ワープスペース、米国OrbitsEdge社と予備的合意書を締結
衛星データの利活用環境の構築を目指し、宇宙でのエッジコンピューティング利用に取り組む
小型衛星を活用した宇宙空間での光通信サービスの実現を目指す株式会社ワープスペース(茨城県つくば市、代表取締役CEO:常間地悟)は、衛星にエッジコンピューティングを搭載し、地上に降ろすデータを送信前に選別・解析することで、用途に応じて、より付加価値の高いデータを多く取得できるようにする技術開発に取り組む、OrbitsEdge社(米)と予備的合意書(Mutual Letter of Intent)を締結しました。
現状は衛星データを地上に降ろしてからデータを確認し、地上のコンピューターで加工するというプロセスですが、中には地上へと伝送する際に破損する等、効率が悪い場合もあります。近年は観測センサー技術の発展に伴い、光学ではサブメートル測位(解像度1m以下)が可能となり、また、SAR(合成開口レーダー)やマルチスペクトルを使用した高精度での撮像を行う衛星も増えてきています。その時に地上におろしたい一日のデータ総量としてはテラバイトを超えてくるケースもあり、今後センサーが発達するにつれ、ますますデータサイズは増えていくことが見込まれます。
そこで衛星に搭載したエッジコンピュータで予めデータを処理し、活用できるデータのみを選別・加工する機能を担うことで、地上ではより効率的に有効なデータをより多く得ることができるようになります。大容量の衛星データを即時に地上に降ろす宇宙空間における光通信サービス「WarpHub InterSat」と連携することで、更に機会損失を最小限に抑えることができることとなります。
OrbitsEdge社 CTO Richard Ward氏のコメント
「ワープスペースが提供する光通信サービスと、我々のエッジコンピューティング技術の親和性は非常に高いと考えています。OrbitsEdgeは衛星上でのデータ処理を容易にし、地上に降ろすデータ品質の向上に貢献していきます。 」株式会社ワープスペース 取締役CTO 永田のコメント
「OrbitsEdge社との連携可能性を検討していくことを、非常に楽しみにしております。我々は衛星間の光通信ネットワークを構築することで、リアルタイム且つ高頻度でデータを取得できる通信サービスを実現し、地球観測市場のさらなる拡大に貢献していきます。その中で、エッジコンピュータは、お客様にとって最善の在り方でデータを取得するための選択肢を提供する重要な技術になると考えています。」
【OrbitsEdge社】
エッジコンピューティング技術を宇宙で活用することを目的に、2019年に創業。
宇宙空間で生成される膨大なデータの処理および分析を、軌道上で行うことを可能にする高性能なコンピューティング技術の開発に取り組んでいます。軌道上での処理能力を向上することで、宇宙データ利用の推進を目指します。
【株式会社ワープスペース】
ワープスペースは筑波発のベンチャーであり、「WarpHub InterSat」と呼ばれる地球中軌道における衛星間光通信によるデータ中継サービスを開発しています。地球観測衛星事業者を見込み顧客としており、必要な時にデータを宇宙から地上へ大容量のデータを迅速に移動させます。ワープスペースは、JAXAやOICETSのプロジェクトの技術と、NewSpaceで進むサプライチェーンへのイノベーションを融合し、世界で初めて宇宙における光通信ネットワークを提供する民間企業となることを目指しています。