湖北工業株式会社と近畿大学理工学部 スーパーコンティニウム光源用ファイバの新構造及びプリフォームの共同研究に関するお知らせ

湖北工業株式会社(本社:滋賀県長浜市、代表取締役社長 石井 太、証券コード:6524)と近畿大学理工学部(大阪府東大阪市、学部長 山口 仁宏)電気電子通信工学科 機能光回路研究室(吉田 実 教授)は、スーパーコンティニウム光源(以下、「SC光源」)用ファイバの新構造と、同ファイバの母材となる高純度石英ガラスプリフォームにつきまして、共同研究開発契約を締結いたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。
また、新構造のシミュレーション結果及び開発中のプリフォームの実物を、国連が定めた「国際ガラス年」である2022年を締めくくる閉会式及び光技術関連の展示会「第22回 Photonix 光・レーザー技術展」に出展いたします。

【本研究の主な内容】
SC光源は光の波長の帯域が広く、高い輝度を持つといった特徴があり、光部品の波長依存性測定や超高速分光分析、OCT(光干渉断層撮影)等に用いられます。SC光源の性能を左右する要素の一つとしてSC光発生用ファイバの構造があり、今回、近畿大学理工学部の吉田教授の研究グループが、新しいコンセプトに基づく特性を実現するSC光源用ファイバの構造を理論で求め、シミュレーションで確認、湖北工業がその複雑な断面形状を持つファイバ母材(プリフォーム)を、独自技術「SSG(スラリーキャスト石英ガラス)法」で実現できることを実証いたしました。

【今後の展望及び見通し】
本研究は、SC光源を使用した分析装置等の性能向上に資する可能性を持った研究であり、今後医療機器分野や産業機器分野等の様々な先端分野への貢献が期待されます。近畿大学理工学部の吉田教授の研究グループは、光ファイバの性能向上を目的として、ノイズライクパルスの発生、フェムト秒領域の短パルスの発生、コヒーレント加算、高出力パルス光源等の開発を進めています。特に、ノイズライクパルスを利用したSC光源は、スペクトルの幅が広く、かつ平坦で、時間安定性も高く、さらに高輝度であるため、計測用光源などに応用した際に多くの利点があります。例えば、SC光源を用いることで、分光光度計による液体やガスの分析だけでなく、通信用光デバイスの特性評価なども、高速かつ高精度に実現可能となります。さらに、医療分野であれば、血液や呼気の分析、OCTを利用した眼底や皮膚の断層撮影などの検査時間の短縮や、検査の高精度化への貢献が期待されます。
今回の研究成果は、従来よりも高効率かつ広いスペクトルを得られるSC光源のためのキーデバイスとなるものと考えています。また、湖北工業は今後も石英ガラスに関する知見の蓄積によりその可能性を引き出し、最先端ニッチ市場へ新たな高付加価値を備えた製品を供給できるよう、研究開発を続けてまいります。

【SSG(スラリーキャスト石英ガラス、Slurry cast Silica Glass)法について】
SSG法は、湖北工業が確立した高純度石英ガラス製品の製造技術です。形状の自由度が極めて高いといった利点を持ち、従来の切削加工等では困難な複雑形状の高純度石英ガラス成型部品を実現することができます。

【国際ガラス年について】
国際ガラス年は、ガラスが過去・現在・未来において重要な役割を果たしていることを祝う目的で、国際連合により宣言された国際年です。2022年を国際ガラス年とすることが国連総会において採択されており、2022年12月8日~9日に東京大学大講堂(安田講堂)にて閉会式が執り行われます。

【Photonix 光・レーザー技術展について】
Photonix 光・レーザー技術展は、日本最大の見本市主催会社RX Japanが開催する、「レーザー加工」「光学部品・材料」「光計測・分析」の3つの専門展から構成される、光・レーザー関連技術の総合展で、2022年12月7日~9日に幕張メッセにて開催されます。

【関連リンク】
理工学部 電気電子通信工学科 教授 吉田 実(ヨシダ ミノル)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/296-yoshida-minoru.html

理工学部
https://www.kindai.ac.jp/science-engineering/


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