都内の立地相談窓口「東京都企業立地相談センター」より、新時代の調剤薬局事業に取り組んでいる「株式会社 薬zaiko」の企業コンテンツを公開しました
~アレルギー患者向けに情報と薬を届けるサービス「ALLERU(アレル)」も展開している企業を紹介します~
都内の「物件情報+支援制度」をまとめて探せる東京都の相談窓口「東京都企業立地相談センター」は、オンライン服薬指導に加え、アレルギー患者向けに情報と薬を届けるサービス「ALLERU(アレル)」も展開している株式会社 薬zaiko(所在地:東京都足立区、代表取締役 海老沼 徹)に取材を行い、企業情報を2023年8月22日にホームページに公開しました。
■原動力は「足立区愛」。次世代向けサービスを築くオンライン薬局
コロナ禍を経て、オンラインや電話での診療が普及したことに伴い、薬剤師による「オンライン服薬指導」も耳にする機会が増えています。これは、スマートフォンやパソコンなどのビデオ通話で薬剤師から処方薬の説明が受けられ、自宅まで薬を配送してもらえるサービスのこと。患者はほかの人を気にすることなく、安心して薬剤師に体調や症状を説明できるうえ、薬局で薬を受け取る待ち時間を節約することもできます。
東京都足立区の株式会社 薬 zaikoは、このオンライン服薬指導に加え、アレルギー患者向けに情報と薬を届けるサービス「ALLERU(アレル)」も展開。2022年5月には、第三者承継を経て足立いつき薬局も開業し、カウンターでも地元の患者を中心に服薬指導を続けています。
代表取締役の海老沼 徹 氏は、大手製薬会社の営業やMBAで学んだ経験を活かして前述の事業に臨んでおり、その優れたビジネスプランは国や足立区から表彰されました。
新時代の調剤薬局事業に取り組む海老沼氏に、起業までの経緯や展望などをお聞きしました。
■アレルギー症状に苦しんだ経験が薬剤ビジネスへ向かわせた
まずは起業までの経緯を振り返っていただきました。
「原点は、子どもの頃に自身がアトピー性皮膚炎や喘息などアレルギー症状に悩まされた経験です。その時に飲んでいた薬に興味を持ち、大学の薬学部に進学しました。幸いなことに年齢を経るにつれて私の症状は改善していったのですが、将来は自分と同様にアレルギーに苦しむ人たちの手助けをしようと、グラクソ・スミスクラインに入社。4年目で、日本2位の営業成績を収めるまでになりました。アレルギーに悩む患者の役に立っていると実感でき、会社員生活は充実していました」
ただ、海老沼氏の営業手法はあくまで「患者ファースト」で、そちらが適していると判断すれば、競合他社の薬を医師に勧めることも。上司から注意を受けることが増え、自身のキャリアに迷いが生じたそうです。
「そこで、経営コンサル企業に転職しようとしたのですが『あなたはロジカルシンキングがないから、この仕事は向いていない』と言われ、大きなショックを受けました。そこでMBA取得を目指して、ビジネススクールでロジカルシンキングのクラスを受講。在籍中にたまたまコンテストに出した『調剤薬局の不良在庫を解消するビジネスプラン』が決勝まで残り、メンターだったゼロワンブースター・加藤剛広氏の熱量にも突き動かされ、調剤薬局を軸としたビジネスのスタートアップを考えるようになったのです」
■第三者承継を検討する薬局が多い足立区だから理想的な創業地に
起業するなら、生まれ育った地元の東京都足立区内に決めていたとのこと。
「製薬会社時代の地方勤務で足立区出身と話すと、足立区に対して何やらネガティブな印象を持つ人もいることに気が付いて。しかし私にいわせれば人情味豊かで暮らしやすい、最高の土地です。自分の資格やスキルを活かし、薬を軸にした仕事で恩返しをしたい――足立区外での起業はあり得ない選択でした」
医師からの処方箋があってはじめて患者が薬局に来るため、薬局は病院、クリニックと近い立地であることが一般的です。海老沼氏は、足立区内の後継者を探しているほぼすべての個人経営薬局、およそ200店にアプローチ。紆余曲折を経て、現在の足立いつき薬局の前身となる、しまね薬局を第三者承継しました。
「まったくの白紙から薬局を開店させようとすると時間もコストもかかり過ぎ、ビジネスが軌道に乗るまで時間がかかってしまうため、第三者による事業承継という手段を選びました。足立区は人口が多く、それに比例して薬局も多いため、承継を持ちかける候補先は豊富でした。その意味でも、足立区は私にとって創業の適地だったのです」
同時に、LINEを活用して、アレルギー患者向けに情報と薬を届けるオンラインサービス「ALLERU(アレル)」をリリース。このサービスで、経済産業省・日本貿易振興機構(JETRO)主催「始動 Next Innovator 2021(グローバル起業家等育成プログラム)」に応募したところ、米国シリコンバレー・プログラム選抜メンバーの中で全体2位に選ばれました。さらに、足立区「創業プランコンテスト」においても最優秀賞を獲得したのです。
「このように第三者から高い評価をいただけたことは、会社のPRはもちろん、採用活動にも好影響を与えています。また、講演やセミナーに招かれることも増えて、協業先を増やす機会も得ることができました。当社は、ALLERUに加えて、オンライン服薬指導も行っていて、私自ら近隣の患者宅を回って薬を届けることも多いのですが、足立区のコンテストで最優秀賞を受賞した後には『足立区の広報誌を読んだわよ、あなた、すごい人だったのね!』とお褒めに預かることも。薬をご自宅まで届けるサービスは非常に感謝されることが多く、起業前の想いだった“足立区への恩返し”が実践できているなと感じるシーンが多いですね」
■ 足立、東京立地のメリット~多様で優れた人材、学び・発信の場の宝庫
最後に、足立区、東京都の優位性をお聞きしました。
「前述したように、私の場合は事業承継を検討する薬局の多さが、起業には非常に有利に働きました。今後は足立区内で新たに薬局の第三者承継を行い、総計8店舗くらいまで増やしたいと考えています。足立いつき薬局のここまでの順調な経営実績があり、区内の調剤薬局の間では知名度も向上していますので、初めての事業承継のときよりはスムーズに進められると期待しています。また、足立区主催のビジネスコンテストでの受賞やビジネススクールでの人的ネットワークなども何か新しいことを始める時には大きなアドバンテージになりますね。さらに、東京都の商工会議所に所属している中小企業診断士の石井先生にも、多くの的確なアドバイスをいただいております。多種多様な優れた人材に恵まれているのは東京ならではだと感じています」
また、海老沼氏は、かつて受講した足立区主催の独立起業セミナーを通じて知り合った区内在住の起業家、およそ150人とコミュニティも結成。有意義な情報交換ができるのはもちろん、いずれも「足立区愛」の強い人が多く刺激をもらうこともあり、モチベーション向上にもつながっているとのこと。そして近い将来には、新たなビジネスモデルも実現したいと話します。
「会社名の『薬zaiko』にも込めているのですが、薬の在庫センター、つまり薬に特化した配送センターを足立区内につくりたいと思っています。自社の調剤薬局ネットワークに向けて、近隣の配送センターから薬を届けられれば、時間、コストが大幅に削減され、なおかつ安定的な薬剤の確保にもつながるでしょう。私は、今後自社の薬局を他の薬局と差別化し、生き残らせていくためには、物流で差をつけることがカギになると考えています。いまから3~5年以内には実現したいと思っています」
■企業概要・お問い合わせ先
会社名: 株式会社 薬zaiko
店舗名: 足立いつき薬局
住所:東京都足立区島根2-17-1
代表者:代表取締役 海老沼 徹
設立:2021年(令和3年)2月16日
事業内容:調剤薬局事業/医療情報事業
ホームページ:https://adachi-itsuki-pharmacy.com/
ALLERU アレル ツラいのはひとりじゃない:https://alleru.com/
■情報配信元
東京都企業立地相談センター 担当秋山
住所:東京都江東区東陽2-4-24 サスセンター1F
電話番号:03-6803-6280
E-mail:4909@ilsc.tokyo
ホームページ:https://ilsc.tokyo/
■東京都企業立地相談センターとは
企業や個人事業者様を対象に創業や事業拡大する「場所」探しのご相談を不動産専門アドバイザーが無料で承っております。ご希望条件をお伺いし、事務所、店舗、工場、事業用地などを取り扱う民間不動産事業者に一斉照会いたします。
その他、都や都内区市町村の公的物件情報や支援制度もご案内しております。
(東京都企業立地相談センターは東京都産業労働局が運営しております。)
■記事掲載
東京都内に立地し活躍されている企業様や区市町村の企業支援担当者へインタビュー記事を東京都企業立地相談センターホームページに掲載しております。
ページURL:https://ilsc.tokyo/voice/034.html