定性・定量質量分析ワークフローを強化する ディファレンシャルイオンモビリティーインターフェースを発表
Thermo Scientific FAIMS Pro Duoインターフェースを、 7月27日(火)『LC-MS新製品発表セミナー』にてご紹介
サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ(グループ本社:東京都港区、代表:室田 博夫)は、製薬会社、バイオ医薬品メーカーなどの研究者向けに、質量分析における定性・定量分析のデータ品質を高め、生産性を向上させるイオンモビリティーデバイスの新製品『Thermo Scientific FAIMS Pro Duoインターフェース(以下、FAIMS Pro Duoインターフェース)』について、製品情報を発表します。日本国内での販売開始は2021年秋以降を予定しています。
また、7月27日(火)にサーモフィッシャーが主催するWebセミナー『LC-MS新製品発表セミナー』にて、FAIMS Pro Duoインターフェースについて、製品詳細をご紹介します。
FAIMS Pro Duoインターフェースは、サーモフィッシャーの従来製品であるThermo Scientific FAIMS Proインターフェースを基に開発されており、生物学における質量分析(MS)の自由度をさらに高め、ディファレンシャルイオンモビリティーを、プロテオミクス、ヒト血漿プロファイリング、標的低分子定量などの幅広いアプリケーションに対して拡張します。
この新しいインターフェースは、SN比を向上させ、サンプルの適用範囲を拡大することで、マトリックスの干渉を低減して複雑なサンプルの分析を可能にし、分析の幅と深さを拡張させることができます。さらに、幅広いクロマトグラフィー流量(100nL/分~1mL/分)に対応した最適なパフォーマンスにより、プロテオームカバレッジ、定量分析、さらに最近ではグリコプロテオミクス、シングルセルプロテオミクス、構造生物学などの分野で研究の限界を押し広げることができます。サンプルの前処理工程を省き、キャリブレーションを簡素化することで、ハイスループットラボのニーズに応じてワークフローの効率を高めます。
サーモフィッシャーサイエンティフィックのアナリティカルインスツルメンツ研究開発担当ヴァイスプレジデントであるIain Mylchreestは次のように述べています。
「現在のワークフローの多くは、適切な結果を得る上で必要なレベルの選択性(分離性能)を確保するために、時間と手間のかかるサンプル調製が必要とされ、スループットを妨げています。FAIMS Pro Duoインターフェースは、新たな気相分離を追加することで選択性を高め、マトリックス干渉を抑制することで、たとえ複雑なサンプルであってもワークフローの生産性を向上させることができます。そのため、研究者は結果を解釈し、開発研究を前進させることに集中できるようになります」
ニューヨーク州立大学バッファロー校薬学部教授兼同校ニューヨーク・センター・オブ・エクセレンス・イン・バイオインフォマティクス・アンド・ライフサイエンスのバイオアナリシス担当チーフサイエンティストのJun Qu氏は、次のように述べています。
「通説に反して、液体クロマトグラフィー(LC)-MSまたはLC-MS/MSによるタンパク質定量の感度を制限する最大の要因は、MSのシグナル強度よりも、複雑に消化されたサンプルに含まれる多数のペプチドに起因する高い干渉によるものです。その点において、FAIMS Pro Duoインターフェースはクロマト分離と異なる選択性を備えており、高い再現性と堅牢性をもって、ケミカルノイズからターゲットを効果的に分離します。トラッピングマイクロLC-MSと組み合わせることで、定量感度が劇的に向上し、血漿/組織中の大きなmAb分子に対して、抗体濃縮を行わずに1~5ng/mLという驚くべき定量限界値を達成します。このような高感度のハイスループット技術は、LC-MSを用いたタンパク質医薬品の分析や薬物動態研究のバイオマーカーに大きな影響を与えるでしょう」
なお、FAIMS Pro Duoインターフェースは、新製品の低分子定性・構造解析および核酸解析に適したThermo Scientific Orbitrap IQ-Xトライブリッド質量分析計に接続して、分析の選択性を高めることができます。
この他にも、以下に挙げるサーモフィッシャーの次世代質量分析計に簡単に統合することができます。
Thermo Scientific Orbitrapトライブリッド質量分析計
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/industrial/mass-spectrometry/liquid-chromatography-mass-spectrometry-lc-ms/lc-ms-systems/orbitrap-lc-ms/orbitrap-tribrid-mass-spectrometer-comparison.html
Webセミナー『LC-MS新製品発表セミナー』開催概要
開催日時: 2021年7月27日(火)15:00~16:15 *ログイン開始 14:45~
参加費 : 無料
申込期限: 2021年7月16日(金)17:00
申込方法: 下記Webページからお申込みください
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/about-us/events/schedule/072721-lcms-seminar.html
FAIMS Pro Duoインターフェースは研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。
サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッドについて
サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッド(本社:米国マサチューセッツ州ウォルサム、NYSE:TMO)は、科学サービスを提供する世界的なリーディングカンパニーであり、収益は300億ドルを超えています。私たちのミッションは、私たちの住む世界を『より健康で、より清潔、より安全な場所』にするために、お客様に製品・サービスを提供することです。私たちはライフサイエンス研究のさらなる加速、分析における複雑な課題の解決、臨床診断性能と治療の向上、研究室の生産性向上に取り組むお客様を支援します。世界に80,000人以上の従業員を擁する当社のグローバルチームは、Thermo Scientific、Applied Biosystems、Invitrogen、Fisher Scientific、Unity Lab Services、Patheonといった業界をリードするブランドを通じて、革新的な技術、購入における利便性、医薬品開発・製造サービスにおいて、他に類を見ない組み合わせを提供します。
URL: https://www.thermofisher.com