頻発する地震、被災地での迅速な医療対応の備えが重要  能登半島地震で活躍の医療コンテナが名古屋ウィメンズマラソンに

愛知県の救急医療を支える愛知医科大学 救命救急科/愛知医科大学病院 高度救命救急センター(愛知県長久手市、センター長:渡邉 栄三)は、能登半島地震の医療ニーズにも対応した医療コンテナを、3月10日開催の名古屋ウィメンズマラソン2024の救護所として設置します。

輪島市門前保健センターに設置の様子
コンテナ内部

巨大地震を経験し、次なる災害に備えて

元日の能登半島地震発災から2ヵ月が経過した現在も、各地で地震が頻発しています。今後30年以内に発生する確率は70~80%と言われる南海トラフ巨大地震での被害は死者32万人・負傷者62万人になると想定されています。能登半島地震でも道路の寸断や停電、断水などが同時に発生し、被災者が必要な医療を受けられずに、避難所をはじめ多くの場所で医療問題が浮き彫りになりました。能登半島地震を経験したからこそ、この先想定される災害に備え、一人でも多くの人命を守るための備えが必要です。

能登半島地震の被災地で活動

愛知医科大学病院ではコンテナ医療ユニット(Container Medical Unit)『CoMU(コミュー)』2台を導入しており、能登半島地震の被災地で医療ニーズに対応しました。元日に発生した地震の被害が明らかになるにつれ、切迫した医療ニーズが判明し、厚生労働省の依頼で1月7日に能登へ向かいました。可搬式のコンテナだからこその機動性ゆえに、3月5日に帰還するまでの間の約2か月間、被災地内3か所(穴水総合病院、珠洲市総合病院、輪島市門前保健センター)を移動し活動しました。

医療コンテナ『CoMU』は、平時は発熱患者の診察にあたり新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ砦となり、非常時には医療スタッフとともに発生地などに移動できます。また、イベントの救護所として医療ニーズに対応でき、昨年豊田市で開催されたフォーラムエイト・ラリージャパン2024でも救護所として設置し、医療物資を運ぶドローンと共同で、日本初の災害時における活用の実証実験が行われました。

医療コンテナが名古屋ウィメンズマラソン2024救護所に

医療コンテナの活用は災害時の活用はもちろんのこと、平時の活用にイベントの救護所としても重要な役割を果たします。テントのような救護所との違いは、エアコンが完備されており外気温に左右されず、プライバシーが確保されている点です。また、医療設備があらかじめ備わっており、機動性に優れているためそのまま移動が可能です。女性が多く出走する名古屋ウィメンズマラソン2024では特にプライバシーの確保は重要なポイントです。

センター長 渡邉のコメント「『CoMU』はウィズコロナ時代に、感染対策を十分行いながら安全かつ静粛性の優れた快適な環境で診察ができる診察室です。また、受診される方にとってはプライバシーも保てる快適な環境で受診ができるユニットです。機動性が高いので有事の時には災害現場にも速やかに移動できますが、費用面の問題もあり、平時での運用や実装訓練で認知度を高め、世の中に広めておくことが重要です」

《医療コンテナCoMU主な仕様》
・20ft背高コンテナ 2台(外形概略寸法:約W6m×D2.4m×H2.9m)
 コンテナA:診療室(発電機、後方昇降リフト)搭載/コンテナB:診療室
・感染症対策対応空調換気システム(陰圧制御仕様) へパフィルター吹出方式
・室内温・湿度制御範囲:16-28℃/RH40-80%

《医療コンテナCoMU名古屋ウィメンズマラソン救護所概要》
活動日 :令和6年3月10日(日) ※名古屋ウィメンズマラソン運営時間内
設置場所:バンテリンドーム ナゴヤ 北駐車場

《教室概要》
愛知医科大学病院 高度救命救急センター
所在地  : 〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1-1
URL    : https://aichi-med-u.com/

穴水総合病院に設置の様子
大学病院から輪島へ出発の様子
大学病院に設置中の様子
ドローンとの実証実験の様子
被災地で活動中の様子
大学病院で患者対応の様子
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