トム・ハンクスのオスカー受賞作。ゲイとエイズへの偏見を法廷で覆していくヒューマンドラマ。 「フィラデルフィア」 12月18日(土)よる7時~BS12 トゥエルビで放送

全国無料放送のBS12 トゥエルビ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:須磨直樹)は12月18日(土)よる7時より『フィラデルフィア』(1993年・米)を放送します。

©1993 TRISTAR PICTURES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

1.映画『フィラデルフィア』

ゲイ、エイズへの偏見と差別に満ちた90年代アメリカで、HIV感染による不当解雇を突き付けられたエリート弁護士が、正義と人間の尊厳をかけ法廷で戦う姿を描いたヒューマンドラマ。第66回アカデミー賞でトム・ハンクスが主演男優賞を、ブルース・スプリングスティーンの楽曲「ストリーツ・オブ・フィラデルフィア」が歌曲賞を受賞した。(英語・日本語字幕)

■監督・製作:ジョナサン・デミ
■出演:トム・ハンクス、デンゼル・ワシントン、アントニオ・バンデラス、ジェーソン・ロバーツ ほか
■コピーライト:©1993 TRISTAR PICTURES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
■番組HP:https://www.twellv.co.jp/program/drama/doyou-youga/archive-doyou-youga/doyou-youga-169/

2.みどころ(映画評論家・立花 珠樹 氏)

■LGBTへの偏見に立ち向かう
 トム・ハンクスがエイズ患者を熱演
 『フィラデルフィア』の主役は、エイズに感染したゲイの弁護士だ。1993年暮れに米国で公開されると、同性愛者のエイズ問題を本格的に描いた初のハリウッド映画として話題になり、大ヒット。主演のトム・ハンクスは、アカデミー賞主演男優賞をはじめ多くの賞を受賞した。
 四半世紀以上も前の作品だが、全く古びていない。LGBTなど性的少数者の問題は当時よりずっと身近になっているし、エイズに対する偏見も、今回のコロナ禍での出来事を思わせる部分がある。
 トム・ハンクスとデンゼル・ワシントン、その後大スターの道を歩む2人が、いずれも30代後半で共演。最高の演技でがっぷり組み合った見応えのある作品だ。
 ベケット(ハンクス)は、フィラデルフィアの名門法律事務所で働く弁護士。有能な野心家で、所長から大きな仕事を任せられるが、幹部の1人に額のエイズ特有のシミを見つけられる。実はベケットはゲイで、エイズを発症していたが、それを隠していたのだ。
 やがて彼は、でっち上げられた仕事のミスを理由に、事務所を突然解雇される。エイズによる不当解雇として、事務所を相手に訴訟を起こしたベケットの弁護を引き受けてくれたのは、黒人弁護士ミラー(ワシントン)だ。エリート弁護士だったベケットとは対照的な庶民派のミラーは、同性愛者を嫌い、エイズ患者に触れるのも恐れていたが、名門事務所内のゆがんだ価値観を知り、ベケットのために立ち上がる。
 監督は『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミ。中盤以降の法廷ドラマも全く退屈させない。病が進行するにつれ、やつれ痩せていくハンクスの演技はすごみすら感じさせる。
 映画の冒頭、ブルース・スプリングスティーンが歌い、アカデミー賞歌曲賞を受賞した「ストリーツ・オブ・フィラデルフィア」が流れる。明るい笑顔に交じって、路上生活者など、フィラデルフィアに暮らすさまざまな人々が映し出される。ドラマの舞台となる町の、光と影を伝える印象的な映像だ。

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