「MBP」の女性長距離ランナーに対する骨質改善作用を記載した論文が、 第41回三島賞(体力・栄養・免疫学会学術賞)を受賞
雪印メグミルク株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:佐藤 雅俊)は、当社独自の素材である「MBP」が女性長距離ランナーの骨質を改善することを記載した論文が、2022年8月28日に体力・栄養・免疫学会から、「第41回三島賞(体力・栄養・免疫学会学術賞)」を授与されたことを報告いたします。
「三島賞(体力・栄養・免疫学会学術賞)」とは、機関誌である体力・栄養・免疫学雑誌に投稿された論文の中から、独創的かつ優れた完成度の高い論文に贈られる賞です。
当社は、長年にわたり、牛乳由来の機能性成分である「MBP」の研究開発を行っており、その骨代謝改善効果を細胞からヒトに至る様々なレベルで確認してきました。
このたび、月経異常や疲労骨折に悩む名城大学女子駅伝部の選手が、「MBP」を毎日40mg 、6ヶ月間摂取したところ、骨質(こつしつ)のマーカーの一つである血清の「ペントシジン」(終末糖化産物)が改善することがわかりました。また、「MBP」の摂取により、過剰な骨代謝回転が抑えられました。
この研究成果は、「MBP」が女性長距離ランナーの骨の健康維持に貢献する可能性を示すものです。
当社は、今後も「MBP」に関する研究開発を通じて、お客様の「健康」と「豊かな食生活」に貢献できるよう努めて参ります。
MBP(Milk Basic Protein)とは
当社が発見した、牛乳にごく微量に含まれる機能性たんぱく質。
ペントシジンと骨質の関係
・骨の強さは「骨密度(骨の量)」と「骨質(骨の質)」で決まると言われています。骨質は、骨の微細構造や骨代謝回転、微小骨折などで規定されております。※
・骨の内部は骨梁(こつりょう)という網目状の微細構造を示し、骨梁を形成している骨組織ではコラーゲン同士が立体構造(架橋)でつながっています。
・最近では、この立体構造(架橋)には良いもの(善玉架橋)と悪いもの(悪玉架橋)があることがわかってきました。
・悪玉架橋の代表が、ペントシジンという終末糖化産物です。
・このペントシジンが増えると骨組織の立体構造が弱くなり、骨の強度が低下して、骨粗鬆症につながります。
※ 2000年の米国立衛生研究所(NIH)におけるコンセンサス会議より
◆受賞論文概要
・題名;Milk Basic Protein Ameliorates Bone Quality in Female Long-distance Runners with Menstrual Abnormalities ー A Prospective Study(乳塩基性タンパク質は、月経異常を有する女性長距離ランナーの骨質を改善する-前向き研究)
・著者;Yuki FUJITA(1), Eiji SASAKI(1), Katsuro YONEDA(2), Shoko KINUGASA(3), Ken KATO(4), Eiichi TSUDA(1), Yasuyuki ISHIBASHI(1), Takashi UMEDA(2)
(1)Department of Orthopedic Surgery, Hirosaki University Graduate School of Medicine
(2) Meijo University
(3) Public health Center, Okazaki medical association
(4) Milk Science Research Institute, Megmilk Snow Brand Co., Ltd.
・掲載誌;体力・栄養・免疫学雑誌, 29(1), 18-25, (2019)