新千歳空港国際アニメーション映画祭、本年新設のコンペGIF部門の各アワードが決定!短編部門ノミネート全71作品も発表。
新千歳空港国際アニメーション映画祭事務局では、今年から新設し、SNSでGIFアニメーション作品を募集した「NEW CHITOSE AIRPORT GIF AWARD 2022」大賞作品ほか、各授賞作品を発表しました。また、コンペティション短編部門のノミネート作品も発表しました。
「NEW CHITOSE AIRPORT GIF AWARD 2022」授賞作品決定!
GIFアニメーションを対象とした新設部門「NEW CHITOSE AIRPORT GIF AWARD 2022」では、今回初の挑戦として、2022年4月18日~7月1日の期間でSNSを用いてGIFアニメーション作品を募集し、全世界から377作品の応募がありました。応募作品の中から、この度、大賞となるベスト・オブ・GIF1作品、特別賞4作品が決定しました。
大賞「ベスト・オブ・GIF」は、Futaba.氏による水彩画をベースとした作品が受賞しました。ゲスト審査員であるアニメーション作家の山田遼志氏は、「GIFにおける、低解像度、短尺ループという条件で、こうも儚く尊い表現が可能なのか、という驚きがまずあった。イラストレーターの作者だからこそできる、絵画におけるフレームの視点を感じさせている」(全文は公式サイトで公開)と授賞コメントを送りました。また、審査員特別賞(山田遼志)は阿部舜氏、審査員特別賞(田中大裕)はNata Metlukh氏、審査員特別賞(小野朋子)は服部グラフィクス氏、および株式会社GIFMAGAZINEによるGIFMAGAZINEアワードとしてDante Zaballa氏の作品がそれぞれ受賞しました。
ベスト・オブ・GIF受賞作品は映画祭本祭時に会場に展示されます。詳細および審査員による授賞コメント全文は映画祭公式サイトをご確認ください。
アワード受賞作品
ベスト・オブ・GIF:Futaba./日本
審査員特別賞(山田遼志):阿部舜/日本
審査員特別賞(田中大裕):Nata Metlukh/アメリカ
審査員特別賞(小野朋子):服部グラフィクス/日本
GIFMAGAZINEアワード:Dante Zaballa/アメリカ
短編部門は過去最多94ヵ国・地域の応募作品の中から71作品がノミネート
映画祭のメイン部門であるコンペティション短編部門では、30分以内のアニメーション作品を対象とし、2022年4月18日~6月30日まで募集をしました。その結果、今年度は過去最多となる94の国・地域から2,058作品(国・地域は過去最多)の応募があり、そのうち71作品が、インターナショナル/日本/学生/ミュージックアニメーションコンペティション部門にノミネートされました。ノミネート作品は映画祭会期中に新千歳空港シアターで上映され、審査員による審査を経て、賞金100万円の短編グランプリをはじめとした各アワードが授与されます。
コンペティション短編部門 ノミネート作品一例
インターナショナルコンペティション部門 『The Flying Sailor』(Wendy Tilby, Amanda Forbis/カナダ)
カンヌ国際映画祭短編部門最高賞受賞、米アカデミー賞ノミネート、等々、世界的に高く評価される短編アニメーション『ある一日のはじまり』(原題:When the Day Breaks)でよく知られるデュオの新作。数々の著名な短編アニメーション制作者を輩出してきたカナダ国立映画制作庁によるプロデュース。
インターナショナルコンペティション部門 『Amok』(Balázs Turai/ハンガリー)
世界最大のアニメーション映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭にて、今年、短編部門最高賞を受賞したサイコホラー。狂気とユーモアが同居したエンターテインメントとなっている。監督はハンガリー出身のバラーシュ・トゥライ。近年、短編アニメーション界において存在感を増すハンガリー・アニメーションの新たな金字塔。
インターナショナルコンペティション ファミリー部門 『暗く黒く』(はなぶし/日本)
若者を中心に国内で絶大な支持を集めるバンド「ずっと真夜中でいいのに。」のミュージックビデオ。東映アニメーション在籍時に、『トリコ』や「プリキュア 」シリーズ等のアニメーターとして頭角をあらわし、現在は、個展の開催やビデオゲーム開発など、マルチクリエイターとして活躍するはなぶしが監督。
短編部門選考委員からのコメント
こんにち、全体像の把握が困難なほどにアニメーションの範囲が拡張しているなかで、その先端にある表現をとらえることを意識して選考にのぞみました。選考過程を振り返ると、ビジュアルやテクニックの新鮮さもさることながら、総じて観客になんらかの新しい発見をもたらすかどうかを重視していたように思います。また、安易に自分たちの関心に引き寄せることなく、作品がよって立つ背景や文脈をできるかぎり正確に把握するよう心がけました。もうひとつ意識したのは、伝統的なアニメーションの文脈からは外れるような作品の中からも、光るものを積極的にフックアップすることです。そうして厳選された最終的なノミネート作品をあらためて見わたしてみると、現代アニメーションの縮図が浮き彫りになっているように思われます。これを見れば、アニメーションの「いま」がわかる。そんなラインアップであると自負しています。最後に、ご応募くださったたくさんのみなさまに、心より感謝を申し上げます。
短編部門選考委員:
岩崎宏俊(アーティスト)、小野朋子(映画祭チーフ・ディレクター)、倉重哲二(アニメーション作家)、田中大裕(アニメーション研究者)、ニヘイサリナ(アニメーション作家)
新千歳空港国際アニメーション映画祭とは
新千歳空港国際アニメーション映画祭は、北海道と世界を結ぶゲートウェイである新千歳空港ターミナルビル(北海道千歳市)を会場とした、アニメーション専門の国際映画祭です。第9回目の開催となる今年も、国内外の話題作など招待作品の上映はもちろん、アニメーションの“いま”を多角的にお届けするプログラムを展開し、来場者へ最新情報と国際的な出会いを共有できる場を提供します。
■実施概要
名称:第9回 新千歳空港国際アニメーション映画祭
開催日程:2022年11月3日~2022年11月6日
会場:新千歳空港ターミナルビル(新千歳空港シアターほか)
公式サイト:https://airport-anifes.jp/