【名城大学】人間学部の加藤ゼミが毎週水曜、ポッドキャスト番組を配信中

等身大の自分を、自分の声で、世界に発信

毎週、水曜日、名城大学ナゴヤドーム前キャンパスの1室から世界に向けてポッドキャスト番組が配信されています。これは、研究活動一貫としてスタートした加藤昌弘ゼミの課外活動であり、「行動する学問」のひとつです。毎回のテーマは学生が決め、数人の学生が日常の気づきや最近気になっていることなどを肩肘張らない自然体で話し合っています。番組名は公開していませんが、徐々にリスナーを増やし、今年で2年目に突入しました。

人間学部 加藤ゼミに所属する学部3〜4年生

上から目線ではなく横から目線で 社会に関わる最初の一歩を

加藤ゼミの専門は「文化研究(カルチュラル・スタディーズ)」です。学びのテーマは「他人ごとではなく自分ごと」、「上から目線ではなく横から目線」で「社会に関わり続けること」をめざしています。音楽、映画、アニメ、ゲームなど学生それぞれが興味ある分野から研究テーマを設定ジャンルは千差万別。ただし、一見バラバラに見えるテーマの根底に、緩やかな共通点が流れていることがこのゼミの魅力です。加藤准教授は、「自分の気になることを研究しようと思うこと自体が社会的な行動である」と話します。

そんなゼミがはじめたポッドキャストに登場する話題は、授業や就活など大学生ならではの話題から文化論、家族のこと、恋愛などプライベートなことまで多岐にわたります。“やらなければならない“義務や役割は一切なく、話したい人が手を挙げて、加わりたい人が加わる。そんな自由なスタイルで制作・配信されています。

勇気を出して顔の見えない誰かに向かって話せば、 心の中に違う風景が広がりはじめる

課外活動なので、収録は授業後。90分の授業枠で1つのエピソードを録音し、編集と配信作業は教員が行います。 マイクの前に集まった学生たちが思い思いに話しはじめました。加藤准教授は、進行の様子を見ながら時折言葉を挟み、話を盛り上げたり、起動修正したりしますが、主役はあくまで学生。シナリオなどは一切なく、自分の言葉で話すのが、この番組の流儀です。一方、話は苦手だけれど、イラストなら得意だという学生はアバターを描いたり、音楽が得意な学生がジングルをつくったりしてそれぞれのクリエイティブを発揮しています。

収録後のある学生に声をかけると、「最初は上手く話せなかったけれど、最近はあまり意識せずに話せるようになった」と笑顔を見せます。また、別の学生は、「放送後には拙い話し方を反省し、恥ずかしくなってしまうことも…」といいつつ、「それでも、伝える難しさだけでなく、楽しさも実感している」と目を輝かせます。どうやら、ここに参加している誰もが、自らの成長を体得している様子です。そして、視聴者から寄せられる反応をとても楽しみにしている、と口を揃えます。

このポッドキャストは、“失敗”などない世界、上機嫌な雰囲気を自らつくっていこう

加藤准教授は、「顔の見えない誰かに向かって話すことは勇気がいるけれど、とても大事なこと」だと語り、「文化研究は閉じこもっていてはダメなんです」と続けます。「失敗してもいいんです。特に、このポッドキャスト配信においては失敗などないんです。本人が失敗したと思っていても、受け手にはそれが楽しい印象で伝わることもありますからね」
そもそも、このゼミのモットーは、「上機嫌な雰囲気」とのこと。ポッドキャストを通じて、その雰囲気を味わってみてはいかがでしょう。番組名は非公開ですが、その気になれば探せるはずです。オープンキャンパスに参加する予定の方であれば、人間学部のコーナーで番組を聞いたり録音に参加できるようになっているそうです。

卒業してからもつながり続けるメディアをめざして、ポッドキャストはただいま進化中

どこまで配信を続けられるだろう? そんな思いを持ちつつスタートしたポットキャストですが、意外にも加藤准教授は「常にやめどきを考えている」などと言いながら笑います。冗談なのか? 本気なのか? おそらく本心から「やめたい」わけではなく、学生がこれまで以上に主体的に動いてくれるようになることを期待し、待っているのでしょう。その証拠に、「卒業生ともゆるくつながり続けるメディアになるといいな」と、最後に本音を明かしてくれました。学生たちに話を聞くと、「話したいテーマがたくさんある」との答えが返ってきましたから、どうやら、当分の間、やめることは許されないようです。
このポッドキャストは、次なるコミュニケーションの手段へと進化していく可能性を秘めている…加藤准教授も、ゼミ生たちもそんな手応えを感じていました。

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