ミイダスHRサイエンス研究所の学術論文が国際会議「IEEE DSAA」にて採択
~国立情報学研究所とミイダスが「職業キャリアのグラフ表現を用いた仕事推薦」を共同研究。転職希望者の職種を跨いだキャリアチェンジの実現可能性を提示し、新たなチャレンジを応援~
論文採択のお知らせ
ミイダス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:後藤 喜悦、以下ミイダス)のHRサイエンス研究所と国立情報学研究所(本部:東京都千代田区、所長:喜連川優、以下、NII)が実施した研究成果として、「職業キャリアのグラフ表現を用いた仕事推薦」(原題:Job Recommendation with Carrer Graphs)の論文が、データサイエンスの産業応用にかかわる国際会議 The 8th IEEE International Conference on Data Science and Advanced Analytics (DSAA 2021) のindustry trackに採択されたことをお知らせいたします。
DSAAは、学術と産業応用の間に立つトップクラスの国際会議であり、CORE Rankings Portal(CORE Inc)で「A」にランクされています。第8回目となる2021年の会議は2021年10月6日から9日までの開催予定となっており、新型コロナウイルスの影響を受け、オンラインで開催される予定です。
研究背景
現在の転職市場では前職での経験やスキルが求められることが多く、自身が現在就業している職種や業界以外でキャリアを積むことを想像するのは難しいとされています。
しかし今後、社会・経済環境や技術革新の大きな変化の中で、自身の能力を活かして企業や業界、職種を横断したキャリア形成が、ますます求められていくと考えられます。
ミイダスは転職希望者が本来持ち合わせている能力や適性など、その人が活躍できるポテンシャルや可能性を見い出すことで、過去の経験や年齢、性別、学歴などに囚われることなく新しいキャリアへのチャレンジができると考えています。
本研究では、ミイダスが保有する膨大なキャリアに関するデータを分析し、未経験の職種であっても転職できる可能性のある職業を提示することで、転職希望者のキャリアの幅を広げることができると考え取り組んでいます。今回の国際会議での採択により、開発した予測アルゴリズムを転職にかかわる実データに適用した、世界でもユニークな研究として認められました。
論文概要
本研究は、ミイダスのHRサイエンス研究所の谷田裕樹、鹿内学、大羽成征とNIIの情報学プリンシプル研究系 杉山 麿人 准教授が共同でおこないました。
採択された論文「Job Recommendation with Carrer Graphs 」では、個人の職業キャリアを一種のネットワークとみなし、職業グラフ(Career Graph)として表現し、Weisfeiler-Lehmanグラフカーネルと呼ばれる手法を用いた予測アルゴリズムを開発しました。また、最適輸送法(Optimal transport)とよばれる方法を応用して、職業カテゴリの類似性を考慮するアルゴリズムを採用しました。これにより、業界や職種をまたいだとしても、データに基づき転職できる可能性のある仕事を予測することができます。これら一連のアルゴリズムを実際の転職データに適用した初めての研究になります。研究では、単に前職と同じ職業についた場合や職業キャリアのグラフ構造を考慮しない場合のアルゴリズムなどと予測精度を比較し、提案手法の精度が高いことも示しました。
この研究成果の一部は、すでにミイダスのサービスに組み込まれており、転職候補者が職業を選ぶ時の参考情報として提供されています。
HRサイエンス研究所について
HRサイエンス研究所は「データの科学」と「人の科学」を両輪として研究を遂行し、「ミイダス」を通じて、価値を提案していくための組織として創設されました。
「データの科学」では、「ミイダス」が保有する膨大なデータを活用し、顧みられることのなかった新しいキャリア・はたらき方・仕事を明らかにします。同時に、重要性を増している個人のプライバシー保護、企業の採用戦略を守るセキュリティ、そしてデータ活用の公平性を検討し、安全に安心して利用できるサービスを開発チームに提言します。
また「人の科学」では心理学や脳科学などを用いた行動計測やVRによる測定など新しい計測技術を活用し、自身では気づくことができなかった適性や能力を見い出す研究を行なっています。
国立情報学研究所(NII)について
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究(NII)は、情報学という新しい学術分野での「末来価値創成」を使命とする国内唯一の学術総合研究所です。情報学における基礎論から、人工知能、ビッグデータ、IoT(Internet of Things)、情報セキュリティといった最先端のテーマまで、長期的な視点に立つ基礎研究、ならびに、社会課題の解決をめざした実践的な研究を推進しています。また、学術情報ネットワーク「SINET5」などの学術研究コミュニティ全体の研究や教育活動に不可欠な学術情報基盤の構築・運用、学術コンテンツやサービスプラットフォームの提供などの事業を展開•発展させ、事業を通じて得られた知見と学術研究から得られた知見を相互にフィードバックすることにより、実課題に対応した学術研究と最先端技術を利用した事業を行っています。
「ミイダス」について
「ミイダス」は自社で活躍する人材の定義から採用までを一括で行える、アセスメントリクルーティングプラットフォームです。法人企業は自社で活躍する人材の傾向を分析できる「ミイダスフィッティング人材分析機能」を利用でき、自社の社風や組織風土にフィットする人材を分析、採用することができます。転職希望者は自身の内面的なスキルや思考性を分析できる「ミイダスコンピテンシー診断」が利用可能です。その結果に加え、職務経歴や経験スキルを企業に公開する事で、社風や組織風土にフィットする可能性が高い企業から面接確約のオファーが届きます。
ミイダス株式会社について
ミイダス株式会社は、パーソルグループ全体のHR領域におけるイノベーション推進を牽引し、より一層の企業の人材ニーズに対する貢献を目的として、2019年4月に発足しました。
ミイダス株式会社が運営するアセスメントリクルーティングプラットフォーム「ミイダス」は、2015年11月よりサービス提供を開始しており、2019年にはHRアワード2019「プロフェッショナル 人材採用・雇用部門」最優秀賞を受賞。
「PERSOL(パーソル)」について
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開しています。グループの経営理念・サステナビリティ方針に沿って事業活動を推進することで、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献していきます。
また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも積極的に取り組み、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX組織構築支援を行う「TECH PLAY」、クラウド型モバイルPOSレジ「POS+(ポスタス)」などのサービスも展開しています。
本件に関するお問い合わせ
ミイダス株式会社 PR・広報チーム MAIL:miidas-pr@miidas.jp