まだまだ高い『小1の壁』  4割が『小1の壁』をきっかけに働き方の変更を検討

~働き方の変更を検討する人のうちおよそ4割がそれまでの職場を離れることを検討~

2023-02-13 18:00

スリール株式会社(本社:東京都文京区、代表:堀江 敦子)は、全国の小学校1年生~3年生の子どもをもつ働く男女200名(女性160名、男性40名)を対象に「働く親の『小1の壁』(※)に対する意識と実態調査」を実施いたしました。
※ 小学校入学前よりも仕事と子育ての両立がしづらくなること

『小1の壁』アンケート調査:サマリー

●調査概要
調査概要:働く親の『小1の壁』に対する意識と実態調査
調査期間:2023年1月20日(金)
調査方法:インターネット調査
有効回答:全国の小学校1年生~3年生の子どもをもつ働く男女200名(女性160名、男性40名)

【Q.小学生になった時に、入学前より両立が大変に感じましたか?】について、女性(n=160名)は、7割が小学校入学前に比べ両立が大変となったと感じていると答えました。男性(n=40名)は6割が大変となったと感じていると答えました。
当社が2018年に行った『小1の壁』調査(有効回答数271名)では8割が小学校入学前と比べ両立が大変となったと答えています。
https://sourire-heart.com/9039/

リモートワーク勤務可否で回答を比べたところ、小学校入学前に比べ両立を大変に感じる比率に大きな差は見られませんでした。

小学生になった時に、入学前より両立が大変に感じましたか?

【Q.小学校入学前より両立が大変だと感じる理由を教えてください(複数回答)】n=160名(女性)については、持ち物・宿題など日々のサポートの他、長期休みの対応、PTAなど、保育園時代にはないコンテンツが多く挙げられました。他、プリントや電話での連絡といったアナログツールも課題の一つとして挙げられています。

小学校入学前より両立が大変だと感じる理由を教えてください(複数回答)

【Q.「小1の壁」で転職や離職など働き方の変更を検討しましたか?】n=160名(女性)については、「小1の壁」により4割が働き方の変更を検討していることが分かりました。
当社が2018年に行った『小1の壁』調査(有効回答数271名)と比べても2割強増えています。
また、【具体的にどんな形で働き方を変更しましたか?】については、「同じ会社で働き方(時短等)の変更」を検討した人が最も多い5割強、続いて「退職してパートタイムなどの働き方に変更」を検討した人も3割弱となりました。
『小1の壁』をきっかけに、転職・離職を検討する人のうちおよそ4割がそれまでの職場を離れることを検討しています。

「小1の壁」で転職や離職など働き方の変更を検討しましたか?

【Q.夏/冬の長期休みへの不安はありましたか?】n=160名(女性)については、8割が「不安があった」と回答しました。
リモートワーク勤務可否で回答を比べたところ、長期休みに対する不安はいずれも8割と同割合でした。

夏/冬の長期休みへの不安はありましたか?

【Q.「小1の壁」を乗り切る中で、会社に行ってほしいこと】n=160名(女性)としては、9割弱が長期休み時の対応(勤務時間、リモート、フレックス、金銭補助等)を希望、5割が職場での理解促進を望んでいることが分かりました。

「小1の壁」を乗り切る中で、会社に行ってほしいこと

【Q.「小1の壁」を乗り切る中で、学校・自治体に行ってほしいこと】n=160名(女性)でも、6割が長期休み時の学童開所時間の前倒しを希望するなど、長期休みに対する希望が多く見受けられました。
他、保護者会や学校からの連絡方法のオンライン化も6割弱が希望しています。

「小1の壁」を乗り切る中で、学校・自治体に行ってほしいこと

●まとめ
本調査では、全国の小学校1年生~3年生の子どもをもつ働く男女200名(女性160名、男性40名)を対象に「働く親の『小1の壁』に対する意識と実態調査」を行いました。

働く母親の7割が小学校入学前に比べ両立が大変となったと感じており、これはまた、2018年に同テーマで行った当社調査の値から大きな変化は見られませんでした。
大変と感じる理由としては、子どもに対する日々/長期休み時のケアを筆頭に、プリントや電話での連絡といったアナログな手段が挙がっています。
また、柔軟な勤務スタイルとしてコロナ禍以降リモートワーク勤務を取り入れる企業も増えてきましたが、リモートワーク勤務ができる人においても両立を大変に感じる比率に違いは見られませんでした。

そして、「小1の壁」により4割が働き方の変更を検討していることが分かりました。これは、当社が2018年に行った調査と比べても2割ほど増えています。
また、働き方の変更を検討する人のうちおよそ4割がそれまでの職場を離れることを検討しています。
コロナ禍以降転職市場自体は活発化していない(※)ことからも、両立を大変と感じる『小1の壁』をきっかけに社員が、より理解のある、働きやすい企業への転職や離職を検討していることが分かります。
※転職者数は2018年、2019年まで増加傾向だったものの、コロナ拡大の影響で2020年以降減少している(参照:厚生労働省「令和4年度労働経済白書」)
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000981627.pdf

次に、長期休み時の対応については8割が「不安があった」と回答しました。
学校がお休みの子どもが家にいる時間に、家で仕事をすることができるリモートワーク勤務においても、長期休みに対する不安は変わりませんでした。
リモートワークであっても、会議中に子どもや音が入らないようにするなど配慮が必要なケースもあるため、長期休みの不安を解決してくれる策とはならないようです。

最後に、「小1の壁」を乗り切るために企業に行ってほしいこととして、9割が長期休み時の対応(勤務時間、リモート、フレックス、金銭補助等)を希望しており、続いて5割が職場での理解促進を望んでいることが分かりました。
前質問で現在リモートワーク勤務ができる人も長期休み時の対応に不安を感じていることからも、「リモートワーク」という制度を作っただけでは、全ての課題を解決してくれる策とはなっていないようです。
保育園よりも親のフォローが必要となる場面が多くなることに併せ、小学一年生は未だ物理的にも精神的にもサポートが必要な時期であるにも関わらず、働く現場で「もう小学生だから」と扱われることで、「小1の壁」を強く感じています。小学校に入れば子どもが手を離れるわけではないこと、これまでよりも子育てでのフォローが増えることなど、職場でも理解を進める必要があります。
学校・自治体に行ってほしいこととしては、いずれも6割程度が長期休み時の学童開所時間の前倒し、保護者会や学校からの連絡方法のオンライン化を希望しています。

「小1の壁」は子どもの成長過程の一つの出来事です。
超えられない高い「壁」と感じさせ、“離職”という選択肢しか残されない状況を作らないためにも、当事者である親だけでなく、企業、そして学校がそれぞれの立場で見直しの図れることに取り組む必要があるのかもしれません。
また、子どもが小1を迎える前からキャリアと子育てのイメージを持つ、意識づけをすることで長期的にキャリアを考える必要も見過ごせません。
当社では、仕事と子育ての両立に不安を抱える女性を分析した「両立不安白書」を発行しておりますので、是非こちらもご覧ください。

スリールはダイバーシティ推進を進めていく仕組みを支援していくと同時に、今後も、誰もが自分らしい人生を諦めずに納得した選択肢を選べる社会を目指して、企業の人材育成、組織のコンサルティングに尽力してまいります。

スリール株式会社 企業概要

代表  : 堀江 敦子
設立  : 2010年11月
所在地 : 〒113-0033 東京都文京区本郷3-40-10
      三翔ビル本郷7F 小野田高砂法律事務所内 social hive HONGO
HP   : https://sourire-heart.com/
業務内容: 企業向けコンサルティング・研修、
      ライフとキャリアのデザイン教育
      (ワーク&ライフ・インターン運営)、
      個人向けセミナー開催など

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