大和文華館の名品を通して、 東アジアの文人の風雅な日々をご紹介する 「文人のまなざし―書画と文房四宝―」を開催します

~重要文化財「秋塘図(しゅうとうず)」をはじめ、 文人にまつわる書画と文房具が出陳されます~

賞楓図

 近鉄グループの文化事業である大和文華館では、8月 25日(金)から10月1日(日)まで、館蔵品展「文人(ぶんじん)のまなざし―書画と文房四宝(ぶんぼうしほう)―」を開催いたします。
 文人とは、豊かな教養をもって文字をあやつり、詩文や書画に親しむ人々のことです。東アジア文化の担い手として、文学や書画芸術、工芸の発展に関わってきました。
 文人は、東アジアで共有される理想の人間像でもありました。歴史上、その活発な活動は中国で始まります。彼らは書斎に趣向を凝らした文房具を並べ、日々の感慨に応じて創作活動を行いました。風雅を愛し、暮らしを楽しむことを忘れない文人の生き方は、やがて日本や
朝鮮半島に伝わり、知識人たちの憧れの的となったの
です。
 この展覧会では、中国・日本・朝鮮の文人の書斎を飾った文房具と、彼らの手で 生み出された書画を一堂に展示し、文人の豊かな精神生活をご紹介いたします。

螺鈿花卉文筆
青花透彫蛙蓮華算木文角水滴

<1> 展覧会詳細について
1.名称   「文人(ぶんじん)のまなざし―書画と文房四宝(ぶんぼうしほう)―」
2.会期   平成29年8月25日(金)~10月1日(日)
3.開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
4.入館料  一般 620円 高校・大学生 410円 小学・中学生 無料
5.主催   大和文華館
6.後援   奈良県教育委員会、奈良市教育委員会
7.出陳品数 60件
       
(一例)
〔文房の美―文人の書斎道具〕
 ・五彩荷葉硯(ごさいかようけん)  中国・明時代
 ・龍図墨(りゅうずずみ) 程君房(ていくんぼう)作  中国・明時代
 ・螺鈿花卉文筆(らでんかきもんふで)  中国・明時代
 ・青花透彫蛙蓮華算木文角水滴(せいかすかしぼりかえるれんげさんぎもんかくすい
  てき)  朝鮮・朝鮮王朝時代
 ・赤絵龍文柏葉形筆洗(あかえりゅうもんかしわばがたひっせん) 
  奥田 頴川(おくだ えいせん)作  日本・江戸時代後期

〔筆墨の美〕
 ・七絶詩(しちぜつし)  文徴明(ぶんちょうめい)筆  中国・明時代
 ・賞楓(しょうふう)図  張風(ちょうふう)筆  中国・清時代
 ・墨蘭(ぼくらん)図  鄭燮(ていしょう)筆  中国・清時代
 ・葫芦(ころ)図  呉俊卿(ごしゅんけい)筆  中国・民国時代

〔山水の美〕
 ・【重要文化財】秋塘(しゅうとう)図 伝 趙令穣(ちょうれいじょう)筆
   中国・北宋時代
 ・冬景山水(とうけいさんすい)図  陸治(りくち)筆  中国・明時代
 ・秋林罷釣(しゅうりんひちょう)図  徐枋(じょぼう)筆  中国・清時代
 ・澗泉松声(かんせんしょうせい)図  浦上玉堂(うらかみぎょくどう)筆 
   日本・江戸時代後期
 ・山水図 「李長孫(りちょうそん)」落款(らっかん)  朝鮮・朝鮮王朝時代

〔文人の日々―書・旅・友―〕
 ・聴松図巻(ちょうしょうずかん) 王翬(おうき)・楊晋(ようしん)合作
   中国・清時代
 ・山水図冊 方士庶(ほうししょ)筆  中国・清時代
 ・春林書屋(しゅんりんしょおく)図  呉春(ごしゅん)筆  日本・江戸時代後期
 ・冠岳夕嵐(かんがくせきらん)図  鄭(てい)ぜん筆  朝鮮・朝鮮王朝時代

ほか

<2> 会期中のイベントについて
1.特別講演「中国文人の肖像と文房具―理想の自己を求めて―」
(1)日時・場所  8月27日(日)14:00から講堂にて
(2)講師     東京大学東洋文化研究所 准教授 塚本麿充氏

2.日曜美術講座「故郷を描く―明・清時代蘇州文人を中心に―」
(1)日時・場所  9月24日(日)14:00から講堂にて
(2)講師     大和文華館 学芸員 都甲さやか

3.講座 美術の窓「広重画『東海道五拾三次』の刊行年と取材源」
(1)日時・場所  9月10日(日)14:00から講堂にて
(2)講師     大和文華館 館長 浅野秀剛

4.列品解説
(1)日時・場所  毎週土曜日14:00から展示場にて
(2)解説     大和文華館 学芸部

何れのイベントも参加は無料ですが、入館料が必要です。

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