ラインケアとは?職場のメンタルヘルス対策は管理職が鍵!その役割と取り組みについて精神保健福祉士が解説

ヴェリタスジャパン、「産業医ラボ.com」コラム更新のお知らせ

 産業医と企業をマッチングするサービス展開するなど、企業のヘルスケアをサポートする産業医ラボ.comを運営する株式会社Veritas Japan(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:中川隆太郎、以下産業医ラボ.com)は、「企業の管理監督者が行うラインケア」について当社専属の精神保健福祉士がご紹介するコラムを更新しましたのでお知らせいたします。

 コロナ禍の今、今までよりも様々な不安を抱えながら働く方が多いのではないでしょうか。厚生労働省では、メンタルヘルスケア対策のひとつとして「ラインケア」を挙げています。ラインケアってどんなもの?どう取り組むべきなのかなど「職場管理者のラインケア対策」について当社専属の精神保健福祉士がご紹介いたします。


■ラインケアとは

 ラインケアとは企業の管理監督者が主体となり、職場環境などの把握と改善、労働者からの相談対応などを行っていく職場のメンタルヘルス対策のひとつです。あらゆるストレスによりメンタル不調者が増加している昨今、従業員に直接接する機会の多い管理職は、職場のメンタルヘルス対策において重要な立場にあります。


■ラインケアは職場におけるメンタルヘルスケア対策としての「4つのケア」のひとつ

 厚生労働省は『労働者の心の健康の保持増進のための指針』において、職場におけるメンタルヘルスケア対策として「4つのケア」が重要であると公表しています。


①セルフケア

従業員自身がメンタルヘルスについて学び、自身のストレスに気付き、適切な対処ができようにする対策

②ラインケア

職場の管理監督者が主体となり、職場環境の把握・改善の実施や、労働者からの相談対応を行い、上司が部下の心のケアをする対策

③事業場内産業保健スタッフ等によるケア

人事担当者や産業医、衛生管理者や保健師などが主体となり、セルフケア及びラインケアが効果的に実施されるように、労働者及び管理監督者に対するメンタルヘルス対策

④事業場外資源によるケア

精神科医やカウンセラーなどの第三者の専門機関と連携して支援を受ける対策


メンタルヘルス対策は組織的に取り組んでいくことが大切です。そのために企業側は管理監督者や産業保健スタッフへ適切な情報提供を行う必要があります。

出典:厚生労働省 労働者の心の健康の保持増進のための指針
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000153859.pdf


■ラインケアの具体的な取り組み

●ちょっとした変化にいち早く気づく

ラインケアで大切なのは、部下のちょっとした「いつもとの違い」にいち早く気づくことです。そのためには、日頃から部下とコミュニケーションを取り、自分の部下の行動や人間関係などに気を配っておくことが大事です。

〈メンタル不調の変化〉

・遅刻、早退、欠勤が増える。無断欠勤は要注意です。
・仕事の報告や連絡が滞る、職場での会話が減る、もしくは多弁になる。
・表情やあいさつの活気がなくなる。さらに服装や身だしなみが不潔な状態や乱れた状態になる。
・不自然な行動やミス、事故が目立つようになる。

●部下が悩みを気軽に相談できる環境づくり

部下が自分のメンタル不調に気づいたときに、気軽に相談できる環境が必要です。そのためには、日頃からコミュニケーションを取り気軽に相談できる関係性を築いておきましょう。話しを聴く際は、きちんと時間を作り、部下の言葉を批判したりせず最後まで聴くことが大切です。
さらに相談者が産業医等への相談に対して抵抗がある場合は、上司が「自分が代理で相談していいか」を部下に確認してみましょう。了承が得られれば、管理監督者自身が産業医に直接相談し、得られたアドバイスに従って対応していきます。

●メンタルヘルス不調による休職者への職場復帰支援

メンタルヘルス不調によって休職した従業員が職場に復帰する際の支援・サポートも管理監督者の役割です。復帰する際には、できるだけストレス要因をなくし、職場での心的サポートや業務負荷の調整、周囲への理解と対応などが不可欠です。

●職場環境の現状把握と改善

職場環境によるストレスは、本人の健康状態だけでなく、職場全体の業務や生産性にも悪影響をもたらす可能性があります。そのため管理監督者は職場環境の現状を把握し、問題があれば改善していく体制を整え、組織として職場環境のストレス要因を取り除いていく努力が必要です。

●個人情報保護への配慮

メンタルヘルスに関する問題は、特に個人情報保護に配慮する必要があります。管理監督者は、部下の健康情報を含む個人情報の保護及び部下の意思の尊重に努めなければなりません。さらに管理監督者は、部下から知り得た情報を本人の同意を得ることなく活用したり、外部に漏らしたりしてはいけません。



■まとめ

 ラインケアは、企業の健康経営において最も重要なメンタルヘルス対策です。従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことによって、職場の生産性を低下させるだけでなく、積極的に行うことで向上させることに繋がるからです。けれどラインケアにおける管理監督者の役割は大きいため1人ですべてを抱え込まずに事業場内の産業保健スタッフや事業場外資源を活用することが重要です。




■ 執筆 ■
大澤 海実(おおさわ あみ)
株式会社ヴェリタスジャパン 産業医ラボ.com専属精神保健福祉士

入社前は精神科のクリニックにてAC(アダルトチルドレン)やaddiction(依存症)の患者を対象に数多くの生活相談を受ける。
現在は、当運営会社 株式会社ヴェリタスジャパンに入社し、産業医ラボ.comの専属精神保健福祉士として活躍している。
主に従業員・一般個人のメンタルヘルス相談やストレスチェックに関する企業へのサポート業務を担当。

「大澤先生の一問一答」
https://sangyouilabo.com/category/qanda/


Veritas Japan 会社概要

・ 会社名:株式会社 Veritas Japan
・ 代表者:代表取締役 中川隆太郎
・ 所在地:〒231-0015 横浜市中区尾上町 6 丁目 87 番地 3 産経横浜ビル3階
・ 事業内容:産業医紹介、メンタルヘルス対策、医療コンサルタント事業 他
・ 公式HP:https://www.corivapartners.com/field-veritasjapan



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