講演会「2025年共通テストの新教科『情報』で大学入試はどう変化する、どう準備する」

大学入学共通テストの新教科に『情報』が選ばれた理由とは何か

2023-08-05 13:00

早稲田大学オープンキャンパス連動企画で情報科の先生の吉田英史が、2023年8月6日(日)に「AKANE」(東京都新宿区西早稲田2丁目1−17 酒井ビル 1F)にて「2025年共通テストの新教科『情報』で大学入試はどう変化する、どう準備する」というテーマで登壇します。

■イベント概要

日時:
2023年8月6日(日)16時~17時(開場:15時30分)

会場:
AKANE(早稲田駅より徒歩3分、早稲田大学戸山キャンパス向かい)
東京都新宿区西早稲田2丁目1−17 酒井ビル 1F

参加費:
無料

登壇者:
吉田英史 twitter:https://twitter.com/wasehide
(「情報」高等学校教諭1種免許・専修免許取得、早稲田大学大学院教育学研究科修士課程 学校教育専攻 修了)

申し込み:
https://twitter.com/wasedacafeakane/status/1687704034482995200
AKANE twitter:https://twitter.com/wasedacafeakane

■「Society 5.0」という社会へ

Society 5.0 という言葉があります。内閣府が提示している定義によると、Society 5.0とはサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)です。Society 5.0 の社会は、過去の社会である狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)の次にあたる社会となっています。

具体的には、自動運転であったり、ドローンによる配送、ロボットによる歩行補佐など、人とインターネットがリアルで繋がっている世界です。他にも、地域、年齢、性別、言語等による格差を小さくしたり、情報を用いてモノやサービスを必要な人に必要なだけ届けることで、利便性の向上と同時に持続可能な社会の実現ができる可能性を秘めています。

内閣府HP:動画「Society 5.0 」
https://wwwc.cao.go.jp/lib_006/society5_0/society5_0_mirai1.html

■IT人材は今でさえ不足している

実際の状況を経済産業省のデータ(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf)をみると、2018年時点で、既に需要を満たせていません。さらにIT需要の伸びが低いときでさえ 2030年には16万人、IT需要が伸びれば79万人も不足するという予測がされています。皆さんが現在高校1年生だとしたら、社会人 3、4年目ぐらいにIT人材が圧倒的に不足している社会になっていると予測されています。当然その世界では、IT人材の価値は今よりも高いでしょう。もしかしたらグローバル化が更に進み、ほとんどのIT人材は外国の人になり、日本のIT人材は大幅に減少した世界になっているかもしれません。

もはや「IT人材 = IT業界」の時代ではありません。これがIT 業界だけの話であれば、あくまで一つの業界の中での動きなので「情報」自体をセンター科目に入れたいとはならなかったかもしれません。しかし、皆さんが思っている以上に、今IT人材は非常に注目度が高く、ビジネスにおいては必要不可欠な存在になっているのです。ここで注目すべきなのはIT人材 = IT業界じゃないということです。今や皆さんが当たり前にスマホを使っているように、どの企業でもデジタル技術を使うのが当たり前の時代になっています。FAX や Email、電話、紙だけを使っているところもありますが、Chatによってコミュニケーションをしたり、書類申請を電子化して効率化するなど、業種を問わずにデジタルは活躍しています。

自分が、デジタル技術に明るくない会社で働くことを想像してみてください。
・出勤したら、タイムカード打刻
・スケジュールはホワイトボードに毎日記載
・電話を受け、メモに書き相手に連絡
・資料は印刷し、紙のファイルで保存
・申請事は紙を回して、印鑑/サインで承認
上記が全部デジタルになったら、それだけで作業効率が格段に上がるのは言うまでもありません。その空いた時間を生産性の高い行動に振り分けるので、当然他の企業よりも優位になれるでしょう。そういったデジタル技術を使いこなし、今後もビジネスを成長させるためには、当然ITに詳しい人が会社に必要なのです。こう考えると、「情報」が必修化され、共通テストに含まれるようになったのも納得です。

■自分を守るためにも「情報」の知識は必要

「情報」で何を目標に学んでほしいのかを、文部科学省が発表しているので、その一部を見てみましょう。

例えば、ここ最近では、インターネットにおける炎上騒ぎは珍しくありません。他にも投稿した写真から身バレしてしまったり、フェイクニュースが飛び交ってたり、SNS を介した詐欺や犯罪もあります。今後もインターネットと上手く付き合っていくためには、それぞれがそれぞれの知識と責任を持って活用していくことが重要になります。仕組みを知っていれば、慌てることもありません。

例えば、ワンクリック詐欺というものがありますよ。画面には個体識別番号・端末情報・IPアドレス・プロバイダ情報なども記載されており、「やばい!払わないといけないのかも・・・」と思って支払う人が後を絶ちません。そもそも支払い義務が生じないので無視すればいいのですが、個人情報が取られているのかと思うとぞっとします。。しかし、安心して下さい。IPアドレスなどはネットを使うために必要な情報であるため、送信先に送られるもので、そこに住所や氏名、電話番号やメールアドレスなどの個人情報は含まれません。こういったことをインターネットの仕組みから理解しているのと、理解していないのでは全然違います。

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