「別府観光の父」を描く長編『万事オーライ』を発売 コロナ禍の新聞連載に「励まされる」の声続々

株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2021年8月21日に『万事オーライ――別府温泉を日本一にした男』(植松三十里著・税込2,090円)を発売します。本書は、明治から昭和初期の大分県別府を舞台に、世界中から旅行客がやってくる温泉観光地事業に奮闘した油屋熊八の半生を描く実話小説です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で旅行や帰省がままならず、観光産業も危機的状況が続く世の中に、地元で愛され続ける「別府観光の父」の破天荒な生き方と熱い思いを届けます。

植松三十里著『万事オーライ』表紙
植松三十里著『万事オーライ』表紙

エール、共感など反響大の新聞連載を書籍化

『万事オーライ』は、2020年5月から2021年5月にわたって『大分合同新聞』『陸奥新報』『愛媛新聞』に順次連載された新聞小説を書籍化したものです。著者の植松三十里氏は、新田次郎文学賞や中山義秀賞の受賞作家で、津田梅子や貞明皇后、重光葵など、知っているようで意外と知らない偉人に光を当てた評伝小説に定評があります。大分の名士である油屋熊八に注目したのは、そのユニークな発想とパワフルな活動に興味を抱いたからだそうです。コロナ禍真っ只中に開始した連載でしたが、著者のもとには、様々な困難に遭うも「万事オーライ(大丈夫)」の心意気で夢に向かっていく熊八や、それを支える妻ユキ、助け合う仲間たちの物語に「励まされる」「共感した」「ぜひ別府に行きたい」などの声が寄せられました。

あらすじ

明治維新の五年前、四国の宇和島に生まれた油屋熊八は、大阪で経済記者をするかたわら株で大儲けし、一時は「油屋将軍」と呼ばれるほどだった。だが日清日露の戦争後に読みを誤り、財産を失う。妻のユキの助けもあり、熊八は再起を懸けてアメリカへ行くも、思うような成果は得られなかった。しかし、四十八歳で大分県別府で宿屋を始めたときから、熊八の第二の人生は始まった。これまで日本になかったような温泉観光地を――地元の反対、資金不足など、様々な困難に出合うも、仲間や妻とともに別府を日本一の温泉地へと導く。

100年前に「別府をハワイのようにする」と決意

油屋熊八の夢は、別府をハワイのような国際リゾート地にすること。「旅人をねんごろにせよ」という聖書の言葉をモットーに、斬新なアイデアで別府に旅行客を呼び込み、滞在客をもてなしました。今も銅像となって別府駅前に立ち、笑顔で乗客を出迎えています。

熊八の主なアイデア

◎「日本新八景」ハガキ作戦で温泉部門日本一
◎「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」の宣伝文を記した標柱を、富士山頂に立てる
◎外国製バスを導入した「地獄めぐり」ツアー
◎日本初のバスガイド(少女車掌)を採用
◎飛行艇をチャーターして空の上からビラ配り ほか

『万事オーライ』について

著者

植松三十里(うえまつ みどり)
静岡市出身。東京女子大学史学科卒業後、婦人画報社勤務、七年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務、フリーランスのライターなどを経て作家に。2003年『桑港にて』で歴史文学賞受賞。2009年『群青 日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞、『彫残二人』(文庫化時に「命の版木」へ改題)で中山義秀文学賞を受賞。

取材でたまたま訪れた別府駅前で出会ったユニークな銅像が、「ピカピカのおじさん」こと油屋熊八さん。その瞬間「この人を描きたい」と思いました。今、こんな世の中の閉塞感を打破できるのは、油屋熊八のような存在かもしれません。この作品を通じて熊八のパワーを感じ、元気な気持ちになっていただけたら、こんなにうれしいことはありません。

書誌情報

タイトル:万事オーライ
サブタイトル:別府温泉を日本一にした男
著者:植松三十里
判型:四六判上製/384ページ
税込価格:2,090円
発売日:2021年8月21日
ISBN:978-4-569-84984-3
発行:株式会社PHP研究所
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-84984-3


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