【名城大学・女子駅伝部】チーム一丸、全日本8連覇へ挑戦

厳しい残暑がようやく過ぎ去り、本格的な秋が到来。それとともに駅伝シーズンが間近に迫ってきた。名城大学女子駅伝部にとっての最大の目標のひとつ、全日本大学女子駅伝がいよいよ半月後の10月27日に宮城・仙台市内で行われる。26年連続26回目の出場となる今回は8年連続9回目の優勝を目指すと同時に、7年連続での富士山女子駅伝との2冠達成へ向けた重要な一戦となる。10月7日には10名のエントリーメンバー登録が完了し、臨戦ムードが高まってきた。彼女たちのこれまでの軌跡を振り返りながら、駅伝に向けた意気込みを紹介していく。

日本インカレに4選手が出場、今年も入賞者を輩出

学生アスリートにとっての大舞台、日本インカレが9月19日~22日に神奈川・川崎市で開催された。名城大学女子駅伝部からは4選手が出場し、全国のトップアスリートと競い合った。初日に行われた10000mでは原田紗希選手(3年)が8位(33分13秒35)に入って3年連続の入賞を達成。

高温多湿の気象条件下で大会は行われ、夏の走り込みによる疲労の影響も表れる結果となった。谷本選手が「8月は月間650kmを走りました。過去一番走り込めた夏合宿でした」と振り返るように、ひときわハードなトレーニングを経てここに臨んできた。

日本インカレは1500m、5000m、10000mの3種目に3選手ずつ、計9名がエントリーしたものの、疲労の抜け具合やトレーニングの進捗なども考慮して5選手は欠場。例年とはやや異なる流れで〝仙台決戦〟へ向かうことになった。

「1年間でコンディションのピークをつくれるのは数回ですから、そのうちの2回を駅伝に合わせられれば、と思います。1年間ずっといい状態で走り続けることはできないわけですから、駅伝でビシっと走れればいいと思います。トラックで結果が出なかったからといって、あまり悲観することもない」と米田勝朗監督は話す。

とはいえ「そのままズルズルいってしまうといけないので、特に上級生は調子を合わせるべきところでしっかり合わせないといけませんね。その点では、責任を感じていると思います。これからの勝負はそういうところになるでしょう」(米田監督)と、駅伝へ向けてのコンディショニング、そしてチームビルディングを改めて進めて行くことになる。

エントリーメンバー決定、前回経験者が5名残る布陣

10月27日の第42回全日本大学女子駅伝は、仙台市陸上競技場(弘進ゴムアスリートパーク仙台)を発着点とする6区間38.0kmのコースで実施される。前回大会からコースの一部が変更されており、5区が9.2km、6区が7.6kmと後半2区間の比重が大きくなった。

名城大学は前回大会では当時3年生以下だった選手でチームを編成し、経験者6選手が現在のチームに残っている。その経験者のうち調子が上がり切らなかった薮谷奈瑠選手(2年)を除く5名が今回もエントリーメンバーに名を連ね、さらに3年生の上野寧々、2年生の瀬木彩花と山田未唯、1年生の近藤希美と山田桃子を加えた10名を登録。大会当日にはこの中から6選手が出走するが、具体的な布陣は本番直前までじっくりと検討していくことになる。

<エントリーメンバー10名>
4年生 谷本七星
3年生 石松愛朱加、上野寧々、原田紗希、米澤奈々香
2年生 瀬木彩花、山田未唯、力丸 楓
1年生 近藤希美、山田桃子

チームを率いるキャプテンの谷本選手はこれまで3年間、富士山女子駅伝を含めた2大駅伝に欠かさず出走しており、全日本大学女子駅伝では3大会連続で区間賞に輝いている。前回大会では新コースの6区で区間賞を獲得したことにより区間記録保持者となった。また、2年時に4区で区間記録を樹立しており、この区間については昨年のコース改変時に変更されていないため、現在も区間記録として残っている。2区間での区間記録保持者として、最後の仙台路に臨む。米田監督も「駅伝では特にしっかり結果を出せる選手」と、信頼を寄せる選手だ。自身としても「絶対に駅伝の時は調子が上がってくるので、自分とチームを信じて、ひたすら優勝だけを狙っていきたいです。メンバー全員がいい状態で臨めるように、引っ張っていきたいと思います」と、キャプテンとしての役割を全うする構えだ。

谷本七星選手(4年)
米澤奈々香選手(3年)

副キャプテンの米澤奈々香選手(3年)は大学入学以来トラックシーズンのコンディショニングにやや苦戦しており、今季も例外ではなかったが、駅伝では2大駅伝すべてに出場して必ず力を発揮しているチームの要だ。「駅伝でしっかり連覇するというのを、本当に目標にしています。目の前のことをしっかりとこなしていきたいです」と、一歩一歩前進していくことを求めている。今年は副将としての役割も担っており、「仲のいいチームで、人間関係でのトラブルのようなものがありません。そこに全く心配がなく、全員が練習できつくなってきた時のメンタルなどもお互いに気にかけられています」と先輩とともに取り組んできたチームづくりについても胸をはる。

原田選手は日本インカレで部内唯一の入賞を果たし、近年続けている女子駅伝部の連続入賞をキープした。表彰台を目指していただけに、自身の望む結果とは必ずしも言えなかったが、それだけにいっそう駅伝へ向け闘志を燃やす。チーム随一のスタミナ自慢で、駅伝でも長い区間を担うことを希望している。「(最長区間の)5区を走るんだ、というつもりでやっています。駅伝では私も絶対に負けたくないという気持ちがあります」と公言。前回大会と同じ区間でのさらなる飛躍を目指している。

原田紗希選手(3年)

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