2023(令和5)年度 国立博物館収蔵品貸与促進事業 実施対象館が決定!
― 国立博物館所蔵の文化財72件が島根・長野・山口・広島・兵庫・福岡へ ―
国立文化財機構 文化財活用センター〈ぶんかつ〉が作品輸送費等を支出し、東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館の4つの国立博物館が収蔵品を貸し出す「国立博物館収蔵品貸与促進事業」において、2023年度事業の実施対象館が決定いたしました。
これにより国立博物館が所蔵する各地域ゆかりの文化財72件が、島根、長野、山口、広島、兵庫、福岡の6県7施設で順次公開される予定です。
2023年度 国立博物館収蔵品貸与促進事業 実施対象館(会期順)
美術館・博物館:島根県芸術文化センター(島根県立石見美術館)(島根県)
展覧会名 :「没後150年 山本琴谷と津和野藩の絵師たち」
会期(予定) :2023年7月8日(土)~2023年8月28日(月)
貸与予定件数 :7件
美術館・博物館:市立岡谷美術考古館(長野県)
展覧会名 :「東京国立博物館にある岡谷のお宝展示
~岡谷の弥生を知る、115年ぶりの里帰り~」(仮)
会期(予定) :2023年7月15日(土)~2023年9月18日(月・祝)
貸与予定件数 :13件
美術館・博物館:山口県立山口博物館(山口県)
展覧会名 :「やまぐち 大考古博」(仮)
会期(予定) :2023年7月21日(金)~2023年9月3日(日)
貸与予定件数 :13件
美術館・博物館:広島県立歴史民俗資料館(広島県)
展覧会名 :「三次鵜飼と日本の鵜飼」
会期(予定) :2023年10月6日(金)~2023年11月26日(日)
貸与予定件数 :7件
美術館・博物館:兵庫県立美術館(兵庫県)
展覧会名 :「生誕180年記念 呉昌碩の世界―海上派と西泠名家―」(仮)
会期(予定) :2024年1月13日(土)~2024年4月7日(日)
貸与予定件数 :11件
美術館・博物館:糸島市立伊都国歴史博物館(福岡県)
展覧会名 :「東西日本の弥生文化
~東京国立博物館収蔵コレクションより~」
会期(予定) :2024年1月27日(土)~2024年3月17日(日)
貸与予定件数 :19件
美術館・博物館:下関市立美術館(山口県)
展覧会名 :開館40周年記念特別展
「狩野芳崖 継がれる想い~悲母観音の<いま>」(仮)
会期(予定) :2024年2月6日(火)~2024年3月17日(日)
貸与予定件数 :2件
2023年度 国立博物館収蔵品貸与促進事業 展覧会概要(会期順)
◆島根県立石見美術館
「没後150年 山本琴谷と津和野藩の絵師たち」 貸与予定件数:7件
会期 : 2023年7月8日(土)~2023年8月28日(月)
URL : https://www.grandtoit.jp/museum/
Twitter : https://twitter.com/Grand_Toit
Instagram : https://www.instagram.com/iwamiartmuseum/
Facebook : https://www.facebook.com/grandtoit.jp/
みどころ : 山本琴谷(1811~1873)は、石見国(現在の島根県西部)津和野藩の絵師です。津和野藩家老の多胡逸斎に絵を学び、後に渡辺崋山、高久靄がい(がい=がんだれ+圭)、椿椿山に師事しました。嘉永6年(1853)に津和野藩より絵師を命じられ、津和野地域や江戸近隣の画事に従事し、多くの作品を残しました。令和5年(2023)が琴谷の没後150年にあたることを記念して開催する本展では、東京国立博物館から貸し出す7件をはじめ、津和野地域に現存する琴谷の作品を一堂に会し、その画業を幅広く紹介します。また、琴谷以外の津和野藩の画人たちの作品も展示し、彼らの多彩な魅力にも迫ります。
◆市立岡谷美術考古館
「東京国立博物館にある岡谷のお宝展示 ~岡谷の弥生を知る、115年ぶりの里帰り~」(仮) 貸与予定件数:13件
会期 : 2023年7月15日(土)~2023年9月18日(月・祝)
URL : https://okaya-museum.jp/
みどころ : 岡谷市は長野県の南信地方に位置し、諏訪湖の西岸に面する都市です。移転開館10周年を記念して開催する本展では、代表的な収蔵作品の一挙公開を試みます。 考古展示の目玉は、明治40年(1907)に平野村(現・岡谷市)の天王垣外から出土した玉類の数々です。玉類の持つ重要性や同時代の近隣遺跡を紹介し、弥生時代中期の岡谷市の状況を考察します。東京国立博物館からは岡谷市出土の勾玉や管玉といった考古資料13件を貸し出します。
◆山口県立山口博物館
「やまぐち 大考古博」(仮) 貸与予定件数:13件
会期 : 2023年7月21日(金)~2023年9月3日(日)
URL : https://www.yamahaku.pref.yamaguchi.lg.jp/
Instagram : https://www.instagram.com/nattoyamahaku/
Facebook : https://www.facebook.com/yamaguchi.museum
みどころ : 山口県は、東アジアと日本列島の海上交通網を結ぶ地政学上の要であり、弥生時代には大陸や半島からの渡来と交流、古墳時代には瀬戸内海ルートを重視したヤマト王権とのつながり、古代には「和同開珎」鋳造に代表される先進的な手工業生産など、人々の往来と文化の交流による歴史が積み重ねられてきました。本展は、山口県の歴史や文化に親しむ展覧会として、旧石器時代から江戸時代まで、考古学による地域の魅力を県内外に広く紹介します。東京国立博物館からは、山口県山口市の赤妻古墳出土の「四獣鏡」や「巴形銅器」など、地域ゆかりの考古資料13件を貸し出します。
◆広島県立歴史民俗資料館
「三次鵜飼と日本の鵜飼」 貸与予定件数:7件
会期 : 2023年10月6日(金)~2023年11月26日(日)
URL : https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/rekimin/
みどころ : 古事記や万葉集にも登場する「鵜飼」は長い歴史をもつ伝統的な漁法です。広島県三次市の「三次鵜飼」は原初的な形態を保ったまま近世以前から続き、広島県無形民俗文化財に指定されています。本展は、古代以前に遡る鵜飼の歴史性や、絵画や造形で表現された鵜飼の持つ美術性や精神性など、日本文化の中での鵜飼の位置づけを明らかにしたうえで、三次鵜飼の持つ特徴を紹介する展覧会です。東京国立博物館から、鵜飼が描かれた近代洋画「長良川鵜飼」を含む5件、京都国立博物館からは水辺に漂う鵜飼舟に飛び交う鵜が表された「帷子 淡浅葱麻地御所解(鵜飼)文様」などの2件を貸し出します。
◆兵庫県立美術館
「生誕180年記念 呉昌碩の世界―海上派と西泠名家―」(仮) 貸与予定件数:11件
会期 : 2024年1月13日(土)~2024年4月7日(日)
URL : https://www.artm.pref.hyogo.jp/
Twitter : https://twitter.com/hyogoartm
Instagram : https://www.instagram.com/hyogo_pref_museum_of_art/
Facebook : https://www.facebook.com/artm.pref.hyogo/
みどころ : 清朝末期から中華民国時代に活躍した呉昌碩(1844~1927)は、清朝最後の文人といわれ、生涯にわたって古代文字である石鼓文の臨書に励み、その風韻を書・画・篆刻に結実させました。生誕180年にあたる2024年、呉昌碩の名品を中心に、その師弟や子息、また呉昌碩が初代社長を務めた西泠印社の創始者である呉隠・葉銘・丁仁・王し(し=示へん+是)とこれに続く諸名家の作品を展示します。さらにこれらの西泠名家と日本人との交流を回顧することで、呉昌碩が果たした功績とその影響を顕彰します。本展では、東京国立博物館から「墨竹図軸」など8件を、京都国立博物館からは3件を貸し出します。
◆糸島市立伊都国歴史博物館
「東西日本の弥生文化 ~東京国立博物館収蔵コレクションより~」 貸与予定件数:19件
会期 : 2024年1月27日(土)~2024年3月17日(日)
URL : https://www.city.itoshima.lg.jp/m043/010/index.html
Instagram : https://www.instagram.com/itokoku_museum/
Facebook : https://www.facebook.com/itokoku110/
みどころ : 伊都国は、『魏志倭人伝』に記される、福岡県糸島市付近に比定される弥生時代の国で、邪馬台諸国のなかで政治、外交上重要な地位を占めていました。本展は、日本列島における弥生時代の稲作文化や土器の変遷、青銅器文化について、北部九州の資料をはじめ、山陰・瀬戸内・近畿・北陸・東海、そして東日本などの地域色のある弥生文化(続縄文文化)の資料をとおして、それぞれの地域の歴史的特色を紹介する展覧会です。東京国立博物館から、重要文化財「台付壺」などの考古資料19件を貸し出します。
◆下関市立美術館
開館40周年記念特別展「狩野芳崖 継がれる想い~悲母観音の<いま>」(仮) 貸与予定件数:2件
会期 : 2024年1月20日(土)~2024年3月3日(日)
URL : https://www.city.shimonoseki.lg.jp/site/art/
Twitter : https://twitter.com/artshimonoseki
Instagram : https://www.instagram.com/shimonosekicityartmuseum/
Facebook : https://www.facebook.com/shimonosekicityartmuseum
みどころ : 本展は、下関ゆかりの日本画家・狩野芳崖(1828~1888)の代表作である「悲母観音」(1888年、東京芸術大学蔵、重要文化財)、「仁王捉鬼」(1887年、東京国立近代美術館蔵)に着目する展覧会です。東京美術学校での教育的模倣作をはじめとする明治後期~昭和初期頃に描かれた諸作品から現代美術まで、《悲母観音》の模倣作やそこからインスピレーションを受けた作品、オマージュ作品を展観し、あらためて芳崖の近現代美術への影響力について考えます。東京国立博物館からは、川島織物の主任画師の東翠石が模写して下絵を製作し、二代川島甚兵衛が綴織に仕上げ、明治28年(1895)に京都で行われた第4回内国勧業博覧会へ出品された「悲母観音図綴織額」を含む2件を貸し出します。
※展覧会情報は2023年3月23日現在のものです。今後、変更になる場合があります。
最新情報は各美術館・博物館の公式ウェブサイトなどでご確認ください
2024年度「国立博物館収蔵品貸与促進事業」募集予定
2023年4月3日(月)から、2024年度国立博物館収蔵品貸与促進事業実施対象館の申請受付が開始されます。
申請受付期間:2023年4月3日(月)~6月30日(金)[17時必着]
貸与促進事業の申請、展覧会情報に関する詳細は、以下の〈ぶんかつ〉公式ウェブサイトでご確認いただけます。
URL: https://cpcp.nich.go.jp/modules/r_free_page/index.php?id=3
全国の美術館・博物館からのご応募をお待ちしています。
■文化財活用センター https://cpcp.nich.go.jp/
2018年に設置された、文化財活用のためのナショナルセンター。「文化財を1000年先、2000年先の未来に伝えるために、すべての人びとが、考え、参加する社会をつくる」というビジョンを掲げ、「ひとりでも多くの人が文化財に親しむ機会をつくる」ことをミッションとして、さまざまな活動をしている。
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