絶滅危惧種ニッポンバラタナゴの生態系保全に配慮して栽培された奈良産の農産物を「ぺたきんの恵み」ブランドとして認証

ニッポンバラタナゴ(ペタキン)(左)、「ぺたきんの恵み」認証を受けた農産物(右)
ニッポンバラタナゴ(ペタキン)(左)、「ぺたきんの恵み」認証を受けた農産物(右)

近畿大学農学部(奈良県奈良市)環境管理学科水圏生態学研究室は、絶滅危惧種の淡水魚「ニッポンバラタナゴ」の奈良県内の個体群(地方名:ペタキン)の保護活動に取り組んでいます。
同研究室の学生を中心に結成した任意団体「灯と奈菜(ひとなな)」(顧問:環境管理学科准教授 北川 忠生)は、ペタキンとその生態系を保全しながら環境に配慮して栽培された農産物を「ぺたきんの恵み」ブランドとして認証する制度を立ち上げました。これは、農林水産省が推奨する「生きものマーク(生物多様性に配慮した農林水産業の実施と、産物等を活用してのコミュニケーション)」の取り組みとして行うものです。
令和3年(2021年)11月12日(金)から、「ぺたきんの恵み」ブランドとして認証された農産物が、奈良市内の飲食店4店舗にて提供開始されます。

【本件のポイント】
●ペタキンの生態系を保全しながら農産物を栽培していることを認証する制度を学生団体が設立
●奈良市内の飲食店4店舗で、「ぺたきんの恵み」ブランドとして認証された農産物を提供開始
●認証制度を広めることで、健全な里山環境とペタキンの恒久的な生息環境の維持をめざす

【本件の内容】
生物多様性の保全に配慮して生産された農林水産物であることを、地域の代表的な、または身近な生き物等を通じてアピールする「生き物マーク」という取り組みが、農林水産省推奨のもと全国各地で始まっています。
近畿大学農学部の学生任意団体「灯と奈菜(ひとなな)」は、この「生き物マーク」の取り組みを、絶滅危惧種であるニッポンバラタナゴ(ペタキン)の保護活動に生かすため、ペタキンとその生態系を保全しながら農産物を栽培していることを示す「ぺたきんの恵み」認証制度を立ち上げました。「ぺたきんの恵み」ブランドとして認証を受けた米や野菜などの農作物の販売等を通じて、広く一般にもペタキンの保護活動をPRし、健全な里山環境とペタキンの恒久的な生息環境の維持をめざします。
令和3年(2021年)10月から認証を開始しており、11月12日(金)から奈良市内飲食店4店舗にて、「ぺたきんの恵み」ブランドの農作物を使用したメニューの提供が開始されます。

【「ぺたきんの恵み」認証制度】
近畿大学奈良キャンパスおよび奈良市高樋町の里山環境を利用して作られたビオトープに生息するペタキンとその生態系を保全するため、周辺の農地で環境に配慮しながら栽培された農産物を「ぺたきんの恵み」ブランドとして認証します。「ぺたきんの恵み」認証を受けた農産物は、安心安全であるだけでなく、消費者がこの商品を選ぶことで間接的に生物多様性保全に貢献できるという特徴があります。
認証を行う専門委員として、保全生物学を専門とする近畿大学農学部環境管理学科准教授 北川 忠生、NPO法人清澄の村代表で自然農法の実践と第6次産業を展開している三浦 雅之氏、環境政策学を専門とする近畿大学農学部環境管理学科教授 鶴田 格が審査にあたります。

【「ぺたきんの恵み」ブランド農産物提供店】
<清澄の里 粟>
(奈良市高樋町861)
「清澄の里」で育まれた奈良の伝統野菜である大和野菜の料理を中心に、田園風景のなかで食事が楽しめます。
サイトURL:https://www.kiyosumi.jp/kiyosuminosato

<粟 ならまち店>
(奈良市勝南院町1)
築140年の町屋を改装した、ならまち古民家の落ち着いた雰囲気のなか、大和野菜に加え奈良県産の大和牛や地酒なども楽しめます。
サイトURL:https://www.kiyosumi.jp/naramachiten

<大和野菜 イタリアン料理店Natura>
(奈良市学園北1丁目14-5 モンテクール学園前1F)
大和野菜を中心に、地産地消でこだわりのある新鮮な食材をたっぷりと使ったイタリアン料理の店。「ぺたきんの恵み」ブランドを使用したオリジナルメニューを期間限定で提供。
サイトURL:https://www.yamatoyasai-natura.jp

<中國菜 奈良町 枸杞>
(奈良市紀寺町913-2)
自家栽培の中国野菜と大和伝統野菜を使用し、化学調味料を使わない四川・広東料理を提供。趣のある奈良町家にて五感で料理を楽しめるお店です。
Instagram:https://www.instagram.com/kuko_naramachi/?hl=ja

【本件の背景】
近畿大学農学部環境管理学科は、平成17年(2005年)に、当時奈良県においては絶滅したと考えられていたニッポンバラタナゴの個体群が奈良公園に残存していることを30年ぶりに発見しました。現在でも、生息池の環境改善や近畿大学での系統保存などの保全活動を継続して行っています。
ニッポンバラタナゴとは、コイ科タナゴ亜科に属する日本固有の淡水魚で、繁殖期のオスは七色に美しく輝く体色をしています。環境省のレッドリストでは、最も絶滅のリスクが高いとされる絶滅危惧IA類に掲載されており、奈良県版レッドデータブックでは、人間の管理下のみに生息する「野性絶滅種」に掲載され、奈良県特定希少野生動植物の指定を受けて保護されています。奈良県では「ペタキン」という呼称で知られています。

【関連リンク】
農学部 環境管理学科 准教授 北川 忠生(キタガワ タダオ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/890-kitagawa-tadao.html
農学部 環境管理学科 教授 鶴田 格(ツルタ タダス)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/14-tsuruta-tadasu.html

農学部
https://www.kindai.ac.jp/agriculture/


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