【名城大学】「日本バーチャルリアリティ(VR)学会」が天白キャンパスで大会を開催
全国の教員や学生、研究者ら約1000人が参加 378件に上る最先端の研究を発表
「第29回日本バーチャルリアリティ学会大会」が9月11日~13日、天白キャンパスで開催されました。3日間で全国の大学や研究機関、企業の教員や学生、研究者ら約1000 人が参加し、378件に上る最先端の研究発表と87件の技術・芸術展示、特別講演などが行われました。同学会の大会の名古屋市での開催は10年ぶり3回目ですが、中京地区の私立大学での開催は初めてで、本学情報工学部の柳田康幸教授が大会実行委員長を務めました。
「未来のVRに関する研究が多くありました」と大会実行委員長を務めた柳田教授
参加者の研究成果は、会場ごとに基礎から応用までの21のテーマに分かれて、口頭発表(3分)とポスター形式のディスカッション(45分)の組み合わせで発表されました。また、トヨタ自動車の古賀伸彦・未来創生センター長(兼・豊田中央研究所CEO)による「研究と実践の交差点~企業研究所の役割と面白さ~」と題した特別講演も行われました。
初日の11日に本学からは、情報工学部の柳田教授と坂野秀樹教授、森嵜隼一郎さん(修士1年)のグループが、聴覚への刺激によって唾液の分泌量に変化が生じるかを調べた実験の結果を発表。理工学部メカトロニクス工学科の目黒淳一准教授の研究室の横井紀卓さん(修士2年)らのグループは、長時間の体験が可能な仰臥位でのVR体験の際のVR酔いをもたらす身体不一致感を減少させる手法の検討について発表しました。
また、柳田教授と修士1年の森田尚樹さんらのグループは研究開発を進めている「クラスタ型デジタル空気砲」に関する成果を発表。VR技術によって新たな価値を生む挑戦を評価する「IVRC」(学生コンテスト)には柳田教授の研究室の理工学部情報工学科4年生7人が、融解する際の物体の抵抗感と、融けているときの液体感を感じることができる「遅刻回避!大体何でも融かす手」と題した作品で参加しました。
3日間の学会を振り返り、柳田教授はまず、本学で全国規模の学会大会を開催したことについて「本学で学術研究活動が活発に行われていることを示すいい機会になりました」と強調。大会全般については「ゴーグルをかぶって体験するという世間一般のVRのイメージとはかなり傾向は異なり、特に触覚に関する研究など、基礎研究の段階やビジネスとしてはまだ規模が小さい、未来のVRに関する研究が多くありました」と総括しました。