知り、寄り添っていくための心構えを考えていきましょう。

 


特性を理解する、HSCチェックリスト

HSCとは、生まれもった性格であり、人いちばい敏感なHSP(Highly Sensitive Person)気質のある子どもを指します。HSPを提唱したエレイン・N・アーロン博士の書籍では、チェックリストが提案されています。

HSCチェックリスト
(子どもについて「はい・いいえ」で答え、「はい」がいくつか数えます)

・すぐにびっくりする
・服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
・驚かされるのが苦手である
・しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある
・親の心を読む
・年齢の割りに難しい言葉を使う
・いつもと違う臭いに気づく
・ユーモアのセンスがある
・直感力に優れている
・興奮したあとはなかなか寝つけない
・大きな変化にうまく適応できない
・たくさんのことを質問する
・服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
・完璧主義である
・誰かがつらい思いをしていることに気づく
・静かに遊ぶのを好む
・考えさせられる深い質問をする
・痛みに敏感である
・うるさい場所を嫌がる
・細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく
・石橋をたたいて渡る
・人前で発表する時には、知っている人だけのほうがうまくいく
・物事を深く考える

引用:ひといちばい敏感な子 子どもたちは、パレットに並んだ絵の具のように、さまざまな個性を持っている
著者:エレイン・N・アーロン
訳者:明橋大二
発行所:株式会社1万年堂出版(2015年)

「はい」が13個以上だった、もしくは強く同意できる項目がある場合、HSCだとされています。内向的なイメージのあるHSPと違って、夜泣きや感情表現が激しいなど、一見内向的でない子どもも、HSCである可能性があります。いくつ当てはまるかより、どんな特性をもっているかを重視してみてください。

「気にしなくていい」ではなく、刺激のない環境を

繊細なHSCにとって、さまざまな人がいて、たくさんのことをやらねばならない学校などの集団行動は、刺激的で疲れる環境です。しかし周囲からの理解が得られにくく、「みんなと同じようにできないなんて、努力が足りない」などと言われるケースも見られます。実際に、学校に行きたくない・行けないと感じ、不登校になるHSCもいます。

「小さなことは気にしなくていい」「子どもがなにを言っているんだ」と繊細さを否定してしまうと、子どもは自信を失っていくでしょう。小さな刺激を見逃せないHSCは、「気にしない」ことができないため、苦手な刺激の少ない環境をつくっていく必要があります。

・刺激を避けるための工夫
・どんな刺激が苦手か、疲れに規則性がないかを見る
・ストレスを物理的に取り除く(カーテンで遮光するなど)
・体調や気候の変化に気をつける
・できること・できないことを明確にする
・さまざまなことに時間がかかっても、見守る
・大人が動揺せず、落ち着いた態度を見せる など

またHSCは困難が多いようにも見えますが、高い集中力・豊かな想像力・深い思考など、繊細だからこそもっている強みもあります。得意な分野を認めて、活かせる環境をつくることで、得意なことを伸ばし、自信につながるでしょう。

大人が特性を理解し、味方でいることは、HSCにとっても自信につながります。またHSCであっても、子どもによって苦手なもの・得意なことは異なります。「HSCだからこうだ」とカテゴライズしすぎることなく、個性に寄り添う心をもちましょう。

HSCの相談・交流できる場所があります

HSC(HSP)は病気ではありませんが、生活の中で困難がある場合、カウンセリングなどを通じて、特性とうまくつきあっていくこともできます。セミナーなどの知識が得られる場所や、相談できる場所も心強い存在です。

ペガサスでは、「フリースクール」「学校生活に関する相談・HSC講座」を行なっています。千葉市内の在籍校と連携協議を進めているため、学校に行くのが難しくなったHSCも、在籍校の判断で出席扱いとなります。HSCの学習機会をつくり、周囲の大人も相談ができる場所です。

NPO法人千葉こども家庭支援センター フリースクールペガサス
〒260-0021
千葉県千葉市中央区新宿1-4-10 シーガル新宿ビル4F
070-5361-8889

NPO法人寺子屋ひゅっげでは、HSC(HSP)本人や家族、周囲の大人を支援するため、「ワークショップ」「講演会」「カウンセリング」などを実施しています。ワークショップは運動からアートまで幅広く、講演会では心理学などの専門的な知識からHSCを見つめられます。お寺の落ち着く雰囲気も、HSCの安らぎになりそうです。

特性を理解してくれる人がいる、学校以外にコミュニティがあることは、自信や安心につながります。「HSCの特性があるかも」と感じたら、相談や交流ができる場を探してみるのもよいですね。

まだなじみの薄いHSC。しかし、多くの子どもが悩んでいます。似た悩みをもつ人が集まる場所も利用しながら「この子はどんなことで、どうして悩んでいるのだろう?」と寄り添い、考える大人が増えることを願います。

この記事のまとめ

■ 5人に1人は、人より繊細なHSC(HSP)の気質をもっている

■ 刺激に敏感で、周囲や学校に馴染めない、理解されないことも多い

■ 苦手な刺激が少ない環境をつくっていく必要がある

■ HSCのための相談やフリースクール、セミナーを行う団体がある

■ 個人の特性に寄り添い、大人も一緒に考えていくことが大切

 

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